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社内システムが使いにくい!原因は?改善の進め方と対処法を解説

今の社内システムに対して「動作が遅くてイライラする」「画面が見づらくて入力ミスが頻発する」といった不満を抱えていませんか。

システムに関する知識がない経営者や担当者にとって、何が原因でシステムが使いにくくなっているのかを特定するのは容易ではありません。

しかし、使いにくいシステムを放置すると、業務効率が下がるだけでなく、従業員の士気低下や重要な経営判断の遅れにつながる恐れがあります。

本記事では、社内システムが使いにくくなる根本的な原因と、リスクを回避して「本当に使えるシステム」を構築するための具体的な手順を解説します。

この記事を読めば、自社の課題をどのような視点で解決し、プロジェクトを進めればよいかが明確になるでしょう。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

なぜ社内システムは「使いにくい」と感じるのか?

多くの企業がDXを推進する中で、導入したシステムが現場に定着せず、かえって混乱を招くケースが後を絶ちません。

高額な費用をかけて導入したのに、現場からは不満ばかり聞こえてくるという悩みを持つ経営者は非常に多いのが実情です。

なぜ、業務を効率化するためのシステムが、逆に現場の負担になってしまうのでしょうか。

システムが使いにくいと感じる背景には、単なる操作性の良し悪しだけではありません。

経営層と現場、そして開発側の三者間における認識の乖離が大きな要因です。

特に中小企業においては、IT担当者が不在であったり、兼務であったりすることが多く、専門的な視点での設計が不十分になりがちです。

ここでは、システムが「使いにくい」と感じられる背景と、その実態について深掘りしていきます。

現場の生産性を著しく低下させる「使いにくさ」の正体

システムが使いにくいと感じる最大の要因は、ユーザーが期待する操作感と実際の挙動との間に生じる「摩擦」にあります。

例えば、一つの注文データを入力するために何度も画面を切り替える必要がある場合、その手間は小さなストレスとして蓄積されます。

このような操作の摩擦は、単なる「慣れ」の問題ではなく、明確な「時間的コスト」として経営に跳ね返ってくるのが現実です。

システム導入による定量的な効果として「工数削減」が期待されますが、使いにくいシステムは逆に工数を増大させます。

具体的には、直感的に操作できないためマニュアルを何度も確認したり、システムの反応速度が遅く待ち時間が発生したりします。

無駄な時間は、本来であれば顧客対応や商品開発といった「利益を生み出す業務」に充てられるべき貴重なリソースです。

使いにくさの正体とは、従業員の思考と時間を奪い、企業の競争力を削ぐ「見えないコスト」そのものであるといえます。

社内システムが使いにくくなる3つの根本原因

システムが使いにくくなるのには、必ず明確な理由が存在します。

理由は、技術的な問題だけでなく、開発プロセスやコミュニケーションのあり方に起因することがほとんどです。

ここでは、社内システムが使いにくくなってしまう3つの根本的な原因について、専門的な観点から解説します。

  • UI/UXデザインの欠如と「開発者目線」の設計
  • 業務フローとシステムの「ミスマッチ」
  • システムの老朽化と継ぎ足しによる「複雑化」

UI/UXデザインの欠如と「開発者目線」の設計

使いにくいシステムの多くは、実際にシステムを利用するユーザーの視点(UX:ユーザー体験)が欠落したまま設計されています。

開発を担うエンジニアは、機能要件を満たすことを最優先に考える傾向があり、使いやすさは二の次になりがちです。

IPAの「組込みソフトウェア開発における品質向上の勧め[ユーザビリティ編]」によれば、多くの組込みエンジニアが機能実装に注力する一方で利用者視点が置き去りになることから、ユーザビリティ低下を招き得るとの指摘があります。

結果、機能としては正しく動作しても、現場の業務フローに合わない「開発者目線」のシステムが出来上がってしまいます。

品質の良いシステムとは、単にバグがないだけでなく、ユーザーにとって使いやすく、将来の拡張性があることも含まれるのです。

デザインの専門家が関与せず、機能実装だけでプロジェクトを進めてしまうと、現場の実状とかけ離れたシステムが生まれる原因となります。

業務フローとシステムの「ミスマッチ」

システム開発において最も重要なのは、何を作るかではなく業務をどう変えたいかという目的を明確にすることです。

しかし、発注側と開発側のコミュニケーションが不足していると、業務の細部に関する認識のズレが生じます。

発注側が「言わなくても分かるだろう」と考えている業務の常識は、外部の開発者には伝わっていないことがほとんどです。

この認識のズレが解消されないまま開発が進むと、完成したシステムが実際の業務フローと噛み合わない事態が発生します。

業務の実態を深く理解しないままシステム化を進めることは、使いにくいシステムを生み出す大きな要因です。

システムの老朽化と継ぎ足しによる「複雑化」

長年にわたって同じシステムを使い続けている場合、老朽化と度重なる改修(継ぎ足し開発)が使いにくさを招くケースがあります。

ビジネスの変化に合わせて機能を追加することは必要ですが、全体の設計を見直さずに機能だけを追加し続けると、システム内部が複雑化します。

いわゆる「スパゲッティコード」の状態になり、動作が重くなったり、一部の修正が他の機能に悪影響を及ぼしたりするようになるのです。

さらに、経済産業省の「DXレポート」によると、このようなシステムはレガシーシステムと呼び、レガシーシステムの本質は自社システムの中身がブラックボックス化されることを指しています。

システムが複雑になりすぎると、新しい技術やUIを取り入れることが難しくなり、結果として現場は古い使い勝手のまま我慢を強いられます。

さらに、特定のベンダーに依存しすぎる「ベンダーロックイン」の状態になると、改修に多額の費用と時間がかかり、改善が困難な悪循環に陥ってしまうのです。

使いにくい社内システムを放置することで生じるリスク

使いにくいシステムを使い続けることは、単なる不便さにとどまらず、企業経営に深刻なリスクをもたらします。

放置することで発生するデメリットを正しく理解し、早期の対策を検討しましょう。

ここでは、使いにくいシステムが引き起こす具体的な2つのリスクについて解説します。

従業員満足度の低下と「シャドーIT」の蔓延

使いにくいシステムは、従業員にとって日々のストレス源となり、仕事へのモチベーション(従業員満足度)を低下させます。

DXの成果として、従業員満足度の向上や離職率の低下といった定性効果も重要な評価指標となります。

システムが使いにくいと、従業員は「会社は現場のことを分かっていない」と感じ、組織への信頼を失うきっかけになりかねません。

さらに深刻なのが、会社が許可していない無料ツールを勝手に使い始める「シャドーIT」の蔓延です。

正規のシステムが使いにくいと、現場は業務を遂行するために、個人のクラウドストレージやチャットツールを使い始めます。

結果、情報漏洩のリスクが飛躍的に高まり、企業の社会的信用を一瞬で失墜させる可能性を秘めているのです。

ヒューマンエラーの増加とデータの信頼性欠如

UIが分かりにくいシステムや、操作手順が複雑なシステムは、入力ミスや操作ミスといったヒューマンエラーを誘発します。

例えば、似たようなボタンが隣接していたり、必須項目の表示が曖昧だったりすると、誤ったデータが登録される確率が高まります。

入力ミスによる手戻りの修正作業には多くの時間がかかり、年間で見ると相当な損失になることも珍しくありません。

また、システム内のデータに誤りが増えると、経営判断に必要なデータの信頼性が失われます。

DXの目的はデータを活用してビジネスを変革しようと、データ自体の精度が低ければ、正しい意思決定を行うことは不可能です。

不正確なデータに基づいた経営は、誤った投資や在庫管理を招き、大きな損失を出すリスクがあります。

失敗しない「使いやすい社内システム」構築の進め方

では、現場が満足し、経営にも貢献する使いやすいシステムを構築するにはどうすればよいのでしょうか。

システム開発を成功させるためには、外部に丸投げするのではなく、発注者が主体的にプロジェクトに関わることが不可欠です。

ここでは、失敗しないための具体的な進め方を3つのステップで解説します。

  • 現場ユーザーを巻き込んだ「要件定義」の徹底
  • デザイン思考を取り入れたUI/UX設計のプロセス
  • 導入後の「利用定着化(デジタルアダプション)」支援

現場ユーザーを巻き込んだ「要件定義」の徹底

使いやすいシステムを作るための第一歩は、実際にシステムを利用する現場ユーザーを巻き込んで要件定義を行うことです。

経営層やシステム担当者だけで仕様を決めてしまうと、現場の実態と乖離したシステムになりがちです。

まずは現場の担当者にヒアリングを行い、現在の業務フローにおける課題やボトルネックを数値で把握します。

具体的には月間の入力工数を何時間削減するといった、具体的な数値目標(KPI)を設定します。

この目標設定の段階で現場の声を取り入れることで、本当に必要な機能と優先順位が明確になるのです。

現場の意見を聞くことは、導入後の「自分たちのシステムだ」という当事者意識(オーナーシップ)の醸成にもつながります。

デザイン思考を取り入れたUI/UX設計のプロセス

要件が固まったら、次はどのように画面や操作に落とし込むかを設計します。

この段階では、プロトタイプ(試作品)を作成して検証する「デザイン思考」のプロセスが重要です。

いきなり完成品を作るのではなく、画面のイメージ図を現場のユーザーに触ってもらい、フィードバックを早期に得るようにします。

ボタンの配置はここで使いやすいかといった確認を繰り返すことで、開発後の大きな手戻りリスクを最小限に抑えられます。

また、単に言われた通りに作るだけでなく、ビジネスの課題を理解して提案してくれる伴走型のパートナーを選定することが大切です。

導入後の「利用定着化(デジタルアダプション)」支援

システムは完成して終わりではなく、現場で使われて初めて価値を生み出します。

新しいシステムに慣れるまでには時間がかかるため、開発段階から導入後の教育やサポート体制を計画に含めておかなければなりません。

導入コストを計算する際は、システム構築費だけでなく、社員研修の人件費といった「隠れコスト」も考慮すべきです。

開発会社との契約においても、リリース後の保守・運用サポートが含まれているかを確認します。

使い方が分からない時にすぐに質問できる体制や、現場の要望に応じて細かな改善を継続できる体制が定着率を左右させるのです。

システムが定着し、業務が標準化されれば、属人化が解消され、長期的な生産性の向上につながります。

よくある質問(FAQ)|社内システムが使いにくいと感じた方々の声に回答

Q1. システムの「使いにくさ」を具体的に数値化する方法はありますか? 

A1. 現場の作業時間を「改善前」と「改善後」で比較し、人件費換算することをお勧めします。 

例えば、特定の入力作業に1名あたり毎日30分かかっている場合、月間(20日)で10時間のコストが発生しています。

従業員100名の企業であれば、月間1,000時間が「使いにくいシステム」によって失われている計算になるのです。

経済産業省のDXレポートによると、レガシーシステムによる経済損失が指摘されており、この時間を人件費に換算することで、改善に向けた合理的な投資判断が可能になります。

Q2. UI(デザイン)を改善するだけで、本当に生産性は上がるのでしょうか? 

A2. はい、劇的に向上する可能性があります。 

使いやすいUIは、ユーザーの「認知負荷(情報を理解するための脳の負担)」を軽減させるのです。

デザインの改善は単なる「見た目の変更」ではなく、業務フローの最適化そのものであると捉えてください。

Q3. 開発会社に「伴走型」で依頼すると、費用がかなり高くなるのではありませんか? 

A3. 短期的には高額に見えますが、長期的な「トータルコスト」は抑えられる傾向があります。 

安価な「言われた通りに作るだけ」の会社に依頼すると、導入後に使い勝手が悪く、大規模な改修が必要になるリスクが高まるでしょう。

最初からビジネス課題を理解するパートナーと組むことで、手戻り(作り直し)のコストを最小限に抑えられ、最終的な費用対効果(ROI)は高くなります。

Q4. 現場から「新しいシステムは覚えるのが面倒」と反対されないか心配です。 

A4. 開発の初期段階から現場のキーマンをプロジェクトに巻き込むことが最も有効な対策です。 

「会社から押し付けられたツール」ではなく「自分たちの意見が反映されたツール」と認識してもらうことが重要です。

要件定義の段階でヒアリングを行い、プロトタイプ(試作品)を触ってもらうプロセスを経ることで、導入時の心理的ハードルを下げ、スムーズな定着(デジタルアダプション)を促せます。

Q5. 既存システムが古すぎて、何から手をつければいいか分かりません。 

A5. まずは、現在のシステムが業務のどの部分で「ボトルネック(障害)」になっているかを可視化しましょう。 

すべての機能を一度に刷新するのはコストもリスクも高いため、最も現場の負担が大きい機能から段階的に改修する手法(マイクロサービス化など)も検討できます。

専門家に現状のシステム診断を依頼し、リスクと優先順位を明確にすることから始めるのが合理的です。

Q6. 中小企業でも、大手のようなデザイン思考を取り入れた開発は可能ですか? 

A6. もちろんです。むしろ意思決定の早い中小企業こそ、相性が良い手法です。 

デザイン思考とは、巨額の予算をかけることではなく「徹底的にユーザー視点に立つ」という姿勢を指します。

短期間で試作と検証を繰り返すアジャイル型の開発スタイルを採用しているパートナーを選べば、限られた予算の中でも「本当に現場が求める使い勝手」を追求できます。

Q7. 開発パートナーを選ぶ際、何を基準に「信頼性」を判断すべきですか? 

A7. 過去の制作実績だけでなく、「自社の業界や業務フローに対する理解度」を重視してください。 

単にIT技術に詳しいだけでなく、経営課題や現場の悩みに寄り添った提案をしてくれるかを確認します。

メリットだけでなく、あえてデメリットやリスクを提示してくれる会社は、誠実で根拠のある提案をしている可能性が高いです。

また、導入後のサポート体制が具体的に示されているかも重要なチェックポイントになります。

Q8. システムを改善した後、その効果をどうやって測定すればよいですか? 

A8. 導入前に設定したKPI(重要業績評価指標)の達成度を確認してください。 

例えば「月間の残業時間の削減数」や「入力ミスによる手戻り件数の減少率」など、具体的な数値で比較します。

また、定性的な効果として社内アンケートによる満足度の変化を測定することも有効です。

まとめ|「使いにくいシステム」から企業のDXを加速させる「使いやすいシステム」へ

本記事では、社内システムが使いにくい原因と改善の進め方について解説しました。

社内システムが使いにくくなる3つの根本原因

  • UI/UXデザインの欠如と「開発者目線」の設計
  • 業務フローとシステムの「ミスマッチ」
  • システムの老朽化と継ぎ足しによる「複雑化」

失敗しない「使いやすい社内システム」構築の進め方

  • 現場ユーザーを巻き込んだ「要件定義」の徹底
  • デザイン思考を取り入れたUI/UX設計のプロセス
  • 導入後の「利用定着化(デジタルアダプション)」支援

システムの課題を放置することは、生産性の低下だけでなく、セキュリティリスクや経営判断の遅れといった深刻な事態を招きます。

自社だけで解決することが難しい場合は、専門家の知見を借り、合理的な根拠を持ってプロジェクトを進める形をお勧めします。

さらに、使いやすい社内システムの外注のリスクや対策について詳しく知りたい方は、こちらの記事を併せてご覧ください。

関連記事:

システム開発を外注に丸投げするのは危険?リスクと対策を徹底解説 – ビュルガーコンサルティング株式会社

まずは現在のシステム利用状況に関する社内アンケートを実施し、現場のリアルな声を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

正しい決断を下すために、メリットとデメリットの両方を提示してくれるプロに相談し、納得のいく改善を進めてください。

お問い合わせフォームでは「DX開発パートナーズ」をお選びください

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【徹底解説】オフショア開発のリスク7選と失敗を防ぐための回避策

システム開発のコストを抑える有効な手段として、海外のリソースを活用するオフショア開発が注目されています。

しかし、「言葉の壁が不安」「品質は大丈夫か」といった懸念から、導入に踏み切れない経営者も少なくありません。

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進への投資は安価ではなく、失敗すれば企業の成長に大きなブレーキをかけてしまいます。だからこそ、リスクを正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。本記事では、オフショア開発に潜むリスクと回避するための実践的なノウハウを解説します。漠然とした不安を解消し、貴社のシステム開発を成功に導くための判断材料としてお役立てください。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

オフショア開発の現状とリスクを理解すべき理由

国内のIT人材不足が深刻化する中、多くの日本企業が開発拠点を海外に求めているのです。

かつては「コスト削減」が主目的でしたが、現在は優秀なエンジニアを確保するための「リソース確保」へと目的が変化しつつあります。

しかし、海外での開発には国内とは異なる特有のリスクが存在します

リスクを事前に把握しコントロールできれば、オフショア開発は強力な武器になります。まずは現状とリスク管理の重要性を正しく理解することから始めましょう。

なぜオフショア開発で「リスク管理」が成功の鍵を握るのか?

