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デジタル化についていけない?【中小企業】倒産を防ぐ原因と対策を解説

中小企業の経営者やIT担当者の皆様、日々の業務に追われながら「デジタル化」という言葉にプレッシャーを感じていませんでしょうか。

「周りは進んでいるのに自社は手つかずだ」「どこから手を付ければいいかわからない」という焦りは、多くの企業が抱える共通の悩みです。

しかし、無策のまま放置すれば、時代の変化に取り残されるだけでなく、経営そのものが危うくなるリスクすらあります。本記事では、デジタル化に「ついていけない」と感じる根本原因を解き明かし、中小企業だからこそ実践できる、低コストかつ効果的な対策を解説します。

記事監修者

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DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

中小企業がデジタル化についていけないと倒産リスクも?今すぐ対応すべき理由

世の中のデジタル化の波は、単なる流行ではなく、企業の生存競争そのものになりつつあります。

多くの経営者が「うちはまだ大丈夫」と考えがちですが、現状維持は後退と同義です。

なぜなら、競合他社がデジタル化によってコストを削減し、顧客サービスを向上させている間に、アナログな手法に固執する企業は相対的に競争力を失っていくからです。

ここでは、なぜ今すぐにデジタル化への対応が必要なのか、切実な理由を掘り下げていきます。

人手不足倒産を防ぐ唯一の手段は「デジタル武装」

日本国内の労働人口が減少の一途をたどる中、中小企業における人手不足は深刻さを増しています。

人を採用しようにも応募が来ない、あるいは採用コストが高騰して手が出ないという状況は、今後さらに悪化すると予測されます。

このような環境下で企業が生き残るためには、限られた人員で従来以上の成果を上げる「生産性の向上」が不可欠です。

実際、中小企業庁が発表した「2024年版中小企業白書」でも、DXの導入目的として「人件費の削減(30.3%)」が上位に挙がっており、人手不足やコスト高への対抗策としてデジタル化が選ばれている現状が浮き彫りになっています。

例えば、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、データ入力などの単純作業をロボットに任せるとします。

そうすれば、社員は人間にしかできない付加価値の高い業務に集中でき、増員せずとも業務量を維持・拡大できる状態をつくれるのです。デジタル武装は、人手不足による倒産を防ぐための最強の防波堤となります。

また、RPAは何ができるかできないか等、詳しく確認したい方は、こちらの記事を併せてご覧ください。

関連記事:【徹底解説】RPAとは?できること・できないことのまとめ! – ビュルガーコンサルティング株式会社

大企業よりも有利?「小回りの利く組織」こそデジタル化は成功する

「デジタル化は大企業がやるもので、中小企業にはハードルが高い」と思い込んでいませんでしょうか。

実は、意思決定のスピードが速い中小企業こそ、デジタル化の恩恵を最大限に享受できる有利な立場にあります。

大企業では新しいツールを一つ導入するにも、幾重もの承認プロセスや部門間の調整が必要となり、実行までに長い時間を要します。

一方、中小企業であれば、経営者の「やろう」という一声で即座にプロジェクトを始動できるのです。

現場の課題をダイレクトに吸い上げ、小さな改善をスピーディーに繰り返すことが可能です。

実際に、デジタル施策の成果を十分に出せるプロジェクトは全体のおよそ半数弱と言われており、失敗を恐れずに試行錯誤できる環境が重要になります。

小回りの利く組織体制を活かし、まずは特定の業務から小さくデジタル化を始めることが成功への近道です。

完璧なシステムを目指すのではなく、現場の「困った」を即座に解決するスピード感こそが、中小企業の最大の武器になります。

取引先から見放されないために!「インボイス・電子帳簿保存法」への対応

デジタル化への対応を怠ることは、法的なリスクを招くだけでなく、取引先からの信用失墜に直結します。

インボイス制度や電子帳簿保存法といった法改正により、企業間の取引データのデジタル化が急速に進んでいます。

紙の請求書やFAXでのやり取りに固執し続けると、「手間のかかる相手」と見なされるおそれがあります。

例えば、取引先がクラウド上で請求処理を完結させている中、自社だけが郵送で書類を送っていると想像してください。

相手側は自社の書類を処理するためだけに、出社したり手入力したりする手間を強いられます。

このような非効率な取引は、将来的に取引停止の理由になり得ます。また、電子契約を導入すれば印紙代を削減できるといった明確なコストメリットもあります。

法対応を単なる義務と捉えるのではなく、業務フローを見直し、取引先から選ばれ続ける企業になるための好機と捉えるべきです

現場がデジタル化についていけない3つの原因と対策

経営者がいくらデジタル化を叫んでも、現場がついてこなければ改革は絶対に成功しません。

「新しいシステムを入れたのに誰も使わない」「かえって現場が混乱した」という失敗事例は枚挙にいとまがありません。

現場が拒絶反応を示すのには、必ず明確な理由があります。ここでは、現場がデジタル化についていけない主な原因を3つに分類し、それぞれの具体的な対策を提示します。

  • ベテラン社員が抱く「心理的ハードル」の正体
  • IT担当不在を解消する「相互教育」の仕組み
  • 高機能すぎて失敗する「ツール選定」の落とし穴

ベテラン社員が抱く「心理的ハードル」の正体

長年会社を支えてきたベテラン社員ほど、新しいデジタルツールの導入に抵抗感を示す傾向があります。

単なるわがままではなく、「現在のやり方こそが正しい」という強い固定観念や成功体験に基づいている場合が多くみられます。

長年同じ業務を続けていると、その手順が非効率であっても「当たり前」と感じてしまい、疑問を持たなくなるのでしょう。

IPAの「中小規模製造業の製造分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)のための事例調査報告書」によれば、日本の生産現場には丁寧さを重んじる素晴らしい風土がある一方で、それがスピードを重視するDXへの心理的な障壁・抵抗勢力になっているという課題も指摘されています。

また、新しいことを覚える手間や、操作を間違えた時の責任に対する不安も大きな要因になります。

ハードルを越えるには、「会社のため」という説明ではなく、「あなた自身が楽になる」というメリットを強調する必要があります。

「この作業が5分で終わるようになる」「面倒な集計作業がなくなる」といった具体的な成功体験を共有し、不安を解消することが重要です。

否定から入るのではなく、現場の不安に寄り添い、丁寧なトレーニングとサポートを提供することで、心理的な壁は徐々に低くなっていきます。

IT担当不在を解消する「相互教育」の仕組み

多くの中小企業では、専任のIT担当者を置く余裕がなく、デジタル化の推進役が不在になりがちです。

特定の詳しい社員に業務が集中してしまうと、その人が退職した瞬間にシステムがブラックボックス化するリスクがあります。

また、通常業務と兼任で改善活動を行わせると、緊急度の高い日常業務に埋もれてしまい、プロジェクトが停滞してしまいます。

問題を解決するには、特定の個人に依存するのではなく、組織全体で教え合う「相互教育」の仕組みを作ることが有効です。

例えば、RPA導入で残業を削減できた部署があれば、その成果と方法を全社で発表し、ノウハウを共有します。

また、改善提案をした社員を正当に評価する制度を設けることで、社員の自発的な参加を促せます。

外部のパートナーを活用する場合でも、丸投げにするのではなく、社内に推進役を立てて共同で進める意識を持つことが、知識の定着につながります。

高機能すぎて失敗する「ツール選定」の落とし穴

「せっかく導入するなら一番いいものを」と考え、多機能で高額なシステムを導入してしまうのは、よくある失敗パターンです。

多くの企業が「完璧な解決策」や「大掛かりなシステム」を最初から求めすぎるあまり、現場の身の丈に合わないツールを選んでしまいがちです。

機能が多すぎるツールは操作が複雑になりやすく、現場の混乱を招くだけでなく、使いこなせない機能のために無駄なコストを払い続けることになります。

ツール選定の際は、現場の課題解決に必要最小限の機能から始めましょう。

また、特定のベンダーの独自仕様に依存しすぎると、将来的な乗り換えが困難になる「ベンダーロックイン」のリスクも考慮しなければなりません。

導入コストだけでなく、運用費や担当者の学習コストも含めたトータルの費用対効果(ROI)を冷静に計算し、本当に必要な投資かどうかを見極める必要があります。

まずはスモールスタートで始め、効果を確認しながら段階的に機能を拡張していくアプローチが確実です。

社員がデジタル化ついていけない状態を防ぐ標準化戦略

デジタル化を成功させるための大前提は、業務の「標準化」です。

誰がやっても同じ結果になるように業務フローが整理されていなければ、どんなに優れたツールを導入しても効果は限定的です。

属人化した業務を整理し、デジタルツールに乗せやすい形に整えることが、現場の混乱を防ぐ鍵となります。

ここでは、社員が無理なくデジタル化に適応できるための標準化戦略について解説します。

  • 説明不要!「直感で使えるツール」の選定基準
  • 脱・魔改造エクセル!情報のクラウド共有化
  • デジタルスキルの「属人化」を防ぐための役割分担

説明不要!「直感で使えるツール」の選定基準

現場に新しいツールを定着させるためには、操作が直感的でわかりやすいものを選ぶことが極めて重要です。

分厚いマニュアルを読まなければ使えないようなシステムは、現場の忙しい社員から敬遠され、すぐに使われなくなってしまいます。「便利さ」が「手間の煩雑さ」を上回る設計こそが、定着化の鍵となるからです。