システム開発において、リスク管理はプロジェクトの成否を分ける最も重要な要素です。

特にオフショア開発では、物理的な距離や文化の違いがあるため、問題が発生した際の対応が遅れがちになります。

もしリスク管理を怠れば、バグの修正や仕様の変更といった「手戻り」が頻発します。手戻りが発生すると、修正のための追加費用や時間がかかり、当初見込んでいたコストメリットが消えてしまうでしょう。

利益率や回収期間を比較し、限られた資金を有効に配分するためにも、リスクによる損失を計算に入れる必要があります。

リスクを未然に防ぐ仕組みを作ることが、高い費用対効果(ROI)を実現するための近道です。

2025年以降の最新トレンド:円安や人件費高騰によるリスクの変化

近年の急激な円安や、新興国の経済成長に伴う人件費の高騰により、オフショア開発のコスト構造は大きく変化しています。

かつてのような「圧倒的な安さ」だけを求めて開発を依頼するのは難しくなってきました。

JETRO(日本貿易振興機構)の「2023年度 海外進出日系企業実態調査」によれば、2024年の昇給率見通しにおいて、ベトナムは5.8%、インドは9.4%など、主要国での賃金上昇率が高止まりしている現状が浮き彫りになっています。

エンジニアの単価が上昇傾向にあるため、単にコストを下げることだけを目的にすると、期待通りの成果が得られない可能性があります。

今後はコストだけでなく、「高度な技術力」や「開発スピード」といった付加価値を重視する必要があるのです。

市場の変化を見極め、どの国のどの企業とパートナーシップを組むかが、ビジネスの成長を左右するでしょう。

必ず押さえるべき「オフショア開発の主なリスク」7選

オフショア開発を成功させるためには、どのような落とし穴があるのかを具体的に知っておく必要があります。

漠然とした不安を明確な課題として認識することで、適切な対策を打てるようになるからです。

代表的なリスクとして、以下のリスクが挙げられます。

  • コミュニケーションの壁と認識の齟齬
  • 品質管理の難しさと納品物のクオリティ低下
  • 納期遅延と進捗管理の不透明化
  • セキュリティ・情報漏洩への懸念
  • 知的財産権(IP)や契約に関するトラブル
  • 想定外のコスト増加
  • 地政学リスクとカントリーリスク

オフショア開発で特に注意すべき7つの主要なリスクについて、詳細に解説します。

コミュニケーションの壁と認識の齟齬

海外のエンジニアと協業する際、最大の壁となるのが言語と文化の違いによるコミュニケーションの問題です。

日本語が話せる現地の担当者がいたとしても、細かなニュアンスまで正確に伝わるとは限りません。

例えば、発注側が「言わなくても分かるだろう」と考えていることでも、開発側には全く伝わっていないケースが多く存在します。

日本のビジネス現場に特有の「阿吽の呼吸」や「空気を読む」文化は、海外では通用しないと考えるべきです。

認識のズレを放置したまま開発が進むと、完成したシステムが思っていたものと違うという事態に陥ります。

小さな誤解が積み重なり、最終的に大きな手戻りコストを発生させる原因となるのです。

品質管理の難しさと納品物のクオリティ低下

日本と海外では、品質に対する意識や基準が異なる場合があります

日本人が当たり前と感じる「使いやすさ」や「見た目の美しさ」といった感覚的な品質は、明確に指示しない限り重視されないことが多いです。

「直感的に使えるシステムを」といった曖昧な要望では、機能としては動作しても、現場では使いづらい仕上がりになる場合があります。

仕様書に書かれていない部分は、開発側の独自の判断で作られてしまうからです。

どのような品質を求めるのかを明確にし、開発プロセスの中で確認する仕組みがなければ、品質をコントロールできません。

品質基準のすり合わせ不足は、納品後のトラブルに直結する深刻なリスクです。

納期遅延と進捗管理の不透明化

開発の全工程を現地に任せきりにしてしまうと、プロジェクトの進捗状況が見えにくくなるというリスクがあります。

現地の文化によっては、問題が発生していても直前まで報告が上がってこないことがあります。

定期的な報告の場を設けていないと、「順調です」という言葉を信じるしかなく、状況を正確に把握できません。

結果、納期の直前になって「実は終わっていない」と報告される最悪の事態を招きます。

プロジェクトの進捗を可視化する仕組みがない丸投げは、納期遅延のリスクを常に抱えています。物理的な距離があるからこそ、国内開発以上に頻繁な確認と管理が必要です。

セキュリティ・情報漏洩への懸念

システム開発では、顧客情報や機密データを扱うため、情報漏洩は企業の信用に関わる重大なリスクです。

開発会社が国際的なセキュリティ基準を取得していたとしても、個々の担当者の意識まで高いとは限りません。

外注先の管理が甘いと、サイバー攻撃だけでなく、内部の人間による不正な持ち出しのリスクも高まります。

特にオフショア開発においては、IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2024」でも指摘されている通り、サプライチェーンの脆弱性を突いた攻撃が深刻化しています。 

特に海外では、データの取り扱いに関する法的規制や商習慣が日本とは異なる場合があるのです。現地のセキュリティ環境やデータの管理体制について、契約前に厳重にチェックする必要があります。

知的財産権(IP)や契約に関するトラブル

開発されたシステムやソースコードの権利が誰に帰属するかは、後々のトラブルの原因となりやすいポイントです。

国によっては、著作権や知的財産権に関する法律が日本とは大きく異なる場合があります。日本の常識で契約を進めてしまうと、法的な保護が十分に受けられず、不利な立場に立たされるかもしれません。

例えば、契約書に明記がない場合、開発会社側が著作権を主張し、自社で自由に改修できなくなる恐れがあります。

この場合は、どの国の法律を基準にするかを決める手続きが不可欠となります。日本の法律を選ぶのか相手国の法律を採用するのか、契約を結ぶ前に確定させておきましょう。

一般的には日本の法律が優先されますが、現地の企業から自国の法律を適用したいと提案される場面もあります。

不測の事態を防ぐためにも、双方が納得できる条件を丁寧に見つける作業が大切です。

想定外のコスト増加

コスト削減を期待してオフショア開発を選んだにもかかわらず、結果的に高くついてしまうことがあります。

なぜなら、目に見える開発費以外の「隠れコスト」を見落としている場合が多いからです。

例えば、コミュニケーション不足による手戻りが発生すれば、修正のための追加費用がかかります。

また、現地への渡航費や、通訳・翻訳にかかる費用、日本側の管理工数なども考慮しなければなりません。

費用対効果を計算する際は、費用の見積もりを正確に把握することが重要です。

初期費用だけでなく、運用費や人件費も含めた「総投資額」で判断しなければ、正しいROIは算出できません。

地政学リスクとカントリーリスク

オフショア開発特有のリスクとして、対象国の政治情勢や自然災害、インフラの不安定さが挙げられます。

急な政権交代やデモ、紛争などが発生すれば、開発業務が完全にストップしてしまう可能性があります。

また、電力供給が不安定な地域では、計画停電や通信障害によって作業が遅れることも珍しくありません。

日本とは異なる祝日や宗教的な行事(ラマダンなど)も、スケジュールに影響を与える要因となります。

一国に集中して開発拠点を置くと、その国のリスクを全面的に被ることになります。万が一の事態に備え、リスク分散の観点から複数の国や拠点を持つことも検討すべきでしょう。

オフショア開発のリスクを最小限に抑えるための対策

ここまでに挙げたリスクは、適切な対策を講じることで大幅に低減させられます。

「丸投げ」をせず、外部のプロと協力して事業を成功させる「戦略的パートナーシップ」と考えることが重要です。

発注者側が主体性を持ってプロジェクトに関わることで、失敗の確率は劇的に下がります。

以下、4つのオフショア開発のリスクを最小限にする対策を紹介し、それぞれを解説します。

  • ブリッジSE(BrSE)の選定と役割の明確化
  • アジャイル開発の導入による「早い段階での軌道修正」
  • 仕様書の徹底したドキュメント化と「図解」の活用
  • 強固なセキュリティ環境の構築と秘密保持契約(NDA)

ブリッジSE(BrSE)の選定と役割の明確化

日本側と現地エンジニアの間に入り、橋渡し役となる「ブリッジSE」の存在は極めて重要です。

彼らは単なる通訳ではなく、ビジネスの要件を技術的な仕様に翻訳して伝える役割を担います。

優秀なブリッジSEがいれば、言葉の壁を超えて正確な指示を出し、認識のズレを防ぐことができます。

選定の際は、日本語能力だけでなく、日本のビジネス習慣や開発プロセスへの理解度を確認しましょう。

また、ブリッジSEに任せきりにせず、自社の担当者とも密に連携を取れる体制を作ることが大切です。コミュニケーションのハブとなる人材の質が、プロジェクトの円滑な進行を左右します。

アジャイル開発の導入による「早い段階での軌道修正」

要件を最初に全て決めてから開発するのではなく、短いサイクルで開発と確認を繰り返す「アジャイル開発」の導入が有効です

実際に動くソフトウェアをこまめに確認することで、認識の齟齬を早期に発見できます。

仕様に関する小さな疑問や確認事項は日々発生するため、すぐに解消できる環境が必要です。

1〜2週間ごとに成果物を確認すれば、万が一方向性が違っていても、最小限の修正コストで済みます。

こまめにデモを確認することは、発注者側がプロジェクト管理をする上で最低限すべき行動の一つです。完成直前での大きな手戻りを防ぎ、実用性の高いシステムを作り上げることができます。

仕様書の徹底したドキュメント化と「図解」の活用

言葉での説明だけでは伝わりにくいニュアンスを補うために、詳細なドキュメントと視覚的な情報を活用しましょう。

画面の遷移図やワイヤーフレームなど、図解を多用することで、言語の壁を越えた理解が可能になります。

ボタンの配置やデータの表示方法といった細かい仕様についても、図で示すことで誤解の余地を減らせます。

さらに、ドキュメントは常に最新の状態に保ち、決定事項は必ず記録に残すことが大切です。

「言った言わない」のトラブルを防ぐためにも、仕様書は契約の根拠となる重要な資料です。手間はかかりますが、丁寧な資料作成が結果として開発効率を高め、品質の向上につながります。

強固なセキュリティ環境の構築と秘密保持契約(NDA)

情報漏洩リスクに対抗するためには、物理的な対策と法的な対策の両輪が必要です。

開発環境へのアクセス権限を厳格に管理し、不要なデータの持ち出しができないような技術的な制限を設けましょう。

例えば、VDI(仮想デスクトップ)を導入し、現地の端末にデータを保存させないといった対策が有効です。

また、開発会社とは必ず秘密保持契約(NDA)を締結し、違反時のペナルティを明確にする必要があります。

信頼できる開発会社は、ISMS認証などのセキュリティ基準を取得し、情報を厳重に管理しています。

契約前にセキュリティ体制をチェックシートなどで確認し、不安要素を取り除いておきましょう。

国別に見るオフショア開発のリスクと特徴の比較

オフショア開発の委託先として選ばれる国には、それぞれ異なる特徴とリスクがあります

自社のプロジェクトの性質や予算、求める品質に合わせて、最適な国を選ぶことが成功への第一歩です。

ここでは、主要なオフショア開発国であるベトナム、フィリピン、インドネシア、中国の4カ国について、その特徴と留意すべきリスクを比較解説します。

ベトナム:親日度が高く人気だが、人件費上昇と離職率に注意

ベトナムは親日的な国民性を持ち、勤勉なエンジニアが多いことから、現在日本企業に最も人気のあるオフショア先の一つです。

政府がIT教育に力を入れており、若くて優秀な人材が豊富に供給されています。

しかし、人気が集中しているため、近年は人件費が上昇傾向にあります。

また、エンジニアの流動性が高く、より良い条件を求めて短期間で転職してしまう「ジョブホッピング」のリスクには注意が必要です。

プロジェクトの途中で主要なメンバーが抜けると、引き継ぎに時間がかかり進捗に影響が出ます。

長期的な体制維持のためには、定着率の高い開発会社を選ぶか、人材のリテンション対策を確認しておきましょう。

フィリピン:英語力とホスピタリティが魅力だが、インフラ面に懸念

フィリピンの最大の魅力は、英語が公用語であり、コミュニケーションがスムーズな点です。

欧米文化の影響を受けているため、デザインやUI/UXの感覚も比較的日本や欧米に近いものを持っています。

一方で、台風などの自然災害が多く、電力や通信といったインフラ面での脆弱性が懸念されます。停電やネット回線の不具合によって、開発作業が一時的にストップするリスクを考慮しなければなりません。

明るくフレンドリーな国民性は魅力ですが、納期に対する意識が日本人ほど厳格でない場合もあります。

インフラのバックアップ体制が整っている会社を選び、進捗管理を丁寧に行うことが重要です。

インドネシア:豊富な若年層と市場成長性が魅力だが、宗教と文化の配慮が必要

インドネシアは東南アジア最大の人口を抱え、IT市場も急速に成長しています。

親日国であり、若くて意欲的なエンジニアが増えていることから、将来的なポテンシャルの高いオフショア先として注目されています。

注意点としては、イスラム教徒が多いため、宗教的な習慣への配慮が必要なことです。特にラマダン(断食月)の期間中は、業務効率が落ちたり、休暇取得が増えたりする可能性があります。

文化的な背景を理解し、スケジュールに余裕を持たせることがトラブル回避につながります。

また、法制度や税制が複雑な場合があるため、現地の事情に詳しいパートナーと組むことが推奨されます。

中国:圧倒的な技術力とスピードだが、コスト増と地政学リスクを考慮

中国はオフショア開発の歴史が長く、高度な技術力と豊富な実績を持っています。

地理的に近く時差も少ないため、日本企業との連携がしやすい点がメリットです。漢字文化圏であるため、仕様の理解も早いです。

しかし、近年は人件費が大幅に高騰しており、コストメリットは薄れています。また、カントリーリスクや政治的な緊張関係がビジネスに影響を与える可能性も否定できません。

単純な開発案件よりも、AIやビッグデータといった高度な技術を要するプロジェクトに向いています。コストよりも技術力やスピードを最優先する場合に、有力な選択肢となるでしょう。

よくある質問(FAQ)|オフショア開発のリスクを回避したい方々の声に回答

Q1. リスク対策にお金をかけると、国内の開発より高くなりませんか? 

A1. 管理を徹底することで、最終的な総コストは国内より低く抑えられます。 

初期の見積もりだけでなく、修正作業や意思疎通の手間を含めた全体予算で考える必要があります。

例えば、指示のズレで作り直しが発生すると、安いはずの開発費が大幅に膨らむのです。 管理体制を整える費用は、不要な出費を防ぐための保険のような役割を果たします。 

結果的に品質の高いシステムが予定通りに完成して、投資に対する効果を最大化できます。

Q2. 優秀なブリッジSEを見極めるために、何を確認すべきですか? 

A2. 言葉の壁を越えるだけでなく、日本の商習慣や技術的な背景を理解しているかを確認します。 

自社の要求をそのまま伝えるのではなく、現地の文化に合わせて翻訳して伝える能力が求められます。

見極め方法として、過去にトラブルが起きた際、どのように現場を動かして解決したかを具体的に質問してください。 

また、進捗状況を数字や図で論理的に説明できるかも、重要な判断基準となります。 技術と調整力の両方を兼ね備えた人材を選ぶことで、プロジェクトの成功率は飛躍的に高まります。

Q3. 日本と同等の品質を保つために、発注側ができる対策はありますか? 

A3. 「動くかどうか」だけでなく、使い勝手や詳細な動作条件を事前に数値で示す必要があります。 

日本と海外では、品質に対する考え方や「当たり前」の基準が異なるからです。 

「使いやすくしてほしい」という曖昧な表現ではなく、具体的な操作手順や反応時間を指定します。 

短い期間で成果物を確認したり修正したりする、こまめなレビューを繰り返してください。 基準を明確にして共有し続けることで、現地のエンジニアも求める品質を正確に理解します。

Q4. 海外拠点への情報漏洩を防ぐための、最も効果的な対策は何ですか? 

A4. 秘密保持契約(NDA)の締結と、現地の物理的なセキュリティ管理状況を把握することです。 

契約書に違反時の損害賠償額を明記することで、強い抑止力が働きます。 

また、開発に使用するパソコンの持ち出し制限や、アクセス権限の厳格な設定を相手に求めましょう。 

定期的に開発現場の様子をビデオ会議で確認したり、セキュリティ報告書を提出させたりします。 仕組みとルールの両面から対策を講じることが、企業の重要な資産を守るために不可欠です。

Q5. 従業員が少ない中小企業でも、オフショア開発を依頼するメリットはありますか? 

A5. 国内でエンジニアを採用する手間やコストを省き、迅速に開発体制を整えられます。 

中小企業は社内にIT専門家が不足している場合が多く、外部の豊富なリソースが大きな力となります。 

大企業のような大規模予算がなくても、必要な機能に絞って段階的に開発を進めることが可能です。 

自社の課題に寄り添って、戦略面から相談に乗ってくれるパートナーを選びましょう。

Q6. 開発したシステムの所有権やソースコードは、自社のものになりますか? 

A6. 契約を結ぶ段階で、知的財産権が自社に帰属することを明文化する必要があります。

あいまいにしたまま進めると、後から追加のライセンス料を請求されたり流用されたりします。 

特に、開発会社が保有する既存のプログラム部品の扱いについても、合意が必要です。 

ソースコード一式を納品してもらい、自社で管理できる状態にすることを条件に入れてください。 

権利関係をクリアにすることで、将来的なシステムの改修や他社への連携が自由に行えます。

Q7. アジャイル開発とウォーターフォール開発、どちらの手法が失敗しにくいですか? 

A7. オフショア開発では、少しずつ成果を確認できるアジャイル開発の方がリスクを抑えられます。 

仕様を一度に決めて進める手法では、最後に大きな認識のズレが発覚する恐れがあるからです。 

短い周期で開発と検証を繰り返したり、フィードバックを行ったりすることで、軌道修正が容易になります。 

進捗が見えやすくなるため、遠く離れた海外拠点との連携においても安心感を得られます。 

状況に合わせて柔軟に計画を変更できる手法を選び、着実に目標へ近づく体制を構築しましょう。

Q8. 納品後のシステム保守や運用も、同じ海外の会社に任せても大丈夫ですか? 