選定の際は、ITリテラシーが高くない社員でも、画面を見ただけで何をすればいいかがわかるユーザーインターフェース(UI)であるかを確認します。

例えば、ボタンの配置がわかりやすいか、専門用語ではなく日常的な言葉が使われているかといった点です。

また、トライアル期間を活用して実際の現場社員に触ってもらい、「これなら使えそう」という感触を得てから本格導入を決定すべきです。

現場の意見を吸い上げ、彼らが使いやすいツールを選ぶプロセスそのものが、導入後の協力体制を築く第一歩となります。

脱・魔改造エクセル!情報のクラウド共有化

中小企業の現場では、複雑な数式やマクロが組み合わされた「魔改造エクセル」が業務を支えているケースが少なくありません。

しかし、エクセルでの管理は、ファイルが先祖返りしたり、担当者しか修正できなかったりといった「ムダ」の温床になりがちです。

また、ローカル環境に保存されたファイルは、社外からアクセスできず、リモートワークなどの柔軟な働き方を阻害する要因にもなります。

脱エクセルを目指し、情報をクラウド上で一元管理する仕組みへの移行を推奨します。

例えば、稟議書や顧客リストをクラウド型のツールに置き換えるだけで、常に最新の情報を全員が共有できるようになるのです。

検索機能を使えば書類を探す時間が大幅に削減され、情報の透明性も向上します。

最初はエクセルの見た目に近く、データをそのままインポートできるサービスを選ぶと、現場の抵抗感を減らしながらスムーズに移行できます。

情報は「個人の持ち物」ではなく「会社の資産」であるという意識改革を進めましょう。

デジタルスキルの「属人化」を防ぐための役割分担

デジタル化を進める中で、特定の社員だけがツールを使いこなし、他の社員が取り残される事態は避けましょう。

属人化を防ぐには、業務をタスクレベルまで細分化し、誰が何をすべきかを明確にする役割分担が必要です。

業務全体を漠然と捉えるのではなく、「請求書をPDFにしてフォルダに格納する」といった具体的な作業単位に分解して考えます。

タスクを分解することで、「人の判断が必要な業務」と「ルーチンワーク」が明確になるのです。

顧客リストの転記やメール送信といった繰り返し作業は、RPAやマクロを活用して自動化し、機械に任せます。

一方で、顧客への提案や複雑な判断が必要な業務は人間が担当します。このように役割を分担することで、デジタルスキルに自信がない社員でも、自分の担当業務に集中できます。

機械が得意な作業は機械に、人間が得意な作業は人間に。適材適所の配置こそが、組織全体の生産性を最大化するポイントです。

デジタル化についていけないを卒業!中小企業が低コストで始める3ステップ

デジタル化は、巨額の投資をして一気にシステムを入れ替えることだけが正解ではありません。

むしろ、手軽にできる小さな改善を積み重ね、成功体験を肌で感じながら進める方が、リスクも少なく現場の納得感も得やすいです。

ここでは、今日からでも始められる、低コストで確実な効果を生むための3つのステップを紹介します。

  • ステップ1:電話・FAX・紙を「1割」減らす試み
  • ステップ2:無料ツールで予定共有から始める
  • ステップ3:失敗を許容する「1ヶ月の体験期間」

ステップ1:電話・FAX・紙を「1割」減らす試み

いきなり全ての業務をペーパーレス化しようとすると、現場の反発を招き、挫折する可能性が高いです。

まずは「現状の1割」を減らすことを目標に、「なくす」「変える」という視点で業務を見直してみましょう。

業務改善の視点として、ECRS(Eliminate:排除、Combine:結合、Rearrange:入れ替え、Simplify:簡素化)というフレームワークを用います。 まずはこの中のEliminate(排除)を実践し、そもそもその業務が必要なのか、「なくせないか」を最優先で考えます。

例えば、「念のために印刷している会議資料」や「慣用で送っているFAX」など、法的根拠や顧客への付加価値がない作業は廃止の候補です。

過去5年間で一度も使われなかった書類や、なくても困らない確認作業をリストアップし、思い切ってやめてみます。

1割減らすだけでも、用紙代や通信費、そして何より「探す時間」や「管理する手間」という見えないコストが削減されます。

小さな成功体験が、次の改善へのモチベーションにつながります。

ステップ2:無料ツールで予定共有から始める

高価なグループウェアを導入する前に、まずはGoogleカレンダーなどの無料ツールを使って、社内の予定共有から始めてみましょう。

ECRSの「Combine(まとめる)」や「Rearrange(入れ替える)」の実践にもなります。

社員全員のスケジュールが可視化されるだけで、「今、電話しても大丈夫ですか?」という確認の手間や、会議の日程調整にかかる往復メールの時間を大幅に削減できます。

また、無料のチャットツールを導入し、電話や口頭での連絡をテキストに置き換えることも有効です。

言った言わないのトラブルが減り、情報はログとして残るため、後から検索することも容易になります。

無料ツールであれば導入コストはゼロであり、万が一使い勝手が悪くてもすぐに止めることが可能です。

まずは「デジタルでつながる便利さ」を全社員が体感することが、本格的なシステム導入への地ならしとなります。

ステップ3:失敗を許容する「1ヶ月の体験期間」

新しいツールや業務フローを導入する際は、最初から完全定着を目指すのではなく、「1ヶ月のお試し期間」を設けることをお勧めします。

1ヶ月の期間は失敗を許容し、現場からのフィードバックを集めることに集中します。実際に運用してみることで、「ここが使いにくい」「この機能は不要だ」といった具体的な改善点が見えてくるのです。

本段階で重要なのは、短期間でも良いので効果を数値で測定することです。例えば、「作業時間が1日30分から2分に減った」といった定量的なデータを記録します。

もし期待した効果が出なければ、潔く撤退するか、別の方法を試せば良いのです。小さな失敗は経験となり、次の成功への糧となります。

また、成果が出た場合は、ROI(投資対効果)を計算し、本格導入に向けた投資判断の根拠とします。

小さく試して、大きく育てる。サイクルを回すことこそが、デジタル化を成功させる極意です。

よくある質問(FAQ)|デジタル化についていけないと悩んでいる方々の声に回答

Q1. ITに詳しい社員が一人もいません。何から手を付けるべきでしょうか?

A1. まずは「紙・ペン・FAX」を使っている業務を一つだけデジタルに置き換えてください。専門知識は不要です。

例えば、ホワイトボードの予定表をスマートフォンのカレンダーアプリに変えるだけで、外出先から予定を確認できるようになります。

こうした身近な「便利さ」を実感することが、社内のITアレルギーを克服する最短ルートとなります。

Q2. デジタル化の費用対効果(ROI)はどのように計算すれば良いですか?

A2. 「削減された作業時間 × 担当者の時給」をベースに計算します。 

例えば、月間20時間のデータ入力作業がシステム化でゼロになった場合、時給2,000円なら月4万円のコスト削減とみなされます。

加えて、ミスによる手戻りの減少や、顧客対応時間の増加といった定性的な効果を積み上げて投資判断の材料にするのです。

Q3. 高価なシステムを導入して、現場が使いこなせなかったらと思うと怖いです。

A3. 1ヶ月程度の「体験期間(トライアル)」があるツールを選び、現場に判断させてください。

経営者が機能だけで選ぶのではなく、実際に使う社員に操作感を試してもらうことが不可欠です。

現場から「これなら今の業務が楽になる」という声が出てから本契約に進むことで、導入後の形骸化(使われなくなること)を防げます。

Q4. ツールを導入する際、セキュリティ対策に多額の費用がかかりますか?

A4. 信頼性の高い「クラウドサービス(SaaS)」を活用すれば、低コストで対策が可能です。

自社で専用サーバーを構築して守るよりも、すでに強固なセキュリティを備えている既存のサービスを利用する方が安価で安全です。

まずは「二段階認証の設定」や「パスワード管理の徹底」といった基本的な運用ルール作りから始めてください。

Q5. 従業員の満足度などの「目に見えない効果」は、どう評価すべきですか?

A5. アンケートによる数値化や、採用コストの削減額として換算します。

例えば、デジタル化で残業が減り離職率が改善すれば、将来的な「採用・教育コストの削減」という大きな利益になります。

導入前後に匿名のアンケートを行い、「業務のしやすさ」を5段階評価で比較することも、立派な効果測定の手法です。

Q6. 既存のExcel管理が複雑すぎて、デジタル化に移行できる気がしません。

A6. 全てを一度に移そうとせず、特定のデータ項目から「情報のクラウド化」を試みてください。

「魔改造エクセル」を一度に廃止するのは困難です。まずは在庫データや顧客リストなど、共有頻度が高い情報からクラウドツールへ移行します。

誰でも最新情報にアクセスできる利便性を共有することで、徐々に脱エクセルの機運を高められます。

Q7. 小さなデジタル化を繰り返すだけで、本当に経営リスクは下がりますか?

A7. はい。小さな効率化の積み重ねが、人手不足への耐性とスピードを生みます。

一つの業務で月5時間の余裕が生まれれば、年間で60時間の創出になるのです。

その時間を「新しいサービスの企画」や「顧客への手厚いフォロー」に充てることで、売上向上につながる好循環が生まれます。デジタル化による真の経営改善です。

Q8. 導入したシステムが数年で使えなくなるリスクはありませんか?