A8. 開発内容を最も理解している同じ会社に継続して任せることで、運用の安定性が高まります。 

別の会社に引き継ぐ手間がかからず、不具合が発生した際も迅速な原因究明と対応を期待できます。 

ただし、保守運用の費用や体制、対応可能な時間帯については、別途契約で定める必要があるのです。

夜間や休日のサポートが必要な場合は、あらかじめ現地の勤務体制を確認してください。 

信頼できるパートナーと長く付き合うことで、システムの成長を長期的に支える基盤が整います。

まとめ|オフショア開発のリスクと回避策

本記事では、オフショア開発の現状から7つの主要リスク、具体的な回避策まで解説しました。 

オフショア開発の成功は単なるコスト削減の手段ではなく、「戦略的なリスク管理」と「強固なパートナーシップ」の構築こそが本質なのです。

コミュニケーションや品質、セキュリティなど、海外特有の課題は確かに存在しますが、適切なブリッジSEの選定やアジャイル手法の導入で、リスクは克服可能です。

7つのオフショア開発で特に注意すべき主要なリスク

  • コミュニケーションの壁と認識の齟齬
  • 品質管理の難しさと納品物のクオリティ低下
  • 納期遅延と進捗管理の不透明化
  • セキュリティ・情報漏洩への懸念
  • 知的財産権(IP)や契約に関するトラブル
  • 想定外のコスト増加
  • 地政学リスクとカントリーリスク

4つのオフショア開発のリスクを最小限にする対策

  • ブリッジSE(BrSE)の選定と役割の明確化
  • アジャイル開発の導入による「早い段階での軌道修正」
  • 仕様書の徹底したドキュメント化と「図解」の活用
  • 強固なセキュリティ環境の構築と秘密保持契約(NDA)

経営者にとって、迅速なIT化は生き残りをかけた重要課題です。 海外のリソースを賢く使いこなし、投資対効果を最大化させる必要があります。 

情報の多さに惑わされず、自社の課題と向き合い、根拠を持って判断してください。 

さらに、オフショア開発会社を調べたい方は、こちらで2026年版のおすすめオフショア開発会社が確認できますので、併せてご覧ください。

自社のケースを深堀して相談したい場合は、ぜひ専門家への問い合わせをご検討ください。

正しい知識と備えがあれば、オフショア開発は貴社の飛躍を支える最強の武器となります。 まずは小さな一歩から始め、理想的なデジタルの未来を切り拓いていきましょう。

DX

【徹底比較】アウトソーシングと外注の違い!失敗しない選び方

「業務の一部を外部に任せたいけれど、アウトソーシングと外注の使い分けがわからない」といった悩みを持つ経営者やIT担当者の方は多いのではないでしょうか。

特に、競合に負けないよう迅速にIT化を進めるプレッシャーを感じる中で、高額な大手Slerを信頼しつつも、費用面から手を出しにくいことが多くの企業が抱える共通の課題です。

言葉の定義があいまいなまま外部パートナーを選定すると、予期せぬコスト管理責任のトラブルが発生するリスクが高くなります。

アウトソーシングと外注は、依頼する業務の「範囲」「目的」「期間」において、明確な違いがあるのです。

本記事では、この二つの手法を契約形態や費用、リスクの観点から徹底的に比較します。

本記事を読むことで、貴社が抱える課題に対し、最も合理的で根拠のある外部依頼先を選定するための明確な指針を得られ、自信を持って次のステップに進められるでしょう。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

アウトソーシングと外注(業務委託)の基本的な違い

アウトソーシングと外注という用語は、日常会話やビジネスの場においてしばしば混同されますが、その意味合いには大きな違いがあります。

この基本的な定義を理解することで、費用対効果が高く、戦略的な相談ができるプロを選べるようになります。

それぞれの定義と、経営戦略上での位置づけを専門的に解説します。

「外注(業務委託)」の定義と一般的なイメージ

外注、または業務委託とは、特定の時期に発生する、明確に定義された単一の業務や作業を外部の専門家や企業に依頼する契約形態を指します。

外注は、「一時的に自社に不足する専門スキルを補う」ことを主な目的として利用されます。

つまり、迅速に専門家の力を活用できるメリットがあります。

例えば、「新しいサービスのロゴやウェブサイトのデザイン作成」や「特定の期間限定イベントで利用するシステムの開発」など、成果物と納期が明確なプロジェクトベースの依頼が典型となるのです。

契約形態としては、成果物の完成を目的とする請負契約や、労働力の提供を目的とする準委任契約が多く採用されます。

外注は、業務の進め方や時間管理は基本的に委託先に任せますが、指揮命令権は発注者から発生しない点に注意が必要です。

「アウトソーシング」の定義と経営戦略上の位置づけ

アウトソーシング(Outsourcing)とは、今まで自社で行ってきた業務プロセス全体を、長期かつ継続的に外部の専門企業へ移管することを指します。

野村総合研究所 (NRI)によれば、「ノンコア業務を切り離し、経営資源をコア業務(本業)へ集中させる」という、より戦略的な経営判断として位置づけられます。

例えば、総務部門の給与計算やIT部門のシステム運用・保守といった、定型的で継続的な業務が対象です。

アウトソーシングの目的は、単に人手不足を解消するだけでなく、外部の専門ノウハウを取り入れることで、業務品質の向上やコストの恒久的な削減を図る点にあります。

契約期間は年単位の長期になることが一般的で、社員の採用・教育コストの削減にも貢献します。

決定的な違い:依頼する業務の範囲と目的

アウトソーシングと外注の最も決定的な違いは、依頼する業務の「範囲」と「目的」にあります。

外注は「タスク単位」での依頼であり、アウトソーシングは「部門・プロセス単位」での依頼だと理解してください。

外注は、「このシステムを作ってください」「このデータを入力してください」といった、具体的な作業を依頼するものです。

一方、アウトソーシングは、「給与計算業務全般をすべてお願いします」「ITインフラの運用すべてを任せたい」といった、業務全体の責任と管理を含めて依頼します。

目的も、外注は専門性の短期的な補完であるのに対し、アウトソーシングは継続的な業務効率化や経営資源の最適化という、より広い戦略的意図を持ちます。

この「丸ごとの依頼」が、アウトソーシングの特徴です。

類似の用語:BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)との関係性

アウトソーシングと非常に近い意味で使われる用語にBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)があります。

BPOはアウトソーシングのより戦略的かつ専門的な形態です。

経済産業省の『DX支援ガイダンス』によると、BPOは、給与計算や経理処理、コールセンター業務など、特定の業務プロセスを外部に委託するだけでなく、そのプロセスの企画・設計・改善までを外部パートナーに委ねる手法です。

BPO事業者は、単に作業を代行するだけでなく、その業務に関するノウハウを豊富に持っており、業務効率化の提案や最新テクノロジーの導入までを一括して行います。

中小企業がバックオフィス業務を依頼する際は、多くの場合、このBPOが選択肢になります。

業務の改善や効率化を目的とする場合は、単なるアウトソーシングではなく、BPOサービスを検討すべきです。

類似の用語:オフショアとの関係性

アウトソーシングや外注が「業務を外部に任せる手段」であるのに対し、「オフショア(Offshore)」は業務を依頼する「場所」を指す言葉です。

オフショアとは、システム開発などの業務を海外の企業に委託することで、人件費の差を利用した大幅なコスト削減を主な目的とする手法です。

ただし、「言葉の壁」や「商習慣の違い」によるコミュニケーションリスクが高まり、品質管理が難しくなるという大きなデメリットも伴います。

一方、ニアショア(Nearshore)は、比較的時差が少ない近隣の海外諸国や国内の地方都市に依頼することで、コストとリスクのバランスを取る手段です。

費用対効果を追求する中小企業は、国内か海外かという場所の選択肢も同時に検討する必要があります。

アウトソーシングと外注、契約形態・期間・範囲から見る実践的な比較

中小企業の経営者やIT担当者が外部パートナーを選ぶ際は、目先の費用だけで判断してはいけません。

契約期間中のリスクや自社に残るノウハウなど、より実践的な視点から両者を比較検討する必要があります。

迅速なIT化のプレッシャーがある中で、自社の課題と開発イメージが一致する費用対効果の高いプロを見つけるためにも、この実践的な比較は不可欠です。

このセクションでは、アウトソーシングと外注を、契約期間、知見の移転、コスト構造など、実務における重要な側面から詳細に比較します。

契約期間と依頼の継続性

アウトソーシングと外注では、契約期間や依頼の継続性において明確な傾向が見られます。

外注は短期間の「点」の契約であり、アウトソーシングは長期間の「線」の契約となるのが一般的です。

外注は、システム開発やデザイン作成といった単発のプロジェクトが多いため、契約期間は数ヶ月から長くても一年程度になります。

このため、プロジェクトごとにパートナーを変えたり、協力者を変更したりするといった柔軟な対応が可能です。

一方、アウトソーシングは、業務プロセスを丸ごと任せるため、安定したサービスの提供が前提となり、契約は数年間にわたることが多くなります。

長期契約のアウトソーシングでは、契約の見直しや解約に関する条項を初期段階で明確にし、将来の変更に対応できる柔軟性を確保することが重要となります。

ノウハウ・知見の移転

外部に業務を依頼する際に、「自社にノウハウが残るかどうか」は、将来的な自立や競争優位性を維持する上で非常に重要な論点です。

外注はノウハウの移転が限定的であり、アウトソーシングはノウハウが外部に蓄積されやすいという傾向があります。

外注は、特定の成果物を受け取るのみで、その作成過程の技術的ノウハウは外注先に残りがちです。

ウェブサイトのコードをすべて自社で理解したり、使いこなしたりすることは難しい場合があります。

一方、アウトソーシングでは、業務プロセス全体を外部に任せるため、業務改善の知見や運用ノウハウが外部パートナー側に蓄積されていくのです。

将来的な内製化も視野に入れるなら、アウトソーシングの契約時に「ノウハウの共有」や「引き継ぎ期間」について具体的に取り決める必要があります。

業務プロセスの改善提案

外部パートナーからの業務プロセスの改善提案を期待できるかどうかは、依頼する手法の定義によって大きく異なります。

結論として、アウトソーシング(特にBPO)は業務改善提案を期待できるのに対し、外注では基本的に提案は期待できません。

外注の目的は特定の作業の完了であるため、依頼された範囲外の業務改善について提案したり、新しいテクノロジーの導入を提案したりすることは通常ありません。

対照的に、アウトソーシングは業務効率化や品質向上を目的としているため、外部の知見を活かした継続的な改善提案がサービスに含まれていることが一般的です。

貴社が戦略的なアドバイスを求めているなら、改善提案が契約に含まれるアウトソーシングを選ぶ必要があります。

管理責任の所在とリスク負担

業務を外部に依頼する際、業務の管理責任やトラブル発生時のリスクがどこにあるのかを明確にすることは非常に重要です。

外注は管理責任が貴社に残るのに対し、アウトソーシングは委託先の責任範囲が広くなるのです。

外注は、依頼した成果物に対して責任を負いますが、その業務全体のプロセス管理は発注者である貴社が引き続き行います。

一方、アウトソーシングは、業務プロセス全体を委託するため、品質管理やセキュリティ管理に関する責任の多くが委託先に移ります。

リスク回避のためには、アウトソーシング契約において、情報漏洩やサービスレベルの未達が発生した場合の損害賠償やペナルティについて、明確に取り決めることが不可欠です。大手であろうと無名な会社であろうと、契約書の内容がすべてです。

導入コストとトータルコストの違い

アウトソーシングと外注は、コスト構造にも大きな違いがあり、トータルコストで評価しなければ正しい判断はできません。

外注は初期費用として一括で支払う形が多く、アウトソーシングは月額の固定費用や従量課金となることが多いです。

外注は単発プロジェクトのため、見積もりが比較的容易で費用対効果を測りやすい傾向があります。

一方、アウトソーシングは月額費用が安価に見えても、契約期間が長いためトータルコストが膨らむ可能性があるのです。

さらに、アウトソーシングは変動費化できるメリットがある一方で、契約終了時の引き継ぎコストや新しいパートナーへの移行コストが発生することもあります。

短期的な予算でなく、数年間の総費用で比較検討すべきです。特に費用を抑えたい中小企業は、このトータルコストの視点を忘れてはなりません。

どちらを選択する?アウトソーシングと外注の失敗しない選択基準は?

アウトソーシングと外注のそれぞれの特徴を理解した上で、貴社が抱える具体的な課題を解決するためにどちらの手法を選ぶべきか、その判断基準を明確することが必要です。

「情報が多くてわからない」「どの提供者も選ぶメリット・デメリットがある」という不安を解消するため、このセクションでは、費用対効果(ROI)とリスクを最小限に抑えながら、合理的で成功に繋がる選択をするための具体的な判断基準を解説します。

「外注」が適しているケース:専門性の高い単発プロジェクト

外注、すなわち業務委託が最も適しているのは、自社にはない高度な専門性が必要とされる単発のプロジェクトです。

「特定のスキルを一時的に補う」ことが目的であれば、外注が最も効率的で低コストな選択となります。

例えば、「新しいサービスのロゴやUI(ユーザーインターフェース)のデザイン作成」や「複雑な機能を持つカスタムシステムの初期開発」といったケースが該当します。

以上の業務は、自社で専門人材を雇用したり、スキルを育成したりするよりも、外部のプロに一時的に依頼する方が、時間と費用のムダを抑える最善策になるのです。

さらに、成果物の完成をもって契約が終了するため、長期的な管理負担もありません。

ただし、単発の外注であっても、自社の課題とイメージを伝えるための準備は不可欠です。

「アウトソーシング」が適しているケース:定型的なノンコア業務

アウトソーシング(BPO含む)が適しているのは、定型的で継続的ながら、自社のコア業務ではないノンコア業務です。

「継続的な業務の効率化と品質維持」が目的であれば、アウトソーシングが最も戦略的な選択となります。

例えば、「毎月の給与計算・社会保険手続き」「ITシステムの保守・監視」「経理伝票の処理」といった、手間はかかるが売上に直結しない業務が該当するのです。

業務を外部に任せることで、経営資源を売上や顧客満足度に直結するコア業務に集中させられます。

外部パートナーの持つ業務改善ノウハウを活用し、人手不足の解消と業務品質の安定化を同時に実現することも可能です。

効果を最大化するための依頼前の準備事項

外部パートナーへ依頼する際に、最大限の効果を引き出し、失敗を避けるためには、依頼前に「何を解決したいのか」という自社の課題とゴール数値(KPI)で明確化することが不可欠です。

外注する場合でも、業務をアウトソーシングする場合でも、「現状の業務フロー」と「自動化や効率化で達成したい具体的な目標値」を文書化してください。

この準備ができていれば、外部パートナーの提案が貴社の課題に一致しているかを合理的に判断できます。

よくある質問(FAQ)|アウトソーシングと外注を見比べている方々の声に回答

Q1. 外注とアウトソーシングを併用することは可能ですか?

A1. はい、可能です。コア業務を外部に委託しない限り、戦略的に併用することで柔軟性とコスト効率を両立できます。

多くの企業は業務の性質に応じて両者を使い分けています。

例えば、「人事・経理といった定型的なバックオフィス業務全体(ノンコア業務)はアウトソーシング」し、「新商品のキャンペーンサイト制作や特定機能のシステム開発(専門的な単発プロジェクト)は外注」するといった使い分けが一般的です。

この併用戦略の鍵は、自社のコア業務を明確に定義し、そこに最も経営資源を集中させることです。

Q2. アウトソーシング契約の「サービスレベル合意書(SLA)」とは、具体的にどのような内容を確認すべきですか?

A2. SLAは、委託先が提供するサービスの具体的な「品質」と「責任範囲」を数値で保証するもので、特に「罰則」の有無を確認すべきです

SLA(Service Level Agreement)は、アウトソーシングの成否を分ける重要な文書です。

確認すべき具体的な内容は、「稼働率(システムのダウンタイム許容範囲)」や「問い合わせへの応答時間」といった品質に関する目標値に加え、その目標値が達成できなかった場合の「ペナルティ(罰則)」が盛り込まれているかどうかが重要になります。

罰則がない場合、委託先がサービスの改善に積極的でなくなるリスクがあります。事前に計測可能な数値として合意することが、アウトソーシングで期待通りの成果を得るための根拠となります。

Q3. オフショア開発を検討する際、コスト削減効果とコミュニケーションリスクのバランスをどう評価すべきですか?

A3. 削減できるコスト(人件費差額)が、コミュニケーションミスによる「手戻りコスト」と「納期遅延リスク」を上回るかを定量的に試算すべきです。

オフショアの最大のメリットはコスト削減ですが、コミュニケーションリスクは必ず発生すると認識すべきです。

失敗を避けるためには、国内の窓口担当者(ブリッジSE)の質を最重要視してください。

さらに、コスト削減額が20%未満であれば、リスクに見合わない可能性が高くなります。

オフショアの評価は、人件費の比較だけでなく、「品質管理体制」「文化的な理解度」「日本語対応の質」といった定性的な要素も合わせて、トータルコストとトータルリスクの観点から判断することが合理的です。

Q4. システム開発の発注の場合、外注先が提案してくる「準委任契約」と「請負契約」は、発注側にとってどのような違いがありますか?

A4. 成果物に対する責任の所在が異なります。リスクを抑えたいシステム開発では「請負契約」を基本とすべきです。

請負契約は「システムを完成させる」という成果物の納品に対して責任が発生するため、発注側は完成品を受け取ることのみに責任を負います。

一方、準委任契約は「エンジニアの労働力や作業時間を提供すること」に対して費用を支払う契約であり、成果物に対する責任は原則として発生しません。

つまり、システムが未完成でも費用を支払うリスクがあります。システム開発では、「完成」という明確なゴールがあるため、発注側のリスクが低い請負契約を優先的に採用することが、賢明な判断と考えられます。

Q5. アウトソーシングによってノウハウが外部に流出することを防ぐには、どのような対策が必要ですか?

A5. 契約書に「秘密保持契約(NDA)」と「知財帰属」を明記するとともに、「業務マニュアルの共同作成」を義務付けるべきです。

ノウハウ流出を防ぐ最も重要な対策は、契約による法的拘束力の確保です。

業務上知り得た情報や顧客データの取り扱いに関するNDA(Non-Disclosure Agreement)は必須です。

加えて、アウトソーシングによって改善された業務プロセス自体を、共同でマニュアル化し、その知的財産権の帰属を自社に残すよう契約で定めてください。

結果、契約終了時もノウハウを失わずにスムーズな引き継ぎが可能となり、将来的な内製化にも対応できるようになります。

Q6. 「外注」を選んだ場合、パートナーからの戦略的な業務改善提案は本当に期待できないのでしょうか?

A6. 一般的には期待はできません。もし提案が欲しいなら、依頼内容を「業務改善コンサルティング+外注」として切り分けて契約すべきです。

外注(請負契約)の範囲は「依頼された特定のシステムを納期内に完成させること」に限定されます。

そのため、外注先に「どうすればもっと業務が効率化するか」といった戦略的な提案を期待することは、契約の範囲外の要求になります。

もし戦略的な知見を求めるなら、契約を「コンサルティングフェーズ(準委任)」と「開発フェーズ(請負)」に分け、コンサルティング費用を別途支払うべきです。

Q7. アウトソーシング契約を途中で解約する場合、トータルコストはどのように変化しますか?

A7. 契約期間が満了していない場合、残存期間の月額費用の一部または全額が「違約金」として発生することが一般的です。

アウトソーシングは長期契約が前提のため、委託先は初期投資として貴社専用の環境構築や人材採用を行っています。

そのため、中途解約は委託先にとって大きな損害となるため、契約書に中途解約時の違約金が定められていることがほとんどです。

トータルコストを評価する際は、「月額費用×契約期間」だけでなく、「解約違約金の条件」と「次の委託先への引き継ぎ費用」も必ず含めて検討してください。

Q8. 大手Slerと中小の開発会社を比較する際に、特に重視すべき判断基準は何ですか?

A8. 大手は「安定性と信用力」、中小は「自社の課題への一致度」と「開発ノウハウの専門性」を重視すべきです。

大手Slerは経営の安定性や豊富な実績に裏打ちされた高い信用力が最大のメリットですが、高額な費用になりがちです。

一方、中小の開発会社は、特定の技術分野や業種に特化していることが多く、自社の課題と開発イメージが一致しているならば、大手よりも費用対効果が高くなる可能性を秘めています。

選定の根拠としては、「過去の類似案件の実績」「提案内容の具体的かつ合理的な根拠」「担当者との戦略的な相談が可能な関係性」を重視し、中小であっても専門性の高いプロを選ぶことが、正しい決断をするための基準となります。

まとめ|アウトソーシングと外注の違い!失敗しない選び方

本記事では、アウトソーシングと外注(業務委託)の基本的な違いから、契約期間、ノウハウの移転、コスト構造に至るまで、実践的な視点から徹底的に比較しました。

アウトソーシングは長期的な業務プロセスの移管による経営資源の最適化を目的とし、外注は単発のプロジェクトにおける専門性の補完を目的とすることが、それぞれの決定的な違いになります。

アウトソーシングと外注の違いのまとめ表

比較項目外注(業務委託)アウトソーシング
定義・単位単一の「タスク・作業」単位業務の「プロセス・部門」単位
主な目的一時的な専門スキル・人手の補完コア業務への集中、恒久的な効率化
契約期間短期・単発(点の契約)長期・継続(線の契約)
管理責任発注者にプロセス管理責任が残る委託先がプロセス全体の責任を負う
業務改善提案基本的に期待できない専門知見による継続的な提案がある
ノウハウの蓄積限定的(成果物のみ受け取る)外部に蓄積されやすい(共有の工夫が必要)
コスト構造プロジェクトごとの一括・スポット費用月額固定・従量課金(トータルでの評価が必要)
典型的な例ロゴデザイン、特定システムの開発など給与計算事務、ITインフラ運用保守など

この記事で得た知識を武器に、ぜひ自信を持って外部パートナーの選定を進め、貴社の競争優位性を確立する一歩を踏み出してください。

DX

オフショア開発会社12選【2026】DXを加速する信頼のパートナー

「コストを抑えたいが、品質の低下や納期遅延は絶対に避けたい」「過去にオフショアでコミュニケーションの壁にぶつかり、失敗した経験がある」とオフショア開発を検討する際、このような不安を抱えている担当者の方は少なくありません。

本記事では、単なる「安さ」の追求ではなく、日本特有のビジネス習慣や品質基準を熟知した信頼できる開発パートナー12社を厳選してご紹介します。

本記事を読み終える頃には、自社のプロジェクトに最適なパートナーの選び方が明確になります。 コスト削減と高品質な開発を両立させ、失敗のないオフショア活用への第一歩をここから踏み出しましょう。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

信頼できるオフショア開発会社12選

株式会社Fabbi Japan(ベトナム):日本品質と高度な技術力の融合

株式会社Fabbi Japanはベトナムの若く優秀なエンジニア集団でありながら、代表をはじめ日本での実務経験が豊富なメンバーが中心となっているのが特徴です。

2023年の日本ベストベンチャー100選に選出された唯一のベトナム企業でもあります。クラウド技術やAI(人工知能)を活用した開発に強みを持ち、単なる実装だけでなく、上流工程からの提案力を備えています。

日本国内にも拠点を持ち、密なコミュニケーションが可能なため、初めてのオフショアでも「丸投げ」のリスクを抑えたプロジェクト進行が期待できます。

VNEXT JAPAN株式会社(ベトナム):先端技術と品質管理を両立するパイオニア

VNEXT JAPAN株式会社は15年以上にわたり日本市場に特化し、400名超のエンジニアが在籍するIT総合サービス企業です。

AIやブロックチェーン領域に早くから着手しており、600件以上の実績に基づく高度な技術提案が強みです。ISTQBゴールドパートナーとしての厳格な品質管理体制により、日本クオリティを維持した「ラボ型開発」を実現しています。

技術的な難易度が高いDXプロジェクトにおいて、戦略から実装まで任せられる信頼のパートナーです。。

GMO-Z.com RUNSYSTEM株式会社(ベトナム):GMOグループの信頼と20年の実績

GMO-Z.com RUNSYSTEM株式会社はGMOインターネットグループの一員として、20年以上にわたり日本市場向けオフショア開発を牽引しています。

CMMIレベル3やISMSに準拠した厳格な管理体制により、金融などの高セキュリティ案件でも「日本品質」を維持できるのが最大の強みです。

自社AIプロダクト開発で培った高度な技術力に加え、日本の商習慣を熟知したブリッジSEが円滑な連携をサポートします。大手ならではの安定感と技術力を兼ね備えた、失敗できないDXプロジェクトにおける最良のパートナーです。

フジネット・システムズ株式会社(ベトナム):日本市場に特化した圧倒的な安心感と3,000件超の実績

フジネット・システムズ株式会社は2000年の創業以来、売上の9割以上を日本市場向けが占める「日本専念型」の老舗オフショア企業です。最大の特徴は、日本の商習慣や「そこを何とか」といった細かなニュアンスまで汲み取れる深い理解力があり、日本人スタッフや日本語堪能なエンジニアによる円滑な連携が強みです。

約700名の精鋭が在籍し、大規模な基幹システムからWeb、モバイル、マイグレーションまで、3,000件以上のプロジェクトを完遂してきた豊富な知見を誇ります。

CMMIレベル3やISMSといった国際基準を全社で徹底しており、日立グループや三菱電機グループなどの大手企業からも長年選ばれ続ける「日本クオリティ」です。

合同会社Solashi Japan(ベトナム):事業成長を第一に考える『伴走型』

合同会社Solashi Japanは、ベトナム・ハノイを拠点に「日本品質」と「ビジネス視点」を融合させた開発を提供する、成長著しいITパートナーです。2025年には「ベトナム優秀IT企業トップ10」に選出されるなど、高い技術力を誇ります。

最大の特徴は、単なる受託開発に留まらず、顧客の事業ロードマップから逆算して最適な開発体制を提案する「コンサルティング型」の姿勢にあります。

日本人プロジェクトマネージャーが上流工程から伴走するため、抽象的なアイデアを動くプロダクト(MVP)へと落とし込むスピードと精度が非常に高いのが強みです。

株式会社クライド(フィリピン):フィリピン拠点の高いコストパフォーマンス

株式会社クライドは、アドテクノロジー領域で実績を持つ上場企業グループ(フリービットグループ)のノウハウを背景に、フィリピン・セブ島を拠点としたオフショア開発を提供しています。

最大の強みは、日本人の上級エンジニアやブリッジSEが徹底したプロジェクト管理を行うことで、オフショアにありがちな品質のばらつきや納期遅延のリスクを最小限に抑えている点です。

フィリピン拠点は英語圏である利点を活かし、最新の技術ドキュメントへの迅速なアクセスやグローバルな開発基準の採用が容易で、柔軟かつスピーディーな体制構築を得意としています。

株式会社LIG(フィリピン・ベトナム):デザインの知見を活かしたユーザー中心の開発

株式会社LIGは、国内屈指のWeb制作実績で培ったクリエイティブ力を武器に、フィリピン・ベトナムでのオフショア開発を展開しています。

最大の特徴は、単なる工数提供ではなく、顧客と共に最適なチームを創り上げる「BiTT(Build Team Together)」という独自のスタイルです。UI/UXデザインから実装まで一気通貫で対応できるため、ユーザー体験を重視する新規事業やサービス開発において圧倒的な強みを発揮します。

コミュニケーション能力の高いブリッジSEが介在することで、仕様の背景にある「目的」を共有し、オフショア特有のズレを防ぐ柔軟な開発が可能です。

株式会社Sun Asterisk(ベトナム・フィリピン他):ビジネス・デザイン・技術を融合させたプロ集団

株式会社Sun Asteriskはベトナムを中心とした約2,000名規模のグローバルリソースを擁し、単なるシステム受託を超えた「事業共創」を掲げるデジタル・クリエイティブスタジオです。東証プライム上場の確かな経営基盤のもと、新規事業の立ち上げから大規模なDX推進まで、今まで1,000件以上のプロジェクトを成功に導いてきました。

上流工程のコンサルティングからUI/UXデザイン、本開発、そしてリリース後のグロース支援までを一気通貫で提供できる点が特徴です。

デザインシンキングやアジャイル開発を主軸とし、ビジネス視点を持ったコンサルタントと精鋭エンジニアが密に連携するため、変化の激しい現代の市場において「勝てるプロダクト」をスピーディーに形にできます。

トッパジャパン株式会社(ベトナム):AI・ロボット・日本企業の窓口で安心の『突破』力

トッパジャパン株式会社は、ベトナムの精鋭エンジニア集団「TOPPA SOLUTIONS」と強固に連携し、日本国内基準の品質とオフショアのコストメリットを両立させる実力派企業です。

単なるWeb制作に留まらず、複雑なアルゴリズムの実装やC++を用いたエンジン開発など、難易度の高いプロジェクトを完遂する実力を持っています。また、教育関係のシステム開発実績が豊富な点も大きな特徴です。

株式会社コウェル(ベトナム):QA(品質保証)への並外れたこだわり・安定したラボ型開発

株式会社コウェルはベトナムを主要拠点に400名超の体制を誇る、日本のオフショア開発シーンにおける「品質重視派」の筆頭格です。

最大の特徴は、単なるプログラミングに留まらず、ソフトウェアテスト(QA)の専門領域においてグローバルレベルの認定(ISTQB Global パートナー)を受けている点です。

さらに、日本企業が最も懸念する「品質」に対して極めて論理的・組織的なアプローチも持っています。

主力である「ラボ型開発」では、経験豊富な日本人ブリッジSEが上流工程から深く関与し、コミュニケーションロスを徹底的に排除します。

株式会社モンスターラボホールディングス(世界20カ国):世界20ヵ国の知見を結集したDXのハイエンド・オフショア

株式会社モンスターラボホールディングスは世界20ヵ国33都市(2025年時点)に広がる巨大な拠点ネットワークを駆使し、低コスト開発を超えた「グローバル水準のDX推進」を提供するデジタルコンサルティング企業です。

最大の強みは、上流工程のビジネスデザインやUI/UX設計を日本のコンサルタントが担当し、世界中の多様な専門人材をプロジェクトごとに最適にアサインできる点です。

AI、IoT、AR/VRといった先端技術や、海外展開を見据えた多言語・多文化対応のプロダクト開発において圧倒的な優位性を持ちます。

オフショア開発会社選びで失敗しないポイント

オフショア開発を成功させるためには、パートナーとなる開発会社の選定が最も重要になります。 

コスト削減だけを目的にして、単価の安さだけで会社を選んでしまうと、プロジェクトは失敗に終わる可能性が高いです。 

なぜなら、開発の現場では技術力だけでなく、円滑なコミュニケーションや管理能力が問われるからです。 

選定の際は、見積もりの金額だけでなく、信頼できる体制を持っているかを慎重に見極めなくてはいけません。 

自社の課題を深く理解し、解決策を具体的に提案してくれる会社を選ぶ姿勢が重要です。 

複数の会社を比較検討したり、担当者と直接話したりして、相性を確認することが大切です。 

コミュニケーション体制とブリッジSEの質を確認する

海外の開発会社を選ぶ際は、コミュニケーション体制とブリッジSE(エンジニア)の能力を最優先で確認すべきです。 

オフショア開発における失敗の多くは、言葉の壁や文化の違いによる認識のズレから生じるからです。 

日本語が通じるというだけでなく、日本の商習慣や細かなニュアンスまで理解できる人材がいるかが鍵を握ります。 

例えば、仕様書の行間を読んで質問してくれたり、リスクを事前に察知して報告してくれたりするブリッジSEは優秀です。 

また、チャットツールでのレスポンスの速さや、定期的なビデオ会議の開催頻度についても確認しておきましょう。 密に連絡を取り合ったり、情報を透明化したりする仕組みが整っている会社であれば、安心して任せられます。 

言葉の不安を解消できる強固な体制がある会社を選ぶことが、プロジェクトをスムーズに進めるための条件です。

自社の課題解決に似た「実績」と提案力を見極める

候補となる会社が、自社の解決したい課題と似たプロジェクトを成功させた実績を持っているかどうかも重要です。 

類似の実績が豊富な会社には、過去の経験に基づいたノウハウが蓄積されており、効率的に開発を進められるからです。 

例えば、同規模のシステム構築事例を見せてもらったり、直面した課題への対処法を質問したりしてみます。 

自社の業界特有のルールや業務フローを理解しているかどうかも、判断のための大きなポイントになるでしょう。 

さらに、言われた通りに作るだけでなく、より良い解決策を積極的に提案してくれる姿勢があるかも確認しましょう。 受け身ではなく、ビジネスの成功を目指して伴走してくれるパートナーを選ぶことが、投資対効果を高めます。 

成功の鍵を握る「リスク管理」の全貌を知る

オフショア開発には、国内開発にはない特有のリスクが潜んでいることを忘れてはいけません。 

会社選びのポイントを押さえた後は、実際に起こりうるトラブルの正体とその回避策を具体的に知る必要があります。

リスクを事前に把握しておくことで、開発会社との交渉や契約をより有利に進めることが可能になります。 

例えば、セキュリティ対策の甘さや、予期せぬコスト増加といった問題は、事前の準備で防ぐことができます。 

さらにオフショア開発のリスクや国別の特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

自社のDX戦略を共に描けるパートナーを見つけ、事業成長を加速させていきましょう。

よくある質問(FAQ)|オフショア開発会社について詳しく知りたい方々の声に回答

Q1. 言葉や文化の壁が心配です。日本語は通じますか?

A1. 「ブリッジSE」が在籍する企業を選べば、日本語での円滑な進行が可能です。 

多くのオフショア企業には、日本語と現地の言葉、そして技術知識を持つ「ブリッジSE」が在籍しており、彼らが翻訳と管理を行います。 

ただし、文化の違いによる「認識のズレ」はゼロではありません。

これを防ぐためには、チャットツール等で「密なコミュニケーション」を取り、小さな疑問もその都度解消する姿勢が重要です。

Q2. 日本国内への発注と比べて、本当にコスト削減になりますか?

A2. 単価は下がりますが、トータルの費用対効果(ROI)で判断する必要があります。 

オフショア開発の人月単価は日本より安価な傾向にありますが、目先の開発費だけで判断するのは危険です。

「コスト削減」だけでなく、浮いた予算でより高機能なシステムを作る、あるいは国内では採用困難な「専門技術を持つエンジニア」を確保するといった、投資に対する利益(ROI)の最大化を目的とすることをおすすめします。

Q3. オフショアだと品質が悪くなるイメージがありますが、大丈夫でしょうか?

A3. 「丸投げ」をせず、品質基準を具体的に合意すれば高品質な開発が可能です。

品質低下の主な原因は、オフショアかどうかよりも、発注側が仕様を曖昧にしたまま「言わなくても分かるだろう」と開発会社に任せきりにすること(丸投げ)にあります。

どのような品質を求めるかを明確にし、定期的にデモを確認するなどの「主体的なプロジェクト管理」を行うことで、品質はコントロールできます。

Q4. 開発会社選びで失敗しないための「最大のポイント」は何ですか?