A8. 変化に合わせてアップデートされる「クラウド型」を選ぶことでリスクを軽減できます。 

買い切りのシステムと違い、クラウドサービスは法改正や技術トレンドに合わせて自動で機能が更新されるのです。

将来的なインボイス制度や電子帳簿保存法への対応も提供元が行うため、常に最新の状態で使い続けることが可能になります。

まとめ|デジタル化についていけない方には「小さな一歩」から

本記事では、中小企業がデジタル化につまずく原因と、具体的な対策について解説してきました。

デジタル化は決して大企業だけのものではなく、むしろ中小企業が生き残るための強力な武器となります。

ここで、改めて重要なポイントを振り返ります。

  • 人手不足の解消:デジタル化は採用難の時代における唯一の解決策であり、生産性向上の鍵です。
  • 現場の心理的ハードル:「楽になる」というメリットを提示し、丁寧なサポートで不安を取り除きます。
  • 標準化と役割分担:業務をタスクレベルで分解し、直感的なツールを選んで属人化を防ぎます。
  • スモールスタート:まずは「なくす」ことから始め、無料ツールや試用期間を活用してリスクを抑えるのです。

「デジタル化についていけない」と悩むのは、決して恥ずかしいことではありません。しかし、何もせずに立ち止まっていることこそが最大のリスクです。

まずは身近な業務の「ムダ」を見つけ、小さな改善から始めてみてはいかがでしょうか。

もし、自社の課題がどこにあるのか明確でない、あるいはどのツールを選べば良いか迷っているという場合は、専門家の知見を借りるのも一つの賢い選択です。

外部パートナーと共に、貴社の業務に最適なデジタル化のロードマップを描くことで、無駄な投資を避け、最短距離で成果にたどり着きます。

また、デジタル化や業務改善アイデアを幾つか調べてから実践を検討したい方は、こちらの記事を併せてご覧ください。

関連記事:業務改善のアイデアが思いつかい!簡単に実施できる業務改善案5選のご紹介 – ビュルガーコンサルティング株式会社

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AIやブロックチェーン領域に早くから着手しており、600件以上の実績に基づく高度な技術提案が強みです。ISTQBゴールドパートナーとしての厳格な品質管理体制により、日本クオリティを維持した「ラボ型開発」を実現しています。

技術的な難易度が高いDXプロジェクトにおいて、戦略から実装まで任せられる信頼のパートナーです。。

GMO-Z.com RUNSYSTEM株式会社(ベトナム):GMOグループの信頼と20年の実績

GMO-Z.com RUNSYSTEM株式会社はGMOインターネットグループの一員として、20年以上にわたり日本市場向けオフショア開発を牽引しています。

CMMIレベル3やISMSに準拠した厳格な管理体制により、金融などの高セキュリティ案件でも「日本品質」を維持できるのが最大の強みです。

自社AIプロダクト開発で培った高度な技術力に加え、日本の商習慣を熟知したブリッジSEが円滑な連携をサポートします。大手ならではの安定感と技術力を兼ね備えた、失敗できないDXプロジェクトにおける最良のパートナーです。

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フジネット・システムズ株式会社は2000年の創業以来、売上の9割以上を日本市場向けが占める「日本専念型」の老舗オフショア企業です。最大の特徴は、日本の商習慣や「そこを何とか」といった細かなニュアンスまで汲み取れる深い理解力があり、日本人スタッフや日本語堪能なエンジニアによる円滑な連携が強みです。

約700名の精鋭が在籍し、大規模な基幹システムからWeb、モバイル、マイグレーションまで、3,000件以上のプロジェクトを完遂してきた豊富な知見を誇ります。

CMMIレベル3やISMSといった国際基準を全社で徹底しており、日立グループや三菱電機グループなどの大手企業からも長年選ばれ続ける「日本クオリティ」です。

合同会社Solashi Japan(ベトナム):事業成長を第一に考える『伴走型』

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日本人プロジェクトマネージャーが上流工程から伴走するため、抽象的なアイデアを動くプロダクト(MVP)へと落とし込むスピードと精度が非常に高いのが強みです。

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最大の強みは、日本人の上級エンジニアやブリッジSEが徹底したプロジェクト管理を行うことで、オフショアにありがちな品質のばらつきや納期遅延のリスクを最小限に抑えている点です。

フィリピン拠点は英語圏である利点を活かし、最新の技術ドキュメントへの迅速なアクセスやグローバルな開発基準の採用が容易で、柔軟かつスピーディーな体制構築を得意としています。

株式会社LIG(フィリピン・ベトナム):デザインの知見を活かしたユーザー中心の開発

株式会社LIGは、国内屈指のWeb制作実績で培ったクリエイティブ力を武器に、フィリピン・ベトナムでのオフショア開発を展開しています。

最大の特徴は、単なる工数提供ではなく、顧客と共に最適なチームを創り上げる「BiTT(Build Team Together)」という独自のスタイルです。UI/UXデザインから実装まで一気通貫で対応できるため、ユーザー体験を重視する新規事業やサービス開発において圧倒的な強みを発揮します。

コミュニケーション能力の高いブリッジSEが介在することで、仕様の背景にある「目的」を共有し、オフショア特有のズレを防ぐ柔軟な開発が可能です。

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株式会社Sun Asteriskはベトナムを中心とした約2,000名規模のグローバルリソースを擁し、単なるシステム受託を超えた「事業共創」を掲げるデジタル・クリエイティブスタジオです。東証プライム上場の確かな経営基盤のもと、新規事業の立ち上げから大規模なDX推進まで、今まで1,000件以上のプロジェクトを成功に導いてきました。

上流工程のコンサルティングからUI/UXデザイン、本開発、そしてリリース後のグロース支援までを一気通貫で提供できる点が特徴です。

デザインシンキングやアジャイル開発を主軸とし、ビジネス視点を持ったコンサルタントと精鋭エンジニアが密に連携するため、変化の激しい現代の市場において「勝てるプロダクト」をスピーディーに形にできます。

トッパジャパン株式会社(ベトナム):AI・ロボット・日本企業の窓口で安心の『突破』力

トッパジャパン株式会社は、ベトナムの精鋭エンジニア集団「TOPPA SOLUTIONS」と強固に連携し、日本国内基準の品質とオフショアのコストメリットを両立させる実力派企業です。

単なるWeb制作に留まらず、複雑なアルゴリズムの実装やC++を用いたエンジン開発など、難易度の高いプロジェクトを完遂する実力を持っています。また、教育関係のシステム開発実績が豊富な点も大きな特徴です。

株式会社コウェル(ベトナム):QA(品質保証)への並外れたこだわり・安定したラボ型開発

株式会社コウェルはベトナムを主要拠点に400名超の体制を誇る、日本のオフショア開発シーンにおける「品質重視派」の筆頭格です。

最大の特徴は、単なるプログラミングに留まらず、ソフトウェアテスト(QA)の専門領域においてグローバルレベルの認定(ISTQB Global パートナー)を受けている点です。

さらに、日本企業が最も懸念する「品質」に対して極めて論理的・組織的なアプローチも持っています。

主力である「ラボ型開発」では、経験豊富な日本人ブリッジSEが上流工程から深く関与し、コミュニケーションロスを徹底的に排除します。

株式会社モンスターラボホールディングス(世界20カ国):世界20ヵ国の知見を結集したDXのハイエンド・オフショア

株式会社モンスターラボホールディングスは世界20ヵ国33都市(2025年時点)に広がる巨大な拠点ネットワークを駆使し、低コスト開発を超えた「グローバル水準のDX推進」を提供するデジタルコンサルティング企業です。

最大の強みは、上流工程のビジネスデザインやUI/UX設計を日本のコンサルタントが担当し、世界中の多様な専門人材をプロジェクトごとに最適にアサインできる点です。

AI、IoT、AR/VRといった先端技術や、海外展開を見据えた多言語・多文化対応のプロダクト開発において圧倒的な優位性を持ちます。

オフショア開発会社選びで失敗しないポイント

オフショア開発を成功させるためには、パートナーとなる開発会社の選定が最も重要になります。 

コスト削減だけを目的にして、単価の安さだけで会社を選んでしまうと、プロジェクトは失敗に終わる可能性が高いです。 

なぜなら、開発の現場では技術力だけでなく、円滑なコミュニケーションや管理能力が問われるからです。 

選定の際は、見積もりの金額だけでなく、信頼できる体制を持っているかを慎重に見極めなくてはいけません。 

自社の課題を深く理解し、解決策を具体的に提案してくれる会社を選ぶ姿勢が重要です。 

複数の会社を比較検討したり、担当者と直接話したりして、相性を確認することが大切です。 

コミュニケーション体制とブリッジSEの質を確認する

海外の開発会社を選ぶ際は、コミュニケーション体制とブリッジSE(エンジニア)の能力を最優先で確認すべきです。 

オフショア開発における失敗の多くは、言葉の壁や文化の違いによる認識のズレから生じるからです。 

日本語が通じるというだけでなく、日本の商習慣や細かなニュアンスまで理解できる人材がいるかが鍵を握ります。 

例えば、仕様書の行間を読んで質問してくれたり、リスクを事前に察知して報告してくれたりするブリッジSEは優秀です。 

また、チャットツールでのレスポンスの速さや、定期的なビデオ会議の開催頻度についても確認しておきましょう。 密に連絡を取り合ったり、情報を透明化したりする仕組みが整っている会社であれば、安心して任せられます。 