A4. 会社の規模や安さよりも、自社との「相性」と「提案力」を重視してください。

パートナー選定の成否は、システム開発の成功を9割左右します。 

単に言われた通りに作るだけでなく、貴社のビジネス課題を深く理解し、「本当に必要な機能は何か」や「業務効率化のヒント」まで提案してくれる「伴走型」のパートナーを選ぶことが成功への近道です。

Q5. ITの専門知識がないのですが、依頼しても問題ありませんか?

A5. はい、可能です。大切なのはIT知識よりも「ビジネスの目的」です。

技術的な翻訳はプロである開発パートナーが行います。発注者側で重要なのは、「なぜシステムが必要なのか」「システムで何を達成したいのか(例:工数を◯時間削減したい)」という目的と計画を明確にすることです。 

目的さえ明確であれば、専門家が最適なシステムの形を提案してくれます。

Q6. セキュリティ面や情報漏洩のリスク対策はどうなっていますか?

A6. 国際的なセキュリティ基準(ISMSなど)を持つ信頼できる企業を選びましょう。

開発データの管理や情報漏洩は確かにリスクの一つです。 

そのため、国際規格(ISMS認証など)を取得しているか、契約時に秘密保持契約(NDA)を締結できるか、そして開発環境のセキュリティ対策が十分かなどを事前に確認し、信頼できるパートナーを選ぶことが不可欠です。

Q7. 開発後の「保守・運用」も対応してもらえますか?

A7. 多くの企業で対応可能です。開発段階から計画に含めておきましょう。

システムは作って終わりではなく、運用開始後も改善やトラブル対応が必要です。

納品後の「無償保証期間」や、その後の「保守運用契約」について事前に確認し、契約に含めておくことで、リリース後も安心してシステムを利用し続けられます。

Q8. 開発期間はどれくらい見ておけば良いですか?

A8. 規模によりますが、余裕を持ったスケジュール設計が重要です。

小規模なものであれば2〜3ヶ月、大規模なものは1年以上かかる場合もあります。

重要なのは、開発パートナーと「いつまでに、どの機能が必要か」をすり合わせ、現実的なスケジュールを立てることです。

また、仕様変更や手戻りが発生する可能性も考慮し、リリース時期にはバッファ(余裕)を持たせておくのが賢明です。

まとめオフショア開発会社は慎重に選ぼう

オフショア開発を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)は、コストを抑えつつスピード感を持って事業を成長させるための強力な手段となります。 

本記事では、日本品質を深く理解し、確かな技術力を持つ厳選された12社をご紹介しました。 

どの企業も単なる外部委託先ではなく、貴社のビジネスを共に創り上げる戦略的なパートナーになり得る実力を持っています。

開発会社を選ぶ際は、提示された見積金額の安さだけで判断をしてはいけません。 なぜなら、プロジェクトの成否はブリッジSEの能力や、過去の類似実績に基づく提案力の差で決まるからです。 

意思疎通がスムーズに進み、自社の課題に寄り添ってくれる体制があるかを見極める姿勢が大切です。

まずは気になる数社に相談をして、担当者の対応や提案の質を直接確かめることから始めてみてください。自社に最適なパートナーが見つかれば、DXによる業務改善や新規事業の立ち上げは大きく加速します。 

正しい知識と信頼できる仲間を手に入れて、失敗のないDX推進を実現しましょう。

DX

業務改善のアイデアが思いつかない!簡単に実施できる業務改善案5選のご紹介

「業務改善が必要なのはわかっているけれど、具体的なアイデアが全く思いつかない」「どこから手をつけたら良いかわからない」といった悩みを抱えている経営者やIT担当者の方は多いのではないでしょうか。

中小企業基盤整備機構によれば、迅速なIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が高まる一方で、何をどう変えれば良いのかというスタート地点でつまずいてしまうケースが多く見られます。

実際には、日々の業務の「ムダ」を発見し、小さな改善を積み重ねることで、劇的に生産性を高められます。

本記事では、業務改善のアイデアが思いつかない根本的な原因を解き明かし、誰でも簡単に着手できる具体的なアイデア5選をご紹介します。

この記事を読むことで、貴社が自信を持って業務改善の第一歩を踏み出し、競争優位性を確立するための確かな指針を得られるでしょう。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

業務改善のアイデアが思いつかない原因とヒント

業務改善のアイデアが生まれないのは、発想力がないからではありません

多くの場合、アイデアを見つけるための「考え方」や「手順」に落とし穴があるからです。

このセクションでは、アイデア発想を妨げる原因を明らかにし、現場の視点に立ちながら、具体的な改善のヒントを得るための専門的なアプローチを解説します。

社員全員が正しい視点を持てば、改善のヒントは日常業務の中に溢れていることに気づくでしょう。

なぜアイデアが出ないのか?考え方の落とし穴

アイデアが出ない最大の原因は、「現在のやり方こそが正しい」という固定観念に囚われてしまう考え方です。

長年同じ業務を続けていると、その手順やプロセスが「当たり前」となり、非効率な部分があっても見過ごされがちです。

また、多くの企業が「完璧な解決策」や「大掛かりなシステム」を最初から求めすぎるあまり、手軽に試せる小さな改善を見逃してしまいます。

理想的なのは、「もしこの作業が明日からできなくなったらどうするか」という危機感をもって業務を見つめ直すことです。

この視点を持つことで、「なくても困らない作業」や「変えられる非効率な手順」が浮き彫りになり、具体的なアイデアに繋がります。大きな変革を目指す前に、まず疑う視点を持つことが重要です。

アイデア発想の第一歩:業務の「ムダ・ムリ・ムラ」を見つける

IPAの『DX実践手引書 ITシステム構築編』によると、業務改善アイデア発想の基本は、トヨタ生産方式で用いられる「三つのム(ムダ・ムリ・ムラ)」を見つけ出すことです。

三つの「ム」は、業務効率を低下させるすべての要因を網羅しています。

「ムダ」は、付加価値を生み出さない作業や時間です。例えば、データの二重入力や探すのに時間がかかる書類などが該当します。

「ムリ」は、社員の能力や設備のリソースを限界まで使わせる過度な負荷です。例えば、特定の人に業務が集中し、残業が常態化している状態などが該当します。

「ムラ」は、業務量や品質にばらつきがある状態です。例えば、時期によって忙しさが極端に違ったり、担当者によって成果物の品質が異なったりする状態などが該当します。

この三つの「ム」をタスクごとにチェックするだけで、改善の着眼点が明確に見つかります。

「なくす」「変える」に着目した改善視点の紹介

業務改善のアイデア出しを構造化するためには、「ECRS(イクルス)」というフレームワークが非常に有効です。

ECRSは改善の優先順位を論理的に決定し、抜本的な変革を促します。

ECRSは、「E: Eliminate(なくす)」「C: Combine(まとめる)」「R: Rearrange(入れ替える)」「S: Simplify(簡素化する)」の4つの要素から構成されています。

まず、「なくせないか」を最優先で考えましょう。

次に、なくせない場合は「他の作業とまとめられないか」を検討します。

その次には「作業の順番を入れ替えられないか」を考えます。

最後に、そこまでで残った作業を「もっと簡単にできないか」と簡素化していくのです。

この手順で検討することで、非効率な現状維持を打破し、本質的な業務フローの改善に繋がるアイデアを発見できます。

アイデアを「タスクレベル」まで細分化する重要性

抽象的な業務全体を改善しようとすると、アイデアは出にくく、実現も困難になります。

改善アイデアは「タスクレベル(作業単位)」まで細分化して検討することが、具体的な実行計画に繋がります。

例えば、「経理業務の効率化」という大きなテーマではなく、「請求書をPDFにして顧客ごとにフォルダに格納する」という具体的な一連の操作に焦点を当ててください。

このタスクレベルに落とし込むことで、「この作業は手作業でなくてもRPAで自動化できるのではないか」「フォルダ分けのルールを統一すれば探す時間をなくせるのではないか」といった具体的なアクションが見えてきます。

大きな業務も分解された小さなタスクの集まりであり、その一つ一つを改善することが、全体効率の向上に直結するのです。

簡単に実施できる!即効性の高い業務改善案5選

ここでは、先ほど解説した「ムダ・ムリ・ムラ」や「ECRS」の視点から導き出された、すぐに着手でき、高い効果が見込める具体的な業務改善アイデアを5つご紹介します。

  • 【案1】資料作成や会議準備の「型化」による時間短縮
  • 【案2】デジタルツールを活用した「ペーパーレス化」の推進
  • 【案3】繰り返し作業の「自動化」
  • 【案4】アナログな勤怠管理からの脱却
  • 【案5】「定例ミーティングの廃止・見直し」と情報共有の仕組み化

【案1】資料作成や会議準備の「型化」による時間短縮

日常的に行われる資料作成や会議の準備には、実は多くのムダな時間が潜んでいます。

資料作成や会議の準備の作業は「型(テンプレート)」を決めることで、作成や準備にかかる時間を劇的に短縮できるからです。

例えば、提案資料や社内レポートについて、必須項目、デザインルール、使用するフォントなどをテンプレートとして統一してください。

会議の準備であれば、議題、配布資料の格納場所、参加者への事前依頼事項などを統一したチェックリストとして定めます。

結果、資料を一から作り直すムダな作業時間が削減され、参加者はどこに何があるかを探すムダがなくなり、本題に集中しやすくなります。

「型化」は、属人性を排除し、誰でも同じ品質の成果物を短時間で作成できるようにする最も簡単な改善策です。

【案2】デジタルツールを活用した「ペーパーレス化」の推進

紙の資料の管理は、保管コスト、検索時間、紛失リスクという多くのムダを生み出します。

クラウドストレージや電子契約ツールを導入し、ペーパーレス化を推進することが、すぐに効果が出る改善案の一つです。

例えば、社内の稟議書や申請書をすべてデジタル化し、特定のフォルダで一元管理してください。

その結果、書類を探す時間が大幅に削減され、リモートワークなどの柔軟な働き方も可能になります。

特に、電子契約の導入は、印紙代の削減という明確なコストメリットを生み出します。「紙でなければならない理由」を一つずつ問い直し、デジタルツールで代替できるかを検討することで、すぐに実施できる改善領域が見つかるでしょう。

【案3】繰り返し作業の「自動化」

毎日のように発生するデータ転記や集計、メール送信といった繰り返し作業は、社員の時間を最も奪うムダの温床です。

顧客リストを手動で転記する作業のようなルーチンワークは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やマクロを活用して自動化すべきです。

自動化により、ヒューマンエラーのリスクをゼロにし、社員を単純作業から解放するのです。

まずは、週に3時間以上かけて行っている定型作業を洗い出し、RPAやマクロで代行できないかを検討してください。小さな自動化から始めることが、大きな生産性向上に繋がります。

さらにRPAのできること・できないことについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

また、弊社では、お客様のご予算に応じた最適なRPAツールをご提案・導入支援しております、まずはお気軽にご相談ください。

【案4】アナログな勤怠管理からの脱却

タイムカードやエクセルでの手入力による勤怠管理は、集計や確認作業に多くの時間を要し、管理部門に大きなムリを強いています。

クラウド型の勤怠管理システムを導入することが、管理部門の業務負荷を軽減する即効性の高い解決策です。

システムを導入することで、従業員が打刻したデータがリアルタイムで集計され、残業時間や有給休暇の管理が自動で行われます。

さらに、給与計算のために何時間もかけて行っていた手動での集計やエラーチェックといったムダな作業がゼロになります。

また、従業員自身もPCやスマートフォンから打刻や申請ができるため、申請用紙のやり取りも不要になるのです。

【案5】「定例ミーティングの廃止・見直し」と情報共有の仕組み化

何の成果も生まない「形骸化した定例ミーティング」は、社員の時間という貴重なリソースを浪費する最大のムダです。

情報共有が目的となっている定例ミーティングは廃止し、チャットツールや共有ドキュメントを活用した仕組み化を進めると効率的になるでしょう。

例えば、進捗報告は会議ではなく、日報システムやグループウェアに投稿してもらい、参加者は自分のタイミングで確認できるようにするなどです。

会議は、意思決定やブレインストーミングなど、人に集まってもらう付加価値があるテーマに限定して開催するようにルール化しましょう。

社員は会議のための移動や準備の時間を削減でき、本来の業務時間を確保できます。

改善効果を持続させるための運用と定着化

業務改善は、アイデアを実行して終わりではありません。実行した改善策を組織の文化として定着させ、継続的に改善サイクルを回すことこそが、真の目的です。

改善の成果を数値で測り、次のアクションに繋げるプロセスが不可欠です。

特に中小企業においては、現場への負荷を最小限に留める運用設計が、スムーズな定着を実現するための決定打となります。

改善効果の測定とフィードバック

経済産業省によれば、改善効果を持続させるためには、「何が変わったのか」を客観的な数値で測定し、その結果を現場にフィードバックすることが重要です。

業務改善の前後で必ずKPI(重要業績評価指標)を測定し、投資対効果(ROI)を明確にしてください。

例えば、「資料作成時間の削減」という改善であれば、「資料作成にかかる平均時間」をKPIとして設定し、削減率を測定します。

測定結果を現場にフィードバックすることで、「自分たちの取り組みが成果に繋がった」という実感を生み出し、モチベーションも維持できます。

また、目標未達の場合は、その結果を基に「なぜ失敗したのか」を分析し、次の改善策を立てる、PDCAサイクルを回す仕組みを構築しましょう。

現場の負担を増やさないための運用ルールの設計

新しい改善策を導入する際は、「今までのやり方よりも明らかに楽になる」という実感を現場が持てることが成功のポイントであるものの、導入初期に一時的な負担が増えるのは避けられません。その負荷を最小限に抑えるための運用設計が不可欠となります。

例えば、新しいデジタルツールを導入する際、旧システムとの並行運用期間を設けたり、操作手順を極限まで簡素化したりする工夫をしてください。

新しいルールの運用が定着するまでは、現場のキーパーソンを推進役として任命し、現場目線での質問対応やサポートを徹底します。

「便利さ」が「手間の煩雑さ」を上回る設計こそが、定着化の鍵となります。

小さな成功体験を共有し、次の改善につなげる文化作り

業務改善を全社的な文化として定着させるためには、「小さな成功体験」を全社で共有することが非常に重要です。

成功体験の共有は、「自分たちにもできる」という肯定的な雰囲気を作り出し、次の改善への意欲を高めるからです。

例えば、ある部署でRPAを導入して残業時間を削減できた事例があれば、その成果を具体的な数値とともに社内報や社内ミーティングで発表してください。

また、成功事例だけでなく、アイデアを出した社員を正当に評価し、表彰する仕組みを設けることも有効です。

改善活動が「やらされるもの」から「自発的に行うもの」へと変わり、全社員を巻き込んだ継続的な改善サイクルが実現できます。

さらなる業務効率化に向けたDX・RPA導入の検討ステップ

上記のような小さな改善を積み重ねた後、より抜本的な業務効率化やビジネス変革を目指すには、DXやRPAといったデジタル技術の本格導入を検討する必要があります。

小さな改善で自社の真の課題と最適な業務フローが見えた段階こそが、デジタル投資に踏み切るベストなタイミングだからです。

まずは、「人が判断を必要としない繰り返し作業」をRPAで自動化できないかを検討し、次に「既存システムでは対応できない自社独自の強み」をシステム開発で実現できないかを検討してください。

この段階で、IT戦略の立案から開発まで戦略的に伴走してくれる外部パートナーの活用も視野に入れるべきです。

よくある質問(FAQ)|業務改善のアイデアが思いつかない方々の声に回答

Q1. 定性的な効果(社員のモチベーション向上など)は、どう測定すれば良いですか?

A1. 定性的な効果を、できるだけ「定量化(数値化)」する工夫が重要です。

改善前と改善後にアンケートやヒアリングを実施し、数値を比較することが最も有効な方法です。

例えば、「業務のしやすさ」を5段階評価で測定したり、「業務に対する満足度」を点数で評価したりします。

また、間接的な数値として、「離職率」「有給休暇取得率」などの変化を測定することも有効です。

社員の満足度が上がれば離職率が下がり、結果的に「採用・教育コストの削減」という具体的な利益として費用対効果(ROI)の計算に組み込めるようになります。

Q2. 業務フローを「タスクレベル」で細分化する具体的なやり方を教えてください。

A2. 特定の業務を起点から終点まで、「誰が、いつ、どのシステムで、何をするか」を細かく書き出すことが重要です。

業務を細分化する際は、まず「請求書発行業務」などの大きな業務を一つ選び、その作業を5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)に沿って分解します。

特に重要なのは、画面操作やマウス操作を含む「行動」をすべて書き出すことです。

例えば、「請求書を作成する」ではなく「エクセルを開き、A1セルに日付を入力し、別システムから顧客名と金額をコピーして貼り付ける」といった極めて具体的な操作まで落とし込みます。

結果、どの操作がムダなのか、どの操作がRPAで自動化できるのかが明確に見えてきます。

Q3. ECRSの「なくす(Eliminate)」に着手したいのですが、どう判断すれば良いですか?

A3. 「その業務が存在する法的根拠や、お客様への付加価値」を問い直し、「過去の慣習」による惰性ではないかを検証すべきです。

なぜなら、「なくす」判断に迷うのは、「万が一の際の責任」を恐れるからです。

しかし、業務のムダを排除するためには、「法律で義務付けられているか」「お客様が対価を払う価値があるか」「過去5年間で一度でも使われたか」という三つの問いに「No」と答えられる業務から思い切って廃止すると良いでしょう。

特に、「念のため」や「以前からそうだから」といった理由で継続している作業は、ムダの可能性が高いと考えられます。

経営判断として「なくすリスク」よりも「続けるムダ」の方が大きいであると明確にすることが大切です。

Q4. 勤怠管理システムを導入する際、打刻方法(PC、スマホ、タイムカード)はどれを選ぶべきですか?

A4. 従業員の働き方や現場の環境に合わせ、複数方法を併用し、従業員が最も使いやすい方法を選ぶべきです。

最も優先すべきは、打刻漏れがなく、正確な勤怠記録が残せることです

外出が多い営業担当者にはスマートフォンによるGPS打刻、オフィス勤務が主体の社員にはPCでのログイン時打刻など、業務形態に合わせて最適な方法を選定してください。

紙のタイムカードと違い、システムはリアルタイムでデータが共有されるため、集計作業の効率化という最大のメリットが得られます。

複数の打刻方法に対応しているシステムを選び、現場の手間を減らすことが定着化の鍵となります。

Q5. 繰り返し作業の自動化(RPA)は、どの程度の工数削減が見込めたら導入を検討すべきですか?

A5. 導入・運用コストを考慮し、最低でも年間で数百時間の工数削減が見込める業務から着手すべきです。

RPAツールにはライセンス費用やメンテナンス費用といった継続的なコストが発生するため、削減効果がコストを上回る必要があります。

目安として、社員が毎週数時間(月間で数十時間)以上かけて行っている定型作業であれば、投資対効果(ROI)が見込める可能性が高まります。

「工数削減による人件費の削減額」と「RPAの導入・運用コスト」を比較し、3ヶ月から6ヶ月で初期投資を回収できる見込みがあるかを基準に判断してください。

Q6. 改善のアイデアを実行しても、現場が新しいルールに抵抗する場合、どう対応すべきですか?

A6. 現場の「不安」と「手間」を解消するために、徹底したトレーニングと、小さな成功事例の共有を繰り返すべきです。

現場が抵抗するのは、「新しいやり方を覚える手間」や「失敗した時の責任」への不安からです。

まずは、新しいルールが「誰のために、なぜ必要なのか」という目的を丁寧に説明し、現場の意見を聞き入れる場を設けてください。

最も重要なのは、新ルールによって業務が「楽になる」と実感してもらうことです。

「この作業がたった5分で終わるようになった」といった小さな成功体験を具体的な数値とともに共有し、改善活動のメリットを組織全体に浸透させます。

Q7. 小さな改善を終えた後、次に目指すべきDXの具体的なステップは何ですか?

A7. 業務フローの「可視化」と「標準化」を完了させ、その上で「ビジネスモデルの変革」につながる投資の検討が考えられます。

小さな改善でムダを排除した業務フローは、次の本格的なDXの基盤となります。

この段階で、可視化された業務フローの中に残る「人の判断が必要なボトルネック」を特定してください。

次に目指すべきは、その判断をAIや専門システムが代行することです。

例えば、データ分析に基づいた新サービスの企画や、顧客接点のデジタル化といった、売上増加に繋がる「攻めのDX」へと投資の焦点を移すことが、次のステップとして考えられます。

Q8. 業務改善の担当者は、日常業務とどう兼任させるべきでしょうか?

A8. 改善活動を日常業務の一環として「時間」を確保し、評価制度に「改善への貢献度」を組み込むべきです。

改善活動を「片手間でやるべきこと」にすると、緊急度の高い日常業務に埋もれて必ず停滞してしまいます。

経営層のコミットメントとして、担当者に「週に数時間」といった改善活動のための明確な時間を割り当ててください。

結果として、担当者は後ろめたさを感じることなく活動に取り組めます。

さらに、業務改善への貢献度を人事評価に組み込むことで、社員の自発的な改善意欲を引き出し、改善活動を組織の文化として定着させられます

まとめ|業務改善のアイデアが思いつかない課題と解決案

本記事では、「業務改善のアイデアが思いつかない」という課題に対し、「ムダ・ムリ・ムラ」を見つけるための具体的な視点と、即効性の高い改善案5選を解説しました。

業務改善の鍵は、大規模な投資ではなく、「なくす」「変える」という視点からタスクレベルで業務を細分化し、小さな改善を積み重ねるアプローチにあります。

改善を実行することで、社員の負担が減り、コア業務に集中できる時間が生まれるでしょう。

業務改善のアイデアが思いつかない原因とヒント

  • アイデア発想の第一歩:業務の「ムダ・ムリ・ムラ」を見つける
  • 「なくす」「変える」に着目した改善視点の紹介
  • アイデアを「タスクレベル」まで細分化する重要性

簡単に実施できる!即効性の高い業務改善案5選

  • 【案1】資料作成や会議準備の「型化」による時間短縮
  • 【案2】デジタルツールを活用した「ペーパーレス化」の推進
  • 【案3】繰り返し作業の「自動化」
  • 【案4】アナログな勤怠管理からの脱却
  • 【案5】「定例ミーティングの廃止・見直し」と情報共有の仕組み化

さらに、改善を継続的に進め、さらなる競争優位性を確立するためには、外部の知見を持つプロフェッショナルなパートナーの活用が有効です。

ただし、社内に主体的な推進役がいない状態での「丸投げ」は、期待した成果が得られないばかりか、高額なコストを招く危険性をはらんでしまいます。

外部パートナーにすべてを委ねるのではなく、自社が主体となって要件を明確に伝え、「共同開発」の意識を持つことが、失敗を避けるための最重要ポイントとなります。

以上の知識を基に、貴社の業務の中から業務改善が最も活躍できる領域を見極め、効率的かつ戦略的な改善をぜひ始めてみてください。

DX

【徹底解説】RPAとは?できること・できないことのまとめ!

「RPA(Robotic Process Automation)を導入すれば、業務が劇的に楽になる」という期待が高まる一方で、「結局、何ができるのか」「自社の業務に本当に適用できるのか」といった疑問や不安を抱える経営者やIT担当者の方は多いのではないでしょうか。

RPAは、特にリソースが限られた中小企業にとって、人手不足の解消や生産性向上を実現する強力な手段となります。

しかし、効果を最大限に引き出すには、RPAのできることと、できないことを正しく理解することが不可欠です。

本記事では、RPAの基本概念から、具体的な適用可能業務、そして適用してはいけない業務の特徴を専門的な視点から徹底的に解説します。

記事を読むことで、RPA導入の合理的な判断を下し、明確な指針を得られるでしょう。

記事監修者

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柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

RPAとは?まず押さえておきたい基礎

RPAは、業務効率化や生産性向上を実現するためのデジタル技術の代表格です。

RPAがどのような技術であり、AIやマクロといった類似技術とどこが異なるのか、その基礎知識を分かりやすく解説します。

RPAの基本概念

RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略称であり、パソコン上で行われる定型的な事務作業を、ソフトウェアロボットが自動で代行する技術を指します。

RPAを導入する理由は、ヒューマンエラーの削減と作業時間の短縮による生産性の向上を目指すためです。

RPAは、人間がパソコンで行うマウス操作、キーボード入力、データ転記といった一連の手順を記憶し、正確に再現することを得意としています。

具体的には、人が行っていたルーチンワークをロボットに任せることで、24時間365日の連続稼働が可能となり、社員はより付加価値の高いコア業務に集中できるようになるのです。

RPAは、大規模なシステム開発を伴わず、比較的短期間かつ低コストで導入できるため、中小企業にも普及しています。

RPAとAI・マクロ・Botの違い

RPAと混同されやすい技術として、AI(人工知能)やマクロ、Botがあります。しかし、それぞれには明確な違いがあるのです。

技術特徴・得意分野自動化の範囲判断能力
RPA定型業務の自動化。ルールに従い高速・正確に実行する複数のアプリやシステムを横断できる基本的にない(ルール通りに動く)
AI非定型業務への対応。データから学習・予測するデータの分析や判断が必要な領域あり(自ら学習・判断する)
マクロ特定のアプリ内での操作の自動化単一のアプリ内(Excel内など)に限定ない
Botチャット対応など、特定のタスクの自動化特定の限定的なタスクない(設定された応答など)

RPAは「定型業務の自動化」に特化している点が他の技術と異なります。RPAは、決められたルールに基づいて動くため、自ら学習したり判断したりする能力は基本的にありません

一方、AIはデータから学習し、予測や判断を行う非定型業務に対応できる点が特徴です。また、マクロは特定のアプリケーション内での操作を自動化しますが、RPAは複数のアプリケーションやシステムを横断して操作できます。

そして、Botは主にチャット対応など特定のタスクを自動化しますが、RPAはより複雑で多岐にわたる業務プロセス全体を自動化できるのです。RPAの最大の強みは、「ルール化された手順を高速かつ正確に実行する能力」に集約されます。

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RPAでできること

RPAは「人間的な判断が不要で、繰り返しの多い作業」に最も適しています。以下がRPAでできることのまとめです。

  • 定型業務・ルールが決まっている作業
  • 繰り返しが多いルーチンワーク
  • 大量データの処理・転記・集計
  • メール配信・レポート作成などの定常タスク

RPAに向いている業務に適用することで、作業品質の向上と人件費の削減という二重の効果が期待できます。

定型業務・ルールが決まっている作業

RPAが最も得意とするのは、作業手順が標準化されており、イレギュラーな判断を伴わない定型業務です。

理由は、RPAが「人間が定義したルール」に厳密に従って動作するソフトウェアロボットだからです。

もし作業手順があいまいだったり、担当者によってやり方が異なったりする場合、RPA化は困難になります。

RPA化を検討する際は、まずその業務の手順書が明確に存在するか、あるいは手順を明確に定義できるかを確認してください。

例えば、毎朝決まった時間にシステムにログインし、特定のデータを抽出するような作業は、定型業務の典型例と言えます。手順を完璧にルール化することが、RPA導入成功の鍵となります。

繰り返しが多いルーチンワーク

頻繁に発生し、繰り返しの作業負荷が高いルーチンワークも、RPAの導入効果が非常に高く現れる業務です。

RPAは疲れを知らず、ヒューマンエラーなく同じ作業を何度でも実行できるからです。

もし社員が毎日数時間かけて行っている売上データを集計システムに転記する作業や、在庫状況のチェック作業があれば、その業務をRPAに代行させることができます。社員はその時間を顧客対応や企画業務といった、より創造的な仕事に充てられるようになります。

単純作業の繰り返しから社員を解放することで、組織全体の生産性向上につながります。

大量データの処理・転記・集計

総務省の『自治体におけるRPA導入のガイドブック』によれば、システム間で大量のデータを移動・加工する作業は、RPAの処理能力が最大限に活かされる領域とされています。

人間が手作業で行う場合、データ量が多ければ多いほど、入力ミスや転記漏れといったヒューマンエラーのリスクが格段に高まるのです。

しかし、RPAは事前に定義されたルールに従って処理を行うため、ミスなく正確に大量のデータを高速で処理できます。

例えば、複数のエクセルファイルからデータを集約して基幹システムへ登録する作業や、システムから抽出したデータを加工・集計する作業などにおいて、RPAは高い効果を発揮します。

RPAは正確性とスピードが求められるデータ処理において、人手による処理を大きく上回るパフォーマンスを発揮し、作業品質の保証と処理時間の短縮に大きく貢献します。

メール配信・レポート作成などの定常タスク

特定のタイミングで決まった相手に、同じ内容を送信・作成する定常的なタスクも、RPAによる自動化に適しています。

具体例としては、取引先や顧客への定期的なメールマガジンの一斉配信、毎大量データの処理、あるいは社内向けの週次レポートの決まったフォーマットへの転記などが挙げられます。

メール配信やレポート作成のようなタスクは、手作業で行うと担当者の業務負荷の偏りや作業忘れの原因となりますが、RPAに任せることで、業務の標準化と平準化が実現可能です。

担当者は、ロボットが生成したレポートの内容分析や、メールの開封率向上施策の検討など、より高度な業務に注力できるようになります。

RPAでできないこと

RPAは万能なツールではありません。RPAの導入効果を最大化するためには、RPAができないこと、つまり「人が行うべき業務」を明確に理解しておくことが重要です。

RPAができない業務に無理に導入を試みると、かえってシステムが不安定になり、運用コストが増大するリスクがあります。

  • 人の判断・創造性が必要な業務
  • 例外が多くルール化できない業務
  • 頻繁に仕様変更が発生する業務

人の判断・創造性が必要な業務

RPAは、決められたルールに従って作業を忠実に実行することは得意ですが、自ら判断し、新しい価値を創造できません

なぜなら、RPAはAIのような「学習能力」や「複雑な状況判断能力」を備えていないからです。

具体的には、顧客の状況や心理を読み取って行う高度なクレーム対応が挙げられます。また、市場トレンドの分析による新商品の企画・立案や、法的な解釈を伴う契約業務などもこれに該当します。

RPA導入の際は、「判断」を伴う工程は必ず人間のチェックや承認を挟む設計にしましょう。

例外が多くルール化できない業務

イレギュラーなケースや突発的な事象が多く発生し、その都度対応が変わる業務も、RPAには向いていません。

RPAは、ルールが明確に定義されているからこそ能力を発揮できます。そのため、例外処理が多い業務では、その都度設定を変更する手間が発生し、運用負荷が極端に高くなってしまいます。

例えば、取引先ごとに異なるフォーマットの帳票が送られてくる業務や、常に複数のパターンでシステムエラーが発生する可能性のある業務などが該当します。

もし、RPA化を検討する業務に例外が多い場合は、まず業務フローを標準化・簡素化し、例外発生の頻度を下げることが重要です。ルール化できるか否かが、RPA適用の是非を分ける大きな判断基準となります。

頻繁に仕様変更が発生する業務

RPAが操作するアプリケーションやシステムの仕様が頻繁に変わる業務は、RPAの安定稼働を妨げる原因となるため、不向きです。

RPAは、画面上の特定のボタンの位置や表示内容を記憶して動作します。そのため、操作対象のシステムで仕様変更があると、ロボットが意図した操作を行えず停止してしまいます。

例えば、Webサイトのレイアウトが頻繁に更新される情報収集業務や、提供元が頻繁にバージョンアップを行うクラウドサービスを操作する業務などが該当します。

ロボットが停止するたびに、設定を修正・メンテナンスする工数が発生し、自動化によるメリットを上回る手間がかかってしまうのです。

仕様変更が多い業務については、RPA化ではなく手作業を選択した方が結果的に効率的なケースもあります。

RPAでできる具体的な業務

実際に中小企業の様々な部署でRPAがどのような活躍をしているのかを具体的な事例で解説します。

バックオフィス全般(データ入力・帳票作成・照合作業)

バックオフィス業務は、定型的で大量のデータ処理が集中する部門であるため、RPAの最大の活躍の場となります。

具体的な例を挙げると、紙で届いた請求書の内容をOCR(光学的文字認識技術)と連携させ、データ化して会計システムに自動入力する作業が可能です。

また、複数のデータベース間での顧客情報の定期的な照合作業や、社内フォーマットへの帳票作成もRPAが行えます。

結果、データ入力ミスのリスクを大幅に低減し、月末月初に集中しがちな業務負荷を軽減することが可能です。

社員は、本来のコア業務である経営分析のサポートなどに時間を使えるようになります。

人事・総務(勤怠集計、従業員データ更新)

人事・総務部門においても、RPAは勤怠管理や従業員情報の更新といった、煩雑なルーチンワークの自動化に有効です。

人事・総務の業務は、法令遵守が求められる一方で、入力・集計作業が多いという特徴があります。

RPAの具体的な適用例としては、各部署から送られてくる勤怠データを集計システムに自動で取り込み、残業時間の上限チェックを自動で行う作業があります。

また、新入社員の入社時や従業員の異動・昇進時に発生する各種システムへのデータ更新(メールアドレスや役職名の変更など)もRPAが正確に実行できるのです。

個人情報を取り扱う業務をRPAが代行することで、入力ミスや情報漏洩のリスクを抑えつつ、総務担当者の管理業務を大幅に効率化できます。

経理・財務(請求書発行、売上集計、入金確認)

経理・財務部門は、期日が厳格に決まっているため、RPA導入によるミスの防止と納期遵守のメリットが特に大きい部門です。

具体的には、毎月の請求書データをシステムから抽出・整形してPDF送付する作業や、各拠点から届く売上データを自動集計して日報を作成する作業などが自動化できます。

銀行の入金データと売上データを照合し、未入金の取引先を自動で抽出する作業もRPAが得意とする業務の一つです。手作業では業務負荷の大きい月末月初の繁忙期でも、RPAなら24時間稼働で迅速に処理できます。

毎月の定型業務を迅速かつ正確に処理することで、経理担当者が資金繰りの分析や経営層への報告資料作成といった、より専門的な業務に集中できる環境を整えられるでしょう。

営業・マーケティング(リスト作成、競合調査、メール配信)

営業・マーケティング部門では、情報収集やデータ管理といった定型作業はRPA化の対象となります。

RPAはあらかじめ定義したルールに基づき、Webサイトからの見込み客リストの自動収集や、競合他社の価格やサービス内容の定期的なWeb巡回調査を自動化できます。

また、CRM(顧客関係管理)システムに登録された顧客の属性に基づき、キャンペーン案内やフォローメールなどの定型文を自動で一斉送信する作業も可能です。

手間のかかる業務をRPAで自動化することで、営業担当者は商談や顧客フォローといった本来注力すべき活動に時間を割けるようになります。

情報収集や配信といった煩雑な作業時間を削減し、営業活動の質の向上を図れることが、RPA導入の大きなメリットとなります。

受発注・在庫管理(発注処理、在庫照会、納品書作成)