言葉の不安を解消できる強固な体制がある会社を選ぶことが、プロジェクトをスムーズに進めるための条件です。

自社の課題解決に似た「実績」と提案力を見極める

候補となる会社が、自社の解決したい課題と似たプロジェクトを成功させた実績を持っているかどうかも重要です。 

類似の実績が豊富な会社には、過去の経験に基づいたノウハウが蓄積されており、効率的に開発を進められるからです。 

例えば、同規模のシステム構築事例を見せてもらったり、直面した課題への対処法を質問したりしてみます。 

自社の業界特有のルールや業務フローを理解しているかどうかも、判断のための大きなポイントになるでしょう。 

さらに、言われた通りに作るだけでなく、より良い解決策を積極的に提案してくれる姿勢があるかも確認しましょう。 受け身ではなく、ビジネスの成功を目指して伴走してくれるパートナーを選ぶことが、投資対効果を高めます。 

成功の鍵を握る「リスク管理」の全貌を知る

オフショア開発には、国内開発にはない特有のリスクが潜んでいることを忘れてはいけません。 

会社選びのポイントを押さえた後は、実際に起こりうるトラブルの正体とその回避策を具体的に知る必要があります。

リスクを事前に把握しておくことで、開発会社との交渉や契約をより有利に進めることが可能になります。 

例えば、セキュリティ対策の甘さや、予期せぬコスト増加といった問題は、事前の準備で防ぐことができます。 

さらにオフショア開発のリスクや国別の特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

自社のDX戦略を共に描けるパートナーを見つけ、事業成長を加速させていきましょう。

よくある質問(FAQ)|オフショア開発会社について詳しく知りたい方々の声に回答

Q1. 言葉や文化の壁が心配です。日本語は通じますか?

A1. 「ブリッジSE」が在籍する企業を選べば、日本語での円滑な進行が可能です。 

多くのオフショア企業には、日本語と現地の言葉、そして技術知識を持つ「ブリッジSE」が在籍しており、彼らが翻訳と管理を行います。 

ただし、文化の違いによる「認識のズレ」はゼロではありません。

これを防ぐためには、チャットツール等で「密なコミュニケーション」を取り、小さな疑問もその都度解消する姿勢が重要です。

Q2. 日本国内への発注と比べて、本当にコスト削減になりますか?

A2. 単価は下がりますが、トータルの費用対効果(ROI)で判断する必要があります。 

オフショア開発の人月単価は日本より安価な傾向にありますが、目先の開発費だけで判断するのは危険です。

「コスト削減」だけでなく、浮いた予算でより高機能なシステムを作る、あるいは国内では採用困難な「専門技術を持つエンジニア」を確保するといった、投資に対する利益(ROI)の最大化を目的とすることをおすすめします。

Q3. オフショアだと品質が悪くなるイメージがありますが、大丈夫でしょうか?

A3. 「丸投げ」をせず、品質基準を具体的に合意すれば高品質な開発が可能です。

品質低下の主な原因は、オフショアかどうかよりも、発注側が仕様を曖昧にしたまま「言わなくても分かるだろう」と開発会社に任せきりにすること(丸投げ)にあります。

どのような品質を求めるかを明確にし、定期的にデモを確認するなどの「主体的なプロジェクト管理」を行うことで、品質はコントロールできます。

Q4. 開発会社選びで失敗しないための「最大のポイント」は何ですか?

A4. 会社の規模や安さよりも、自社との「相性」と「提案力」を重視してください。

パートナー選定の成否は、システム開発の成功を9割左右します。 

単に言われた通りに作るだけでなく、貴社のビジネス課題を深く理解し、「本当に必要な機能は何か」や「業務効率化のヒント」まで提案してくれる「伴走型」のパートナーを選ぶことが成功への近道です。

Q5. ITの専門知識がないのですが、依頼しても問題ありませんか?

A5. はい、可能です。大切なのはIT知識よりも「ビジネスの目的」です。

技術的な翻訳はプロである開発パートナーが行います。発注者側で重要なのは、「なぜシステムが必要なのか」「システムで何を達成したいのか(例:工数を◯時間削減したい)」という目的と計画を明確にすることです。 

目的さえ明確であれば、専門家が最適なシステムの形を提案してくれます。

Q6. セキュリティ面や情報漏洩のリスク対策はどうなっていますか?

A6. 国際的なセキュリティ基準(ISMSなど)を持つ信頼できる企業を選びましょう。

開発データの管理や情報漏洩は確かにリスクの一つです。 

そのため、国際規格(ISMS認証など)を取得しているか、契約時に秘密保持契約(NDA)を締結できるか、そして開発環境のセキュリティ対策が十分かなどを事前に確認し、信頼できるパートナーを選ぶことが不可欠です。

Q7. 開発後の「保守・運用」も対応してもらえますか?

A7. 多くの企業で対応可能です。開発段階から計画に含めておきましょう。

システムは作って終わりではなく、運用開始後も改善やトラブル対応が必要です。

納品後の「無償保証期間」や、その後の「保守運用契約」について事前に確認し、契約に含めておくことで、リリース後も安心してシステムを利用し続けられます。

Q8. 開発期間はどれくらい見ておけば良いですか?

A8. 規模によりますが、余裕を持ったスケジュール設計が重要です。

小規模なものであれば2〜3ヶ月、大規模なものは1年以上かかる場合もあります。

重要なのは、開発パートナーと「いつまでに、どの機能が必要か」をすり合わせ、現実的なスケジュールを立てることです。

また、仕様変更や手戻りが発生する可能性も考慮し、リリース時期にはバッファ(余裕)を持たせておくのが賢明です。

まとめオフショア開発会社は慎重に選ぼう

オフショア開発を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)は、コストを抑えつつスピード感を持って事業を成長させるための強力な手段となります。 

本記事では、日本品質を深く理解し、確かな技術力を持つ厳選された12社をご紹介しました。 

どの企業も単なる外部委託先ではなく、貴社のビジネスを共に創り上げる戦略的なパートナーになり得る実力を持っています。

開発会社を選ぶ際は、提示された見積金額の安さだけで判断をしてはいけません。 なぜなら、プロジェクトの成否はブリッジSEの能力や、過去の類似実績に基づく提案力の差で決まるからです。 

意思疎通がスムーズに進み、自社の課題に寄り添ってくれる体制があるかを見極める姿勢が大切です。

まずは気になる数社に相談をして、担当者の対応や提案の質を直接確かめることから始めてみてください。自社に最適なパートナーが見つかれば、DXによる業務改善や新規事業の立ち上げは大きく加速します。 

正しい知識と信頼できる仲間を手に入れて、失敗のないDX推進を実現しましょう。

DX

中小企業のDXが進まない理由5選|失敗する会社の共通点と成功ステップ

『DXが進まない…』と悩む中小企業の経営者は少なくありません。

変化の激しい市場環境では、DXの遅れはそのまま「競争力の喪失」につながります。

社内からも「頭では分かっているが、現場が動かない」「何から手をつければいいか分からず、後回しになっている」といった声が多く聞かれます。

中小企業のDX推進の鍵となるのが、中小企業基盤整備機構が2024年に発表した調査レポートで明らかになった「DXがうまく進まない中小企業に共通する課題」です。

この記事では、なぜDXが現場で止まってしまうのかを構造的に整理し、中小企業でも実行できる具体策を解説します。

DX推進が「進まない状態」から「少しずつでも前に進む状態」へと変わるための道筋をまとめました。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

日本の中小企業でDXが進まない5つの理由

独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が2024年12月に公表した「中小企業のDX推進に関する調査」によると、DXに取り組む上での課題として、人材不足や予算の問題が上位を占めていることが明らかになりました。

日本の中小企業でDXが進まない主な理由は、以下の5つです。

  • ITに関わる人材が足りない
  • DX推進に関わる人材が足りない
  • 予算の確保が難しい
  • 具体的な効果や成果が見えない
  • DXに取り組もうとする企業文化・風土がない

どれか一つだけが原因ではなく、5つが複合的に絡み合うことでDXの取り組みが前に進まなくなってしまいます。

ITに関わる人材が足りない

DXが進まない最大の要因は、システム導入や運用を現場レベルで担う「IT人材」の不足です。

中小機構の調査でも、DXに取り組むに当たっての課題として最も多くの企業が挙げたのが「ITに関わる人材が足りない(25.4%)」でした。

社内に専任の情報システム担当者がおらず、総務や経理の担当者が兼任しているケースも少なくありません。

社内に担当者がいないため新しいツールを導入しようとしても、セキュリティ設定やデータ移行といった技術的なハードルを越えられず、検討段階で頓挫してしまうのです。

また、知識がないまま外部のシステム会社(ベンダー)に丸投げしてしまい、自社の規模に合わない高額なシステムを契約してしまう失敗ケースも後を絶ちません。

「分からないから任せる」という姿勢が、結果としてDXを複雑化させているのです。

DX推進に関わる人材が足りない

技術的なスキルを持つIT人材に次いで深刻なのが、プロジェクト全体を牽引する「DX推進人材」の不足です。

中小機構の調査では、24.8%の企業が「DX推進に関わる人材が足りない」ことを課題として挙げており、IT人材不足とほぼ同水準の深刻さとなっています。

DX推進人材は単にツールに詳しいだけでなく、自社の業務フローを深く理解し、現場を説得して抵抗感を和らげるリーダーシップが必要です。

しかし、従来の日本企業では、変革を断行できるタイプの人材が育ちにくい傾向があります。

社長が号令をかけても、現場レベルでプロジェクトを回せる「翻訳者」が不在なため、DX推進の計画が頓挫してしまうのです。

予算の確保が難しい

中小企業にとって、即座に売上に直結しないDX投資への予算確保は、経営判断として高いハードルとなります。

調査結果でも「予算の確保が難しい」との回答が24.5%に上り、人材不足と並んでトップ3の課題となっています。

特に老朽化した基幹システムの刷新は高額な投資を伴いますが、現状のアナログ業務でも「なんとか回っている」ため、経営層の意思決定が先送りにされがちです。

投資に踏み切れない状況が続くことで「とりあえず無料ツールで」といった部分的な対応に終始し、全社レベルの変革には結びつきません。

特に中小企業では、目先の資金繰りや固定費の捻出が優先されやすく、中長期視点での投資判断が後回しになりがちです。

具体的な効果や成果が見えない

経営層や現場がDXに消極的になる大きな心理的要因のひとつは「苦労して導入しても、本当に効果があるのか?」という疑念です。

実際に、DXに取り組む予定がない企業に理由を尋ねたところ「具体的な効果や成果が見えない(23.9%)」が上位の理由として挙げられています。

特に導入初期は、これまでの紙業務と新しいシステム入力の「二重管理」が発生しやすく、一時的に業務量が増える傾向にあります。

導入時期に効果が見えず「前のやり方のほうが早かった」と現場が回帰してしまのです。

デジタル化の恩恵は、事前に数値で正確に予測することが困難です。

「投資対効果(ROI)」を厳しく問われる中で、担当者が明確な答えを出せず、企画が却下されるという悪循環が多くの企業で起きています。

DX投資における費用対効果の考え方については、「DX化の費用対効果」を解説した記事で詳しく整理しています。合わせてご確認ください。

関連記事:DXの費用対効果は「測れない」は嘘?ROI計算方法と効果測定の6ステップ

DXに取り組もうとする企業文化・風土がない

ツールや予算が揃っていても失敗する根本的な原因は、変化を拒む「企業文化・風土」にあります。

中小機構の調査の課題ランキングにも「DXに取り組もうとする企業文化・風土がない」という項目が挙げられました。

長年、アナログでの調整で業務を回してきた現場には「今のやり方が一番早い」という強力な現状維持バイアスが働いています。

従来のやり方に囚われる背景には、失敗を許容しない減点主義の評価制度や過去の成功体験への執着があるのが実情です。

現場の理解を得ないままツールだけを導入すると、「また上から押し付けられた」と反発を招き、結果としてツールが定着しないまま形骸化してしまうリスクが高まります。

心理的障壁を取り除かない限り、どんな高機能なツールも定着しません。

弊社に寄せられる相談でも「ツールは入れたが、結局使われなくなった」というケースは多く、原因を掘り下げると、ほとんどが技術ではなく「組織の空気」の問題に行き着きます。

「DXは必要ない」は本当か?取り組まないことによる最大のリスク

「うちは中小企業だし、アナログでも十分回っている」「ITなんて導入しても、現場が混乱するだけだ」

現場から上がってくる声には、的を射ている部分もあります。目先の業務効率に限って言えば、慣れ親しんだ紙と電話のアナログな手法が最も効率的かもしれません。

しかし、短期的な視点ではなく数年単位で業務効率化を考えると「DXは必要ない」という判断は、企業の存続に直結する重大な判断ミスになります。

DXが進まないことによる3つのリスクを「市場からの退場」「人手不足倒産」「若手人材に選ばれない職場」という観点から整理します。

「アナログでも回っている」という思考が招く市場からの退場

「今のやり方でも何とか回っている」という感覚こそが、実は気づきにくいリスクであり、少しずつ衰退に向かう入り口になってしまうのです。

競合他社はデジタル活用によって見積もりの回答スピードを半減させ、在庫状況をリアルタイムで顧客に共有できる体制を整えています。

一方、アナログな業務体制の企業では、電話やFAXでの確認業務に多くの時間を割かざるを得ない状況です。

顧客の立場になれば「対応が早い」「手続きがスマホで完結する」企業を選ぶのは当たり前です。

品質や価格に大差がなければ、利便性の高い方へ顧客は流れていくでしょう。

気づかないうちに失注が増え、長年の取引先からも「あそこは対応が遅い」と敬遠され始める可能性があります。

ビジネスのルールがデジタル前提に書き換わっている現代において、アナログへの固執は「現状維持」ではなく「退化」を意味します。

市場から退場を宣告される前に、変化に適応する体質へと転換しなければなりません。

人手不足倒産を防ぐための「省人化」という必須課題

少子高齢化が進む日本において、人手を確保できないことによる「人手不足倒産」が過去最多ペースで増加しています。

実際に帝国データバンクの調査によると、2024年には人手不足倒産が342件に上り、前年比で1.3倍となりました。さらに、2025年度上半期だけでも214件と、上半期として過去最多を記録しています。

これまで人力で回してきた事務作業や在庫管理、配送手配も人手そのものが足りなくなり、従来のやり方では立ち行かなくなる場面が増えていくでしょう。

人手不足が深刻化する状況でDXが果たす役割は、単なる「業務効率化」ではありません。限られた人員でも事業を継続できるようにする「省人化」こそが本質です

RPAで定型業務を自動化したり、AIチャットボットで問い合わせ対応を省力化したりすることは、単に業務を楽にするためではありません。

人手が不足しても業務が止まらない体制を作るための備えといえます。

デジタル化できない企業が若者に選ばれない現実

若手人材にとって、企業のデジタル環境は、給与や福利厚生と並ぶ重要な選定基準になっています。

スマートフォンやSNS、クラウドツールが当たり前の環境で育った「デジタルネイティブ世代」にとって、アナログな職場環境は想像以上のストレスです。特に手書き書類や電話・FAX中心の業務は負担が大きくなります。

実際に株式会社カミナシが行った調査によると、企業がデジタル化・DXをほとんど進めていない職場では、若手の入社・転職意向が約9割下がるという結果も出ています。

「この会社は時代遅れだ」「ここで働いても市場価値のあるスキルが身につかない」と判断されれば、優秀な若手から敬遠されてしまうでしょう。

面接の逆質問で「リモートワーク環境はありますか?」「どのようなITツールを使っていますか?」と聞かれるケースも増えているようです。

DXへの取り組みは、顧客サービスの向上だけでなく、未来を担う人材に選ばれるための「採用ブランディング」にもなりうるのです。

お問い合わせフォームでは「DX開発パートナーズ」をお選びください

DXが進まない状況を抜け出すための5つのステップ

リソースに限りのある中小企業が確実に成果を出すためには、身の丈に合った正しい順序で進めていく必要があります。

失敗リスクを最小限に抑えつつ、着実に変革を実現するためのステップは以下の5つです。

  1. 経営層によるビジョン策定と意識改革
  2. 現状分析と優先順位の決定(スモールスタート)
  3. 社内人材のリスキリングと外部パートナーの活用
  4. 補助金・助成金の活用による予算確保
  5. ゴールはツール導入ではなく「定着」

それぞれ詳しく解説します。

ステップ1:経営層によるビジョン策定と意識改革

DXはツール選定から始めるものではありません。

必要なのは、経営層が「なぜDXに取り組むのか」「自社はどこを目指すのか」を明確にし、自分の言葉で社内に発信することです。

目的が曖昧なままでは、現場はDXを「よく分からない追加業務」と捉えてしまいます。

「危機感」と「DXで実現したい未来」をセットで語り、社員にとってのメリットまで具体化することが重要です。

さらに経営層自らがデジタルに触れ、学ぶ姿勢を見せることで、DXは組織全体に浸透していきます。DXの出発点はツールではなく、経営者の意志と行動です。

ステップ2:現状分析と優先順位の決定(スモールスタート)

ビジョンが固まったら、次は業務の棚卸しと課題の見える化です。

どの業務に時間がかかっているのか、どこが属人化・非効率になっているのかを整理し、無駄な業務は、デジタル化する前に「やめる・減らす」といった削減・見直しを行います。