商品の受発注や在庫管理業務は、企業のサプライチェーンの根幹に関わるため、RPAによるスピードと正確性の確保が重要です。

受注業務においては、取引先からメールやFAXで送られてきた注文情報を読み取り、基幹システムへの登録から納品書の自動作成・発行までを一気通貫で行うことが可能です。

RPAが受発注を自動化することで、人手による入力ミスや納期遅延のリスクを大幅に低減します。一方、発注業務においても、在庫が一定数を下回った際に自動で発注処理を行うアラートや、顧客からの在庫照会に対して最新情報を自動で返す作業も実現可能です。

特に、在庫管理においては、RPAがリアルタイムに近いデータを処理でき、欠品による機会損失を防ぎ、過剰在庫によるコスト増を抑制することに役立ちます

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どこまでRPA化すべきか

RPAを導入する際、「どこまで自動化すれば最も効果的か」という線引きは、中小企業にとって最も重要な経営判断の一つです。

RPA化の範囲を決定する上で考慮すべき、4つの重要な評価基準を解説します。

  • 投資対効果(ROI)が見込めるか
  • 例外対応の割合はどれくらいか
  • 属人性が高すぎないか
  • 業務フローが整理されているか

基準に基づいて現状を評価することで、無駄な投資を避け、持続可能なRPA運用体制を構築できます。

投資対効果(ROI)が見込めるか

RPA化の範囲を決定する上で、投資対効果(ROI:Return On Investment)の明確な試算は不可欠です。

RPAを導入・運用するためのコスト(ライセンス料、設定・メンテナンス費用など)が、削減できる人件費やエラーコストといった利益を上回るかどうかを計算すべきです。

例えば、月間10時間の作業を削減できても、そのロボットの月額費用が人件費を上回る場合は、ROIが見込めません。

ただし、判断基準は「コスト」だけではありません。ミスがなくなることによる「品質向上」や「社会的信用の獲得」、さらには社員がより生産性の高い業務に注力できるといった定性的な効果も、重要なROIの一部です。

定量面と定性面を総合的に判断し、ROIがプラスになる見込みのある業務に絞ってRPA化を進めることが、経営判断として最も合理的です。

例外対応の割合はどれくらいか

RPA化を検討している業務において、例外処理が発生する頻度を評価することは非常に重要となります。

例外対応の割合が高い業務は、RPA化の投資対効果が下がるため、自動化の範囲から除外すべきです。目安として、業務の8割以上がルール通りに処理できる場合、残りの例外を人が対応する設計(ハイブリッド運用)は有効です。

一方、例外が全体の3割、4割にも及ぶ場合は、例外処理のロジックが複雑になり、ロボットの開発・メンテナンス費用が大幅に増加するリスクがあります。

事前に業務フローを分析し、例外処理を極力減らすための業務改善を行った上で、RPA化の是非を再検討することが、効率的な進め方となります。

属人性が高すぎないか

担当者しか手順を理解していない「属人性の高い業務」は、そのままRPA化してはいけません。

手順が曖昧なままではロボットに正確な指示が出せず、担当者の異動や退職時にブラックボックス化し、運用が停止するリスクがあるからです。

RPA化を進める際は、まず業務手順を詳細なドキュメントとして記録し、複数の担当者でも同じ手順で実行できる状態にしてください。

標準化のプロセスこそが、DX推進におけるナレッジの共有という点で非常に大きな価値を生み出します。属人性が高いままRPAを導入しても、「人に代わる不安定なロボット」を導入するだけになってしまいます。

業務フローが整理されているか

RPAを適用する前に「業務フロー自体が最適化されているか」を評価することは必須条件です。

非効率な業務フローのままRPAを導入しても、「非効率な作業を高速で実行するロボット」ができるだけであり、真の効率化には繋がらないからです。

RPA導入の検討と同時に、現行の業務フロー(As-Is)を可視化し、ムダな工程や重複している作業がないかを徹底的に洗い出してください。

そして、最も理想的な業務フロー(To-Be)を設計し、その新しいフローにRPAを適用するべきです。

RPAは業務改善のツールであり、業務改革(BPR:ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の視点を持って取り組むことが、導入効果を最大化する合理的な手順となります。

よくある質問(FAQ)|RPAでできること・できないことまとめ

Q1. RPAを導入すると決めた後、最初に具体的に何を準備し、誰に相談すれば良いでしょうか?

A1. まずは「RPA推進の担当者」を決め、全社的な視点で「自動化したい業務リスト」を作成することから始めましょう。

  • 担当者の決定: IT部門か業務部門かを問わず、RPA導入に熱意のある社員を担当者に任命し、RPAで「何ができるか」「何を目指すか」を社内に説明し、理解を得ることが重要です。
  • 自動化対象業務の選定: 現場の社員から「面倒な作業」「ミスが多い作業」をヒアリングし、自動化対象のリストを作ります。
  • ツールのトライアル: リストアップした業務を元に、いくつかのRPAツールの情報を収集し、自動化対象業務に適切なRPAツールに決定します。

または、RPA導入支援サービスへ相談することです。弊社では、お客様のご予算に応じた最適なRPAツールをご提案・導入支援しております、まずはお気軽にご相談ください。

Q2. 多くのRPAツールがある中で、自社に最適なツールはどう選べばいいですか?

A2. 自社の「利用目的」と「ITリテラシー」に合わせ、「機能」「価格」「サポート体制」のバランスを見て選定すべきです。

RPAツールには、大規模な業務に耐える高機能なものから、個人のPCで簡単に使える安価なものまで様々あります。

特に中小企業においては、IT担当者だけでなく、業務部門の社員自身が簡単なロボットを作成・修正できる使いやすさが重要です。

また、導入後に技術的な質問やトラブルが発生した際に、日本語でのサポートが充実しているかも重要な判断基準となります。自社の業務に適合する機能と継続利用できる費用体系を総合的に評価することが大切です。

まずは無料版やトライアル版を使って、社内担当者が直感的に操作できるかを確認してください。

Q3. ロボットの管理・運用はIT部門と業務部門のどちらが担うべきですか?

A3. ロボットの「作成・日常管理」は業務部門が、「基盤の整備・技術サポート」はIT部門が担う「協働体制」が理想です。

業務フローを熟知している現場(業務部門)が主導してロボットを作成・修正することで、実態に即した的確な自動化が可能になります。

一方、IT部門は、セキュリティ管理、RPAツールのライセンス管理、サーバーといった技術基盤の整備、そして複雑なエラー発生時の技術サポートに徹することが合理的です。

両部門が協力し合う体制(CoE:Center of Excellence)を構築することが、RPAを全社的に拡大させるための必須条件となります。

Q4. ライセンス費用以外に継続的にかかる費用はありますか?

A4. ライセンス費用以外に主に「保守・運用人件費」「インフラ費用」「教育コスト」が発生します。

特に見落としがちなのが、ロボットの保守・運用にかかる人件費です。操作対象のシステムが更新されたり、業務手順が変わったりするたびに、ロボットの修正作業(メンテナンス)が必要になります。

また、ロボットを安定稼働させるためのサーバー代や、新しいロボットを作成するための社員の継続的な学習コストも、ROI計算に含めるべきです。

運用フェーズのトータルコストを見積もることが、正しい投資判断に繋がります。

Q5. 請求書などフォーマットが少し異なる書類は、RPA単体で自動化できますか?

A5. RPA単体では困難ですが、「OCR(光学的文字認識)技術」やAIと組み合わせることで対応の幅が大きく広がります。

RPAはルールベースで動くため、フォーマットが少しでも異なると正確なデータ抽出ができません。

取引先ごとに異なる請求書などの非定型書類を自動化するには、手書きや印字のゆらぎを認識し、データをテキスト化するOCR技術や、AIによるデータ抽出をRPAの前段に組み込むことが必要です。

RPAは、OCRやAIが抽出した「標準化されたテキストデータ」を、他のシステムに転記する最終的な作業実行役として機能します。

高度な自動化を目指す場合は、周辺技術との連携が不可欠です。

Q6. RPAロボットは人のアカウント情報を使ってシステムを操作しますが、セキュリティ上のリスクはどのように管理すべきですか?

A6. ロボットが利用するID/パスワードは、「ロボット専用アカウント」として分離し、厳格なアクセス権限とログ管理によってセキュリティリスクを最小化する必要があります。

RPAロボットに担当者の個人アカウントを使わせることは、権限の逸脱や責任の所在の不明確化につながり、大きなセキュリティリスクとなります。

  • 専用アカウントの作成: ロボット専用のIDを発行し、必要なシステム以外へのアクセス権限は付与しないように設定するのです。
  • パスワード管理: パスワードはRPAツール内の機能などで暗号化して管理し、担当者が直接知ることができないように徹底します。
  • 操作ログの監視: ロボットによる操作はすべてログとして記録し、「どのロボットが」「いつ」「何を」実行したかを追跡できる体制をIT部門を中心に構築することが必須です。

RPA導入は、効率化だけでなく、セキュリティに関する共通ルール(ガバナンス)の構築もセットで考える必要があります。

Q7. 業務手順書はどの程度の粒度で作成すればRPA化が可能になりますか?

A7. 「誰が」「いつ」「何を」「どこで」「どうする」の五つの要素が、画面上の操作レベルで正確に記録されている粒度が必要です。

手順書は、初めてその業務を行う人が手順書を見ただけで完全に再現できるレベルが必要です。

具体的には、「どのシステムにログインし」「どのボタンを押し」「どのフィールドに何を入力し」「何秒待つか」といった、画面上の操作をすべてキャプチャ画像付きで記録する粒度が求められます。

RPAは、人間のように文脈を読んで推測する能力を持たないため、業務手順は極めて詳細かつ明確でなければなりません。

詳細なドキュメント作成自体が、業務フローのムダを見つけるための優れた分析プロセスにもなります。

Q8. 一部の業務で成功した後、全社にRPAを拡大する際の注意点は何ですか?

A8. 全社的な「共通ルール」と「中央管理体制」を構築し、ロボットの「野良化」を防ぐことが最重要です。

部門単位の成功をそのまま広げると、管理者のいないロボット(野良ロボット)が増殖し、トラブルの原因になります。

全社展開する際には、まず「RPAの利用ルール」「セキュリティ基準」「ロボットの命名規則」といった共通ガバナンスを策定してください。

また、部門ごとのロボットを一元管理するための「中央管理サーバー」の導入も検討すべきです。「中央管理サーバー」を導入することで、ロボットの動作状況やエラー発生を一箇所で監視できるようになり、属人化を防ぎつつ、安定した運用が可能となります。

まとめ|RPAのできること・できないことのまとめ

本記事では、RPAの基本概念から、RPAでできること・できないこと、そしてRPA化の範囲を決定するための4つの判断基準を詳しく解説しました。

改めて、重要なポイントを振り返ります。

RPAでできること

  • 定型業務・ルールが決まっている作業 
  • 繰り返しが多いルーチンワーク 
  • 大量データの処理・転記・集計 
  • メール配信・レポート作成などの定常タスク 

RPAでできないこと

  • 人の判断・創造性が必要な業務
  • 例外が多くルール化できない業務
  • 頻繁に仕様変更が発生する業務

RPAでできる具体的な業務

  • バックオフィス全般(データ入力・帳票作成・照合作業)
  • 人事・総務(勤怠集計、従業員データ更新)
  • 経理・財務(請求書発行、売上集計、入金確認)
  • 営業・マーケティング(リスト作成、競合調査、メール配信)
  • 受発注・在庫管理(発注処理、在庫照会、納品書作成)

RPAは、特に中小企業のバックオフィス業務における人手不足の解消と生産性の向上に極めて有効なツールです。

成功の鍵は、RPAを「万能な解決策」と捉えるのではなく、「定型業務の自動化に特化したツール」として正しく位置づけ、ROIが見込める業務に限定して適用することにあります。

また、導入前に業務フローの整理や標準化といった「人の手による準備」を徹底することも、失敗を避ける上で不可欠となります。

以上の知識を基に、貴社の業務の中からRPAが最も活躍できる領域を見極め、効率的かつ戦略的なRPA導入をぜひ始めてみてください。

「どの業務から手をつけるべきか迷っている」「自社に最適なツールがわからない」といったお悩みがあれば、ぜひ一度弊社へご相談ください。貴社の業務フローの整理からROIの算出まで、専門のコンサルタントが導入成功に向けてトータルでサポートいたします。

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DX

DX推進は何から始めるべき?成功する進め方の手順を分かりやすく解説

「DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めなければ」と頭ではわかっていても、「何から手を付けていいのか」と不安を感じている経営者・担当者の方は多いのではないでしょうか。

IPAの「DX推進指標」によれば、DXは単なるITツールの導入ではなく、ビジネスモデルや組織文化を根本から変革することを意味します。しかし、社内に専門人材が不足する中で、DX推進への第一歩を踏み出す道筋が見えないことが、多くの中小企業の共通課題です。

本記事では、DX推進への悩みを抱える中小企業の皆様のために、DXを成功させるための具体的な7つのステップと、変革を阻む「見えない壁」を乗り越える方法を徹底的に解説します。

記事の最後まで読めば、貴社が自信を持ってDXの実現に向けた合理的な計画を立て、最初の一歩を踏み出せるでしょう。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

  なぜDX導入を早めに進めるべきか

DX導入を早めるべき、主に2つの理由を解説します。

DXが企業にもたらす競争優位

結論から言うと、DXは現代のビジネスにおいて、生き残りと成長のために不可欠な取り組みです。デジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルそのものを変革することが、DXの核となります。

企業は市場の変化に迅速に対応できる柔軟性と、競合他社には真似できない独自の価値を生み出す力を得ることができます

例えば、顧客データを活用して一人ひとりに最適化されたサービスを提供することで、顧客満足度とロイヤリティを飛躍的に向上できます。

また、属人化していた業務をシステム化することで、担当者が変わっても高品質なサービスを維持できるようになり、企業全体の生産性と持続性が高まります。

DX化の遅れがもたらす競争力の低下

一方、デジタル化の遅れは、企業に深刻なリスクをもたらします。最も大きなリスクは、競争力の低下です。

競合他社がデジタル技術で業務効率化を進める中で、自社が旧態依然としたやり方に固執していては、コストやスピードの面で圧倒的に不利になってしまいます。

さらに、古いシステムはセキュリティリスクが高く、情報漏洩やサイバー攻撃の被害に遭う危険性も無視できません。早めのDX着手は、リスクから企業を守る防御策でもあるのです。

成功するDX推進の進め方

DXを成功させるためのロードマップは、闇雲にツールを導入することではありません。

成功するには以下の具体的な7つのステップがあります。

  1. 経営層を巻き込む
  2. 目的の明確化
  3. チーム体制の整備
  4. 現状分析
  5. 技術選定と優先順位の決定
  6. パイロット導入
  7. 効果測定と改善

それぞれのステップを解説します。

経営層を巻き込む

DXは単なるIT部門の改善ではなく、経営戦略そのものです経営層がDXの意義を理解し、実現に強くコミットすることが成功の絶対条件となります。

経営層が「なぜDXをやるのか」「DXで会社をどう変えたいのか」というビジョンを明確に示し、全社的な意識改革を主導しなければなりません。

IPAのDX導入手順によれば、オーナーや共同創業者の方がIT担当者や現場の従業員に対して、この取り組みが短期的なコストではなく、長期的な成長投資であると繰り返し伝え、理解を得ることが不可欠です。

目的の明確化

開発を外部に依頼する前に、「何のためにシステムが必要なのか」を徹底的に言語化することが重要です。

目的が曖昧だと、開発途中で方向性がブレて、完成しても現場で使われないシステムになってしまうリスクがあります。

具体的には、「売上を10%アップさせる」「問い合わせ対応時間を20%削減する」「製品不良率を5%以下に抑える」といった、具体的な数値目標や達成後の状態を定義してください。目的が、後述するプロバイダー選定や、開発中の意思決定の基準となるのです。

チーム体制の整備

外部に導入支援や開発を依頼するとしても、社内にも必ずプロジェクトの当事者となる担当者を明確に決める必要があります。

担当者は、外部のパートナーとの窓口となり、社内の要望や疑問を正確に伝える役割を果たします。

ITの専門知識よりも、自社の業務プロセスを深く理解し、決定権を持つ人物であることが重要です。担当者を決めることで、外部への「丸投げ」によるリスクを減らし、プロジェクトの進捗を見える化しやすくなります。

DX導入の一環として「システム開発」を外部委託される際の、メリット、リスク、失敗を避けるための対策について、詳しくお知りになりたい方は、ぜひこちらの記事もご参照ください。

関連記事: システム開発を外注に丸投げするのは危険?リスクと対策を徹底解説 – ビュルガーコンサルティング株式会社

現状分析

目的が明確になったら、現状の業務プロセスにおける「ボトルネック(最も非効率な部分)」や「IT化すべき優先度の高い課題」を特定します。

具体的には、紙ベースで行われている業務、複数のシステム間で手動入力が発生している業務、ベテラン社員にしかできない属人化している業務などを洗い出してください。

この現状分析を外部の開発パートナーと一緒に行うことで、自分たちだけでは気づけない客観的な視点で、本当に必要な機能を見極められます。

技術選定と優先順位の決定

現状の業務プロセスにおける課題と、それを解決することで得られる「実現したいビジネス成果」が明確になったら、次はデジタル技術や変革手法を検討します。

現段階で、導入する技術要素や変革テーマの優先順位付けを行うことが不可欠です。限られた予算とリソースの中で、「変革の目的達成に不可欠な要素(Must)」と「あればさらに良い要素(Want)」を区別しなければなりません。