すべてを一気に変えるのではなく「現場の負担が大きく」「効果が見えやすく」「導入しやすい業務」から小さく始めることが重要です。

たとえば勤怠管理や経費精算、簡単なデータ集計などを対象にし「残業が減った」「作業が楽になった」という成功体験を作ることで、DXは社内に広がるでしょう。

中小企業のDX事例を分析すると、成功している企業ほど「完璧な計画」ではなく「小さな一歩の積み重ね」を重視している傾向があります。

ステップ3:社内人材のリスキリングと外部パートナーの活用

DXはツールではなく「人」で決まります。

どれだけ優れたシステムを導入しても、使いこなす人材が育っていなければ成果は出ません。

社内では、デジタルリテラシー向上の研修やノーコードツールの実践教育を通じて、業務とITをつなぐ人材を育成していくことが重要です。

「IT人材がいないから」と外部に丸投げするのは失敗のもとになります。

DXの主導権はあくまで自社が持ち、外部のパートナーにはあくまで伴走してもらう形が理想です。

外部パートナーには運用ノウハウが社内に残るよう依頼し、最終的には自走できる体制づくりを目指しましょう。

ステップ4:補助金・助成金の活用による予算確保

「予算がない」からといって、DXを諦める必要はありません。

国や自治体は中小企業のDXを後押しする補助金・助成金を多数用意しており、これらを活用すれば初期投資の負担を大きく軽減できます。

  • IT導入補助金:ソフトウェアやクラウドツールの導入費の一部を補助
  • ものづくり補助金:生産プロセス改善のための設備投資を支援
  • 事業再構築補助金:思い切った事業転換を支援

申請には手間がかかりますが、支援機関や専門家の力を借りることで現実的に進められるでしょう。

また、申請に必要な事業計画書の作成は、自社のビジネスモデルや投資対効果を見直す良い機会にもなります。

資金不足を理由に止まるのではなく、使える制度を活用し、DXへの一歩を踏み出しましょう。

ステップ5:ゴールはツール導入ではなく「定着」

DXはツールを導入した瞬間に終わるのではなく、導入してからが本番です。

新しいシステムを入れると、慣れない操作によって一時的に生産性が落ちる「Jカーブ」と呼ばれる現象が起きるケースが少なくありません。

Jカーブの局面で「業務が遅いじゃないか」と諦めるのではなく、「最初の半年」を定着期間と捉え、継続的なフォローを行いましょう。

具体的には、マニュアル整備や現場向けの勉強会、定期的なヒアリングと改善の繰り返しなど、使われ続ける環境を整えることが欠かせません。

DXはツール導入ではなく、業務のやり方と社内文化を変える取り組みです。社員が当たり前にデジタルを使い、改善が日常になる状態こそがゴールです。

定着指標の一例としては「ツール利用率80%以上」「対象業務のデジタル化率70%以上」などをKPIに設定するケースもあります。

導入直後にフォローが途切れると、DXは定着せずに形骸化しやすくなります。DXは一度きりではなく「使いながら育てていくもの」と考えましょう。

よくある質問(FAQ)|「DXの意味ない」「ついていけない」の声に回答

Q. なぜ自社ではDXが進まないのでしょうか?

A.冒頭でも触れましたが、多くの中小企業でDXが進まない背景には、主に5つの要因があります。

  • システム導入や運用を任せられるIT人材が足りないこと
  • プロジェクト全体をリードできるDX推進人材がいないこと
  • 予算の確保が難しく、投資判断が先送りになりやすいこと
  • 具体的な効果や成果が見えにくく、意思決定者を説得しづらいこと
  • 変化を避ける企業文化・風土そのものが障壁になっていること

5つの要因が複合的に絡み合うことで、「必要性は感じているのに、前に進めない」という状態に陥っている企業が少なくありません。

Q. 予算が限られていますが、DXは可能ですか?

A.DXは大規模なシステム投資から始める必要はありません。

最近では月額数百円〜数千円で利用できるSaaSや、プログラミング不要で使えるノーコードツールが数多く提供されています。

例えば、勤怠管理、経費精算、顧客管理、社内情報共有などは低コストのクラウドツールでも十分に改善可能です。

まずは身近な業務のデジタル化から着手し、そこで削減できた時間やコストを次の投資に回すことで、無理のない形でDXを段階的に進められます。

Q. DX人材が社内に一人もいない場合はどうすればいいですか?

A.最初から即戦力のDX人材を採用するのは、多くの企業にとって現実的ではありません。

DX人材が社内にいない場合は、まず外部の専門家(副業人材・DXコンサルタントなど)の力を借りてプロジェクトを立ち上げることが有効です。

同時に社内からITへの関心や改善意欲の高い若手社員をアサインし、外部人材とペアで動かすことで、OJT形式で育成できます。

重要なのは、外部に「丸投げ」するのではなく、知見を社内に残す形で進めることです。

外部人材とペアで動かす体制をとることで、短期的な推進力と中長期的な人材育成の両立が可能になります。

Q. 現場の反対が強く、導入が進みません。どう説得すべきですか?

A.小さな成功体験をつくり、現場のキーマンを味方につけることが有効です。

DXに対する反対は、理屈よりも「不安」や「面倒」という感情が原因で起こる場合が多いです。

まずは一部の部署で小さく試験導入し、「残業が減った」「作業が楽になった」といった具体的な効果を体験してもらうことが最も効果的でしょう。

次に、現場で影響力を持つキーマン(古参社員・リーダー格など)をプロジェクト初期から巻き込み、意見を反映しながら進めることで、「自分たちの仕組みだ」という当事者意識が生まれます。

成功体験とキーマンの協力が揃えば、反対は自然と減り、全社展開がスムーズになります。

Q. 正直、うちの業界にDXは意味ないと思うのですが?

A.むしろアナログな業界ほど、DXの効果が出やすいケースは多くあります。DXはIT企業や大手企業だけのものではありません。

建設業なら図面や工程管理のデジタル化、農業ならセンサーを使った水やり・温度管理など、アナログ要素が多い業界ほど「ムダな作業」や「手間のかかっている業務」が残りやすく、改善の余地が大きい傾向があります。

DXの目的は、日々の業務をもっと楽にすることです。

まずは「時間がかかっている作業」「面倒だと感じている作業」から見直すことで、自社なりのDXはどんな業界でも必ず見つかります。

Q. 経済産業省が指摘する「2025年の崖」とは何ですか?

A.「レガシーシステムの放置により、日本全体で2025年以降に深刻な経済損失が発生するリスク」のことです。

経済産業省の「DXレポート」では、老朽化したシステムの放置により、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると警告しています。

多くの企業では、古く複雑化した基幹システムがブラックボックス化し、維持費の増大や新技術への対応遅れを招いているのが現状です。

放置すると、DXが進まず、国際競争力の低下につながると指摘されています。

「2025年の崖」はIT部門だけの問題ではなく、経営課題です。早めにシステムと業務の見直しに着手することが重要です。

まとめ|DXが進まない理由を解消し、未来への投資を始めよう

この記事では、中小機構の2024年のデータに基づき、DXが進まない構造的な理由とその対策について解説しました。

重要なポイントは以下の3点です。

  • DXの最大の壁は「IT人材・推進人材の不足」と「予算確保」にあるが、これらは外部パートナーや補助金で解決可能。
  • DXに取り組まないリスクは、市場からの退場や人手不足倒産といった、企業の存続に関わる問題。
  • 成功のためには、経営層のコミットメントを起点とし、スモールスタートで現場の成功体験を積み上げることが不可欠。

「うちには無理だ」と諦める前に、まずは目の前の小さな業務課題をデジタルで解決することから始めてみてください。

小さな一歩が、やがて会社全体を救う大きな変革へと繋がっていきます。社内の業務を一度洗い出し、「一番ムダな作業は何か」を見極めるところから着手してみるのがおすすめです。

「自社のどの業務から着手すべきか分からない」「現場の説得に自信がない」とお悩みの場合は、専門家の視点を取り入れるという選択肢もあります。

まずは無料相談で、貴社の現状における「DXのボトルネック」を診断することから始めましょう。

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DX

DXの費用対効果は「測れない」は嘘?ROI計算方法と効果測定の6ステップ

「DXの費用対効果の測り方が分からない…」

「数値での評価方法が分からず、DX推進をためらってしまう…」

DX推進のための投資は決して安価ではないため、目に見える効果が出るのか不安になり、意思決定を先送りにしてしまう経営者も少なくありません。

この記事では、DX投資の費用対効果を数値で評価するための6つのステップを解説します。

紹介するステップに沿って整理すれば、DX推進の費用対効果を明確に測定できるようになります。

費用対効果を明確に測定できれば、DX推進に投資すべきかどうかを自信を持って判断できるようになるでしょう。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

DXの費用対効果の測定方法と目安数値

ここでは、DX投資の「モノサシ」となる基本的な費用対効果の測定方法を整理します。加えて、判断基準となる目安の数値を専門家の視点から解説します。

費用対効果(ROI)とは?DX投資における基本概念

費用対効果を測る最も代表的な指標が「ROI(Return On Investment:投資利益率)」です。

ROIとは、投じた費用に対してどれだけの利益を生み出したかをパーセンテージで示す指標です。

従来のIT投資(例:サーバーの入れ替え)は、「コスト削減」が主な目的でした。

一方、DX投資は業務効率化だけでなく、「ビジネスモデルの再構築」「新たな顧客価値の創出」といった収益機会を生み出す点が大きな特徴です。

中小企業庁「2024年版中小企業白書」では、DXに取り組む企業がまず期待する効果として「業務効率化(44.5%)」「人件費等の削減(30.3%)」「業務プロセスの改善(30.0%)」といった効率化が上位を占めています。

一方で、売上向上の効果が出ている企業は「既存製品・サービスの価値向上」や「新製品・サービスの創出」など、高付加価値の取り組みにも成果を感じている点が特徴です。

多くの企業はDXをコスト削減のための投資と認識しがちですが、成熟度の高い企業ほど新たな収益源を生み出す投資としてDXを活用していることが分かります。

ROIの計算式と結果の見方

ROIの計算式は非常にシンプルです。経営者であれば、ROIの計算式は必ず押さえておくべきでしょう。

  • ROI(%)=(利益額÷投資額)×100
  • 利益額=投資によって得られた効果(コスト削減額+売上増加額など)
  • 投資額=DXにかかった総費用(初期費用+運用費用+人件費など)

例えば、800万円を投資して新たな在庫管理システムを導入したとします。

  • 効果:在庫管理の工数削減(年間200万円)、過剰在庫の削減(年間300万円)
  • 利益額:200万円+300万円=500万円
  • 投資額:800万円

この場合のROIは「(500万円÷800万円)×100=62.5%」です。

DXでは、ROIのみを評価基準とするのではなく、複数の施策を比較して最適な投資先を選定する視点が求められます。

利益率・回収期間・業務改善幅を比較し、「限られた資金をどこに配分すべきか」を明確にすることで、経営判断の質を高められます。

DXで得られる定量・定性効果

費用対効果を計算する際、効果を「定量(数値化できるもの)」と「定性(数値化しにくいもの)」に分けて考えてください。

種類内容の例ROIへの算入方法
定量効果工数削減、作業時間短縮、ミス削減、運用コスト削減時給 × 削減時間、削減コストの年間換算
定性効果満足度向上、離職率改善、ブランド価値向上、顧客体験向上離職コスト削減、LTV改善、CPA改善などに換算

中小企業白書でも、DXに取り組む企業の多くがまず「業務効率化」や「コスト削減」といった定量効果を期待していると示されています。

一方で、DXの取組段階が進んだ企業ほど「既存製品・サービスの価値向上」や「新製品・サービスの創出」といった定性的な効果にも注目していると分析されています。

投資判断では、短期のコスト削減だけを重視するのは危険です。定性効果をどこまで数値に落とし込めるかが、DX投資の成否を大きく左右します。

定量効果

定量効果とは、コスト削減や業務効率化などの数値化しやすい効果のことです。

具体例は以下のとおり。

  • 人件費の削減(例:RPA導入で月50時間の作業を自動化→50時間×時給×12ヶ月)
  • 運用コストの削減(例:クラウド移行でサーバー維持費を年間100万円削減)
  • ミスによる損失削減(例:入力ミスによる手戻りコストを年間50万円削減)

特に人手不足が続く中小企業では、工数削減によって「増員せずに業務量を維持・拡大できる状態」をつくれる点も、大きな投資対効果と言えます。

定性効果

定性効果は「数値化が難しい」と言われますが、実務ではほぼすべて数値化できます。

具体例は以下のとおり。

  • 顧客満足度向上 → 解約率低下 → LTV向上
  • 従業員満足度向上 → 離職率低下 → 採用・教育コスト削減(例:1名100万円)
  • ブランド価値向上 → 新規獲得単価(CPA)低下

定性効果を数値に落とし込めないまま判断してしまうと、DX投資の本来の価値を見落としてしまいます。

また、DXは業務標準化を進める効果もあります。

担当者によって作業品質が異なる属人化を抑制し、業務のばらつきをなくすことで、長期的な生産性の安定につながるでしょう。

投資回収期間(Payback Period)の考え方と計算例

ROIとセットで確認すべきなのが、「投資回収期間(Payback Period)」です。投資回収期間とは、投資した費用を、何年で回収できるかを示す指標です。

「投資額÷年間のキャッシュフロー(利益額)」で計算できます。

ROIと同じ例(投資額800万円、年間の利益額500万円)で投資回収期間を計算してみましょう。

投資回収期間:800万円÷500万円=1.6年

つまり、このシステム投資は約1年半で元が取れる、という計算になります。

中小企業の経営判断では、投資によって得られる利益を示すROIの把握が欠かせません。

同時に投資額の回収年数を示す回収期間も確認することで、キャッシュフロー負荷を適切に評価できます。

DX投資は何%なら“合格”なのか?ROIの目安

「結局、ROIは何%なら投資すべきなのか?」という質問は、私たちがコンサルティング現場で最も多く受ける質問の一つです。

結論から言えば「すべての企業に共通する絶対的な合格ライン」は存在しません。しかし、判断の目安はあります。

IT投資のROIに関して、KPI Depot「20%を超えると強いパフォーマンス」と示しています。

KPI Depotの基準から見ると、3〜5年で投資回収できるROI20〜33%は実務上の妥当なラインと言えるでしょう。

なお、ガートナーの2024年調査では「ビジネス目標を達成した、あるいは上回った」と評価されたデジタル施策は48%にとどまったと報告されています。

成果を十分に出せるプロジェクトは半数弱であるため、事前にROIや投資回収期間を数値で設計し、「どの施策に資金とリソースを集中させるか」を見極める視点が不可欠です。

実際の事例:DX投資でROIを高めた企業の例

DX投資は業務効率化だけでなく、在庫最適化や工程管理の改善によって、投資対効果(ROI)を大きく引き上げています。ここでは、3つの事例を紹介します。

弊社実績:カード会社 | 業務自動化によりROI995%を達成

某カード会社に対し、UiPathを活用した業務自動化(RPA導入)支援を行いました。

従来、内部システムの手動操作や判断業務に多くの工数を割いており、属人化や業務負荷の増大が課題でした。

本支援では単なる自動化にとどまらず、データ分析に基づく業務統合までを包括的に推進しました。

「RPA導入の枠組み(自動化→横展開→処理データの可視化・蓄積(データマート構築)→業務統合)」を推進した結果、以下の効果が得られています。

  • 投資対効果:直近ROI 995%を達成し、極めて高い効果を創出(削減工数・人件費ベースで算出)
  • 業務プロセスの最適化:「システム改修・RPA・ハイブリッド」の最適な使い分け基準を確立
  • 運用管理の適正化:効果の低い業務や特殊な「例外業務」を明確に区分し、管理コストを抑制

弊社では、本事例のように成果につながる業務整理から着手する導入支援を行っております。

貴社業務における自動化・効率化の可能性について、まずはお気軽にご相談ください。

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日酸TANAKA株式会社|棚卸工数の75%削減・年間340万円のコスト改善

金属加工機器メーカーの日酸TANAKA株式会社では、棚卸作業が年2回必要でした。

棚卸作業の際、生産ラインを停止しながら「2日×複数名」で棚卸を実施しており、年間約500万円の機会損失が発生していました。

在庫管理を自動化するスマート棚卸システムを導入した結果、以下の効果が得られたようです。

  • 棚卸工数:6人×1.5日へ短縮(約75%削減)
  • 年間コスト削減額:約340万円

投資額は非公開ですが、投資額を仮に600万円と仮定すると、ROIは56.6%、投資回収期間は1.7年となります。

引用元:SmartMatCloud

ワークマン|AI発注により作業時間93%削減・在庫最適化を実現

全国のワークマン店舗では、1店舗あたり約10万SKUの商品を店長が毎日手入力で発注しており、1日30分の作業が常態化していました。

AIによる自動発注システムを導入したことで、以下の定量・定性効果が生まれています。

  • 発注作業:30分 → 2分(93%削減)
  • 欠品率の低下
  • 不良在庫の削減

投資額は公開されていませんが、同規模のAI発注システムを想定して投資額を5,000万円と仮定します。

作業時間削減や在庫最適化による年間便益を3,000万円とすると、ROIは60%となり、投資回収期間は約1.7年です。

引用元:IT Leaders

DX推進段階における費用目安と内訳

ROI(費用対効果)を計算するうえで、まず費用を正確に把握してください。費用の見積もりを誤ると、ROIの計算がすべて崩れてしまいます。

「DX」と総称しても、目的や進行段階によってコスト規模は大きく異なる状況です。

ここでは、経営者として押さえておくべき「費用の相場観」と「具体的な内訳」を解説します。

DX推進における段階別のコスト

DXの成熟度は、経済産業省IPAの資料でも示されているように、一般的に次の3段階に整理できます。

第1段階:デジタイゼーション(部分的な電子化)

紙の書類をPDF化したり、Excelによる管理をSaaSツールに置き換えたりするなど、アナログ業務をデジタルに置き換える段階です。

導入にかかるコストは数十万円〜数百万円ほどで、例えば勤怠管理ツールやWeb会議システムの導入がこのフェーズに含まれます。

第2段階:デジタライゼーション(プロセス全体の最適化)

特定の業務プロセス全体をデジタルで完結させ、効率化を図る段階を指します。

特に受発注や請求処理など、複数部門が関わるワークフローはデジタル化の効果が大きい領域です。

どの工程を自動化し、どの工程を人が判断するのかを整理することで、改善効果を最大化できます。

例えば、受発注から在庫管理、請求までを一気通貫でデジタル化するイメージです。

導入コストは数百万円〜数千万円ほどで、SFA/CRMの導入や、基幹システム(ERP)の刷新がこのフェーズに該当します。

第3段階:デジタルトランスフォーメーション(ビジネス変革)

デジタル技術を活用して新たなビジネスモデルやサービスを生み出し、事業そのものを変革します。

例えば、データ分析を基にした新サービスの開発や、IoTを活用した製品のサブスクリプション化などに当たる内容です。

導入コストは数千万円〜数億円以上となり、極めて大きな投資規模となる段階です。

多くの中小企業が「DX」と認識している内容の多くは、第1段階と第2段階に該当します。

まずは自社の取り組みがどの段階なのかを把握することが重要です。

DX推進にかかるコストの内訳

ITベンダーの見積もりを精査するためにも、コストの「内訳」を理解しましょう。

DXの費用は、大きく以下の3つに分類されます。

  • システム導入費(初期費用)【例:SaaSツールの初期設定費など】
  • システム運用費(ランニングコスト)【例:SaaSツールの月額利用料など】
  • 人件費・人材育成費(隠れコスト)【例:DX推進担当者の人件費など】

特に「人件費」は、ベンダーの見積書に載らないケースがほとんどです。

しかし、投資対効果を厳密に計算する上では、人件費や人材育成費も含めて「総投資額」として捉える視点が、経営者には不可欠です。

また特定ベンダーの独自仕様に過度に依存すると、ベンダーロックインが発生します。

ベンダーロックインが発生すると、将来的な乗り換えコストや追加開発費が増加し、費用対効果を悪化させる要因になります。

DXの費用対効果の測定ステップ

DXの費用対効果は以下のステップで測定できます。

ステップ内容具体的にやること
1現状の評価現行工数・作業時間・ミス・人件費・機会損失を棚卸し
2目標設定(To-Be)削減したい工数・改善したい業務・KPIを数値で設定
3効果試算(数量ベース)削減できる時間・件数などを“数量”で算定
4コスト計算初期費用・運用費・人件費・育成コストを合算
5利益計算数量ベースの効果を金額に換算
6ROI・回収期間算出ROI%と回収年数を計算して投資判断

この手順に沿って数字を当てはめるだけで、誰でも論理的な投資判断が可能になるでしょう。

1.現状の評価

DXの効果を正しく測定するためには、業務の現状を数値で把握する作業が欠かせません。

スタート地点を明確にしなければ、改善幅を判断できず、投資判断も曖昧になるでしょう。

作業時間や担当者の負荷を定量化すれば、業務のどこがボトルネックかを明確にできます。

手入力作業の月間工数や、入力ミスによる手戻り時間を把握すれば、改善後の効果を数値で比較が可能です。

業務負荷と課題を数値で可視化する工程が、DXの投資判断と効果測定の基盤となります。

自社のDXの成熟度を客観的に把握する手段としては、IPAが公表している「DX推進指標」を活用する方法もあります。

自己診断フォーマットに沿って現状をスコアリングしておくと、DX投資の優先度や投資範囲を検討する際の基準として役立つでしょう。

2.目標設定

現状を把握したら、次に「目標設定(To-Be)」を行います。

DXで改善したい数値を明確にし、どの水準まで引き上げるかを定義してください。

目標設定では、改善後の状態を具体的かつ測定可能な指標(KPI)に落とし込む作業が重要です。

具体例

  • 受発注システムの導入により、手入力の工数(月80時間)を90%削減し、月8時間にする。
  • 入力ミスによる手戻り(月10時間)をゼロにする。

「業務効率化」といった曖昧なスローガンではなく、「工数を月72時間削減する」という明確なゴールを設定することが、DX成功の鍵となります。

3.効果試算

目標が定まったら、目標を達成することで「どれだけの効果(リターン)が生まれるか」を試算しましょう。

効果を試算する際、改善対象となる業務プロセスを細かく分解し、各工程がどれだけ短縮されるかを把握すると、効果を正確に算出できます。

プロセス単位で可視化することで、改善幅を見誤るリスクが減ります。

効果試算の段階では、まだ金額に換算せず「どれだけの業務が改善されるか」という物理的な効果を明確にしましょう。

4.コスト計算

次に、ステップ3で算出した効果を得るために必要な「コスト(投資額)」を計算します。

ベンダーから提示された見積書だけで判断せず、人件費や人材育成費もすべて含めて算出します。

具体例:

  • システム導入費(初期):300万円
  • 月額利用料(運用):5万円/月(=年間60万円)
  • 社員研修・教育費:40万円
  • DX推進担当の人件費:120万円
  • 投資額(1年目)=300万円+60万円+40万円+120万円=520万円
  • 投資額(2年目以降)=年間60万円

経営者としては、初年度の「初期投資額」と、2年目以降の「ランニングコスト」を分けて把握することが重要です。

5.利益計算

ステップ3で試算した「効果」を「利益(金額)」に換算します。

具体例:

  • 削減効果:合計82時間/月
  • 担当者の平均時給(諸経費含む):2,500円
  • 年間の利益額=82時間/月×2,500円/時×12ヶ月=246万円

ステップ3の「工数削減」という効果が、「年間246万円の利益」という、経営判断に使える数値に変わりました。

6.ROIの算出

最後に、ステップ4で算出したコストとステップ5で算出した利益の数字を使い、「ROI(費用対効果)」を算出します。

  • 利益額(年間):246万円
  • 投資額(初年度):520万円
  • ROI(%)=(246万円÷520万円)×100=47.3%

今回の事例の場合、ROIが47.3%ということになります。

ROIがプラスであり、かつ自社の目標利益率や資本コストを上回っていれば、経営判断として「投資を実行すべき」と判断しやすくなるでしょう。

DXの費用対効果に対するよくある質問

Question1:なぜDXの費用対効果は「測れない」「測りにくい」と言われるのですか?

主に3つの理由があります。

  • 効果が長期にわたる:ビジネスモデル変革など、効果が発現するまでに1〜3年かかる場合があるため。
  • 定性効果が多い:従業員満足度や顧客体験の向上など、すぐには金額換算しにくい効果が多いため。
  • 目標が曖昧:「DX推進」自体が目的化し、具体的な数値目標(KPI)を設定していないため。

この記事で解説した6つのステップを踏むことで、これら3つの課題は解決できます。

Question2:DXの効果が出るまで、どれくらいの期間がかかりますか?

DXの効果が表れるまでの期間は、投資規模や取り組み内容によって変わります。

RPAの活用やSaaSツールの導入による工数削減など、比較的シンプルな改善であれば、3ヶ月〜半年ほどで成果を確認しやすい傾向があります。

一方、データ分析を基盤にした新サービス開発や、事業全体の仕組みの見直しは、成果が出るまでに1年〜3年かかることが多いです。

短期で成果が見込みやすい施策と、中長期で成長に寄与する施策の両方を同時に進めることが、DXを成功させるうえで重要です。

Question3:定性的な効果(社員の満足度など)は、具体的にどう評価すれば良いですか?

「定量化(数値化)」する工夫が重要です。

例えば「従業員満足度」であれば、DX導入前後に匿名のアンケートを実施し、「業務のしやすさ(5段階評価)」や「会社への満足度(点数)」を比較します。

また、「離職率」や「有給休暇取得率」の変化を測定するのも有効です。

満足度が上がれば離職率が下がり、結果的に「採用・教育コストの削減」という定量的な利益としてROI計算に組み込めます。

例えば、DX導入で離職率が5%改善し、年間の退職者が2名減少したと仮定しましょう。

仮に1名あたりの採用・教育コスト(求人広告費、研修費、OJT担当者の工数など)が100万円かかっていた場合、『年間200万円の利益(コスト削減)』としてROI計算に組み込めるようになります。

Question4:ROIの計算はエクセルでもできますか?

はい、エクセルで十分可能です。ROIの計算式自体は「(利益÷投資額)×100」とシンプルです。

重要なのは計算式よりも、「利益」や「投資額」の根拠となる数値をどれだけ正確に洗い出せるかにかかっています。

まずはこの記事の「測定ステップ」に沿って、「コスト計算(初期・運用・人件費)」と「利益計算(工数削減×時給など)」の項目を一覧にしてみてください。

Question5:投資判断の基準として、ROI以外に見るべきものはありますか?

はい、最低でも「投資回収期間(Payback Period)」はセットで見るべきです。

投資回収期間は「投資した資金を何年で回収できるか」を示す指標で、キャッシュフローを重視する中小企業にとってROI以上に重要な場合もあります。

さらに厳密に評価するなら、将来のキャッシュフローの価値を現在の価値に割り引いて計算するNPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)も有効な指標です。

しかし、まずは「ROI(何%儲かるか)」と「回収期間(何年で元が取れるか)」の2つを確実に押さえることから始めましょう。

まとめ | DXの費用対効果は必ず測定しよう

この記事では、中小企業の経営者がDX投資で迷わないための基準として、費用対効果(ROI)の測り方、投資コストの考え方を解説しました。

DX推進で失敗する企業の多くは、導入前に「数字での評価軸」を持てていないことが共通点です。

まずは、自社で最も非効率だと感じる業務を一つ選び、この記事で紹介した費用対効果の測定6ステップを当てはめてみてください。

工数・コスト・効果を可視化するだけで、DX投資の判断精度は大きく向上するでしょう。

とはいえ、自社だけで費用対効果を設計しようとすると、「どこまでをコストに含めるべきか」「定性効果をどう数値化するか」で悩むケースが少なくありません。第三者の視点を入れたい場合は、DX投資のROI設計や効果測定の整理をサポートすることも可能です。必要に応じて、お気軽にお問い合わせください。

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