技術選定においては、SaaSやAI、IoT、あるいはカスタム開発といった多様な選択肢の中から、最も費用対効果が高く、目的を達成できるものを選びます。

優先順位付けと技術の選定は、後のパイロット導入や全社展開の成否を左右する重要な判断基準となります。

パイロット導入

DXの取り組みは、いきなり全社的に大きな投資を行うと、失敗した際のリスクが非常に高くなります。

そこで、まずは特定の一部署や特定の業務範囲に限定してデジタル技術を導入し、変革のアイデアを試す「パイロット導入(スモールスタート)」を強く推奨します。スモールスタートにすると、多額の初期コストを避けつつ、小さな成功体験を積み重ねることが可能です。

小さく始めることで、変革に対する社内での抵抗感も減り、全社展開に向けた貴重な知見と推進力を得られます。現段階で、導入した技術が本当に業務に適合しているかを確認すべきです。

また、外部パートナーがいる場合に、そのパートナーとの連携がスムーズかを確認することも重要な目的となります。

効果測定と改善

デジタル技術や新しい業務プロセスをパイロット導入したら、当初設定した目的(数値目標)が達成されているかどうかを具体的に測定することが必須です

例えば、「顧客満足度が何パーセント向上したか」「データ分析にかかる時間が何時間削減されたか」といった具体的な指標で変革の効果を検証します。もし目標が達成できていなければ、導入した技術や変革の運用方法を見直す「振り返り」を行い、継続的に改善を進めます。

DXは一度変革したら終わりではなく、ビジネス環境の変化に合わせて常に進化させていくものという意識が重要です。サイクルを確立することが、持続的な競争力を生み出す鍵となります。

まずはここから!中小企業のDXにおすすめの「即効性ツール」5選

クラウドサービスとデータ活用

クラウドサービスは、サーバーなどの物理的な設備を持たずにシステムやサービスを利用できるため、中小企業にとって初期投資と運用コストを大幅に抑える上で不可欠な技術です。

この柔軟で拡張性の高い環境は、新しいサービスやツールを迅速に導入し試行することを可能にし、DXの取り組みを加速させる変革の基盤となります。

クラウド上で蓄積される顧客データ、販売データ、在庫データなどを一元的に管理し、分析ツール(BIツールなど)を使って活用することで、経験や勘に頼らず、経営の意思決定をデータに基づいて行うことが可能になります。

これは、単なる効率化を超え、ビジネスの成長戦略そのものをデータ駆動型に変革する、DXの核となるアプローチです。

AI・自動化(RPA)・業務効率化ツール

RPA(Robotic Process Automation)は、パソコン上で行う定型的な作業をソフトウェアのロボットが代行し、業務を自動化するツールです。

これにより、データ入力や集計、メール送信といった間接業務の負担を大幅に削減できます。また、AI技術を組み込むことで、より高度な判断や予測をシステムが行えるようになり、例えばカスタマーサポートの自動応答や需要予測の精度向上が期待できます。

これらのツールは、社員をルーティンワークから解放し、コア業務に集中させる上で大きな役割を果たします。

IoTやセンサーを活用した現場改善

製造業や物流、建設業など、現場を持つ業種において、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)は非常に強力なDXツールとなります。

現場の機器や設備にセンサーを取り付け、温度、稼働状況、振動などのリアルタイムデータを収集・分析することで、故障の予知保全や、作業効率の改善に役立てられます。

データに基づいた現場改善は、経験や勘に頼る属人化を解消し、品質の安定とコスト削減に直結します。

SaaS(サービスとしてのソフトウェア)

SaaS(サース)とは、クラウドを通じて提供されるソフトウェアサービスであり、自前でサーバーを用意したり、システムをインストールしたりすることなく、インターネット経由で必要な機能を利用できる仕組みです。

中小企業にとって、SaaSはDXの最初の一歩を踏み出す上で現実的かつ有効な選択肢となります。

その利点は、初期投資の劇的な削減と導入スピードの速さにあります。契約すればすぐに利用できるものが多いため、数日〜数週間で業務に組み込むことが可能です。

しかし、SaaSは多くの企業に向けた汎用的な仕様である反面、自社の特有の強みや業界の独自性に基づいた深い業務変革には対応しきれない可能性があります。

システム開発

システム開発は、SaaSのような既製ツールでは解決できない「自社独自の課題」を解決するための、最も戦略的かつ強力なDXのアプローチの一つです。

システム開発には、以下のような、ビジネス変革に直結する具体的な例が含まれます。

  • 既存システムの戦略的連携:
    • 例:既存の基幹システム(販売管理、会計など)と、新しい顧客管理システム(CRM)のデータをシームレスに連携させることで、部門間の情報の壁をなくし、顧客対応の質を飛躍的に向上させます。
  • 特定の業務フローに合わせたカスタマイズ:
    • 例:業界特有の複雑な見積もりプロセスや、特殊な製造工程に完全にフィットするカスタマイズ機能を実装し、現場の非効率な作業を根本から解消します。
  • 独自のノウハウをデジタル資産化:
    • 例:長年の経験で培ってきたベテラン社員のノウハウをロジックとして組み込んだ独自の生産管理システムや品質チェックシステムを構築します。これにより、競合他社には真似できない自社の強みをデジタルな競争優位性として確立することが可能になります。

このように、システム開発は、単にIT化を進めるだけでなく、ビジネスモデルそのものを強化し、他社との差別化を図るための重要な投資となります。

DX導入の課題・失敗する理由

企業は、DX推進中に様々な障壁に直面し、変革が途中で頓挫してしまうケースが少なくありません。

単に技術的な問題だけでなく、以下のように様々な失敗するきっかけがあります。

  • 人材不足
  • 目的の不明確さ
  • 既存の組織文化による抵抗
  • 技術導入のみで満足してしまう

ここでは、そういった失敗しやすい場面を紹介します。中小企業が特に陥りやすい落とし穴を事前に把握することで、成功確率を飛躍的に高められるでしょう。

社内IT部門やデジタル人材の不足

中小機構の『中小企業のDX推進に関する調査(2023年)』によると、多くの中小企業にとって、DXの推進を担う専門人材の不足は最大の壁となります。

自社内に高度なIT知識を持つ人材や、デジタル戦略を立案できる人材(デジタル人材)がいない場合、DXは企画段階から停滞してしまいます。

外部パートナーに依頼する場合でも、自社の課題や要望を正確に伝え、外部の提案を評価・判断するための社内IT部門や担当者の存在は不可欠です。専門人材がいないと、外部ベンダーの言いなりになってしまい、ベンダー依存に陥るリスクが高まります。

この問題を解決するためには、外部のプロの力を借りつつも、社内担当者が主体的にプロジェクトに関わり、ノウハウを蓄積する体制づくりが求められます。

不明確な目的や効果のままの進行

DXは「デジタル技術の導入」が目的ではなく、「ビジネスモデルや競争力の変革」という目的を達成するための手段です。

しかし、「流行っているから」「競合もやっているから」といった曖昧な理由でDXをスタートさせると、プロジェクトは必ず失敗します。

「何のためにDXをするのか」「どのような数値目標を達成したいのか」目的や数値目標が不明確だと、開発がブレて「使えない」結果になりかねません。

特に、費用対効果(ROI)が見えない状態では、経営層の関心が持続しにくくなり、途中で予算がストップしてしまう大きなリスクとなります。

既存業務文化や抵抗による停滞

新しいデジタルシステムを導入しても、それを実際に使う現場の従業員が「今までのやり方が楽だ」「なぜ変える必要があるのか」と抵抗感を持つことで、DXの取り組みが停滞してしまうケースが非常に多く見られます。

単にシステムの問題ではなく、既存の業務文化や企業風土の問題です。長年培ってきた業務フローや習慣を変えることへの心理的な抵抗感は、想像以上に大きな壁となります。

既存文化の壁を乗り越えるためには、経営層がDXのビジョンを明確に示し、「なぜ変わる必要があるのか」を繰り返し説明し、現場を巻き込むための丁寧なコミュニケーションと教育が不可欠です。

技術導入だけで満足してしまうケース

DXの失敗例として最も多いのが、RPAやクラウドサービス、AIといった特定の技術を導入した時点で満足してしまうケースです。

DXを「ITツール導入」と誤解していることに起因します。

ツールはあくまで道具であり、導入しただけでは業務変革や競争優位にはつながりません。重要なのは、そのツールを使って業務プロセスをどう見直し、データから何を読み解き、新しい顧客体験をどう創造するかという点です。

技術導入後に、継続的な効果測定と改善(効果測定と改善のステップ)を行わなければ、結局は高額なツールを導入しただけで終わってしまいます。

さらにDX推進における具体的な課題や、うまくいかない要因、そしてその解決策について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

関連記事: 中小企業のDXが進まない理由5選|失敗する会社の共通点と成功ステップ – ビュルガーコンサルティング株式会社

よくある質問(FAQ)|DX導入は何から始める?初めて導入する方々の声に回答

Q1. 小規模企業でもDXは可能ですか?

A1. 可能です。むしろ、小規模企業の方が意思決定が迅速で、DXの成功確率が高いと言えます

DXは企業の規模ではなく、変革への意思が最も重要となります。大企業のように巨大なシステムを導入する必要はありません。

まずは「スモールスタート」を徹底し、自社のコア業務や顧客体験に直結する最も非効率な一点に絞ってデジタル技術を適用してください。

例えば、営業活動における顧客情報の一元管理や、在庫管理の自動化など、小さい投資で大きな効果が見込める領域から始めましょう。

Q2. DX導入の初期投資はどのくらい必要ですか?

A2. 導入する技術やシステムの範囲によって大きく異なりますが、数10万円から数100万円以上の幅があります。

初期投資は、単に「コスト」と捉えるのではなく、「将来的な競争優位性を得るための戦略的投資」として考えることが大切です。多額の初期投資が難しい場合は、SaaSのような既存のクラウドサービスを利用することで、初期費用を抑えられます。

一方、貴社の独自の課題を解決するためのカスタムシステム開発には、要件にもよりますが数100万円単位の初期投資が必要になる場合があります。重要なのは、投資対効果(ROI)を必ず試算し、その根拠を明確にすることです。

Q3. 社員の抵抗や不安をどう乗り越えればよいですか?

A3. 経営層からの丁寧な「対話」と「巻き込み」によって、不安を「期待」に変えることが重要です。

社員が抵抗するのは、「自分の仕事が奪われる」という不安や、「新しいことを覚えるのが面倒」という心理的な壁があるからです。

壁を乗り越えるには、「なぜDXが必要なのか(企業の未来)」と、「DXが社員一人ひとりにどのようなメリットをもたらすのか(ルーティンワークからの解放、コア業務への集中)」を、経営層が繰り返し説明する必要があります。

また、システムの導入初期から、現場の「キーパーソン」をプロジェクトに巻き込み、彼らを「社内推進役」として育成することも有効な手段です。

Q4. 導入効果はどのくらいで現れますか?

A4. 効果の種類によって異なりますが、早いものでは導入後数カ月で実感できます。

ルーティンワークの自動化(RPAなど)や、データ入力の一元化(SaaSなど)といった業務効率化に関する効果は、比較的早期、導入後3ヶ月〜6ヶ月程度で数値として現れやすいです。

しかし、DXの本質である「ビジネスモデルの変革」や「企業文化の醸成」といった戦略的な効果は、半年から1年以上の継続的な取り組みを経て徐々に現れてきます。事前に測定可能なKPI(重要業績評価指標)を設定し、短期的な成果と長期的な成果の両方を追跡することが重要です。

Q5. どの業務から優先的にDXを進めるべきですか?

A5. 「顧客接点」と「業務のボトルネック」という二つの視点から、効果が最大化する領域を優先すべきです。

まず、顧客体験(CX)を向上させる領域(例:Webサイトでの顧客情報取得、オンラインでの問い合わせ対応)は、売上に直結するため優先度が高いです。

次に、社内業務の「ボトルネック」となっている領域(例:データ入力の手作業、複数部署をまたぐ紙ベースの承認フロー)は、改善によって全社的な効率が向上するため、こちらも優先すべきだと思われます。

この二つの視点を持ち、「効果が高く、着手しやすいスモールスタートの領域」を初期フェーズとして選定してください。

Q6. 外部のコンサルやベンダーは活用すべきですか?

A6. はい、社内にデジタル人材が不足している中小企業においては、戦略立案から開発まで伴走してくれる「戦略的パートナー」の活用は非常に有効であり、成功への近道です。

外部パートナーは、貴社にはない専門的な技術と客観的な視点を提供してくれます。導入支援や開発だけでなく、貴社のビジネス課題を深く理解し、戦略的な提案ができるパートナーを選ぶことが成功の鍵となるでしょう。

大手Slerにこだわらず、類似業種での実績があり、費用対効果の高い提案ができる「伴走型」の開発パートナーを探すことが、費用面・信頼面で最も合理的な選択となります。

Q7. DX導入後の運用・改善はどう進めればよいですか?

A7. DXは「作って終わり」ではなく、「運用しながら改善を続ける」という体制を確立することが極めて重要です。

導入後も、システムが最大限に活用されているか、当初の目的に対して効果が出ているかを定期的に効果測定してください。

現場からのフィードバックを収集する仕組みを作り、使い勝手の改善や機能の追加を継続的に行うことが成功の秘訣です。

外部パートナーがいる場合は、導入後の保守運用契約を結び、システムの安定稼働と、ビジネスの変化に合わせた継続的な改修をサポートしてもらう体制を構築しましょう。

Q8. セキュリティや個人情報のリスクはどう管理すればよいですか?

A8. セキュリティ対策は、DXの取り組み全体の「設計段階」から組み込むべき必須要件であり、単なるIT部門の責任ではありません。

デジタル技術を活用したデータの収集・利用は、DXの核となりますが、同時に情報漏洩やサイバー攻撃のリスクも増大させます。

セキュリティ関連のリスクを管理するためには、導入する新しいデジタルツールやプロセスが、個人情報保護法などの関連法規とセキュリティ基準を事前に徹底確認し、リスクを管理する必要があります。

また、最も重要なのは、社内体制の整備です。全従業員に対してセキュリティ教育を定期的に実施し、アクセス権限を厳格に管理することで、人為的なミスによるリスクを最小限に抑えられます。

外部のデジタルサービスやツールを活用する場合も、その提供元の情報セキュリティ管理体制(例:ISMS認証の取得状況)を確認し、信頼できる基盤の上でDXを推進することが不可欠です。

まとめ|DX導入は何から始める?

今回は、「DXは何から始めるか」という問いに対して、中小企業が取るべき具体的な7つのステップとを解説しました。

DXを成功させるための核は、「デジタル技術の導入」ではなく、「ビジネスの変革」という目的を達成するために、発注者側が主体性を持ってプロジェクトに関わり、戦略的パートナーシップを築くことです。

改めて、重要なポイントを振り返ります。

なぜDX導入を早めに進めるべきか

  • DXが企業にもたらす競争優位
  • デジタル化の遅れがもたらすリスク
  • 事例で見るDX成功企業の動き

成功するDX推進の進め方

  • 経営層を巻き込む
  • 目的の明確化
  • チーム体制の整備
  • 現状分析
  • 技術選定と優先順位の決定
  • パイロット導入で小さく試す
  • 効果測定と改善

【成功のための重要ポイント】

  • 目的を明確化し、DXを「なぜやるのか」というビジョンを経営層が示す。
  • パートナー選定は「ビジネスの核心に迫り、類似業種の実績を伴う戦略的伴走体制」を基準に行う。
  • 社内人材不足や文化的な抵抗といった本質的な壁を事前に理解し、主体的な関与とコミュニケーションで回避する。

これらのポイントを押さえることで、課題解決と競争優位の確立に向けたDXをスムーズに導入できるでしょう。

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DX

中小企業のDXが進まない理由5選|失敗する会社の共通点と成功ステップ

『DXが進まない…』と悩む中小企業の経営者は少なくありません。

変化の激しい市場環境では、DXの遅れはそのまま「競争力の喪失」につながります。

社内からも「頭では分かっているが、現場が動かない」「何から手をつければいいか分からず、後回しになっている」といった声が多く聞かれます。

中小企業のDX推進の鍵となるのが、中小企業基盤整備機構が2024年に発表した調査レポートで明らかになった「DXがうまく進まない中小企業に共通する課題」です。

この記事では、なぜDXが現場で止まってしまうのかを構造的に整理し、中小企業でも実行できる具体策を解説します。

DX推進が「進まない状態」から「少しずつでも前に進む状態」へと変わるための道筋をまとめました。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

日本の中小企業でDXが進まない5つの理由

独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が2024年12月に公表した「中小企業のDX推進に関する調査」によると、DXに取り組む上での課題として、人材不足や予算の問題が上位を占めていることが明らかになりました。

日本の中小企業でDXが進まない主な理由は、以下の5つです。

  • ITに関わる人材が足りない
  • DX推進に関わる人材が足りない
  • 予算の確保が難しい
  • 具体的な効果や成果が見えない
  • DXに取り組もうとする企業文化・風土がない

どれか一つだけが原因ではなく、5つが複合的に絡み合うことでDXの取り組みが前に進まなくなってしまいます。

ITに関わる人材が足りない

DXが進まない最大の要因は、システム導入や運用を現場レベルで担う「IT人材」の不足です。

中小機構の調査でも、DXに取り組むに当たっての課題として最も多くの企業が挙げたのが「ITに関わる人材が足りない(25.4%)」でした。

社内に専任の情報システム担当者がおらず、総務や経理の担当者が兼任しているケースも少なくありません。

社内に担当者がいないため新しいツールを導入しようとしても、セキュリティ設定やデータ移行といった技術的なハードルを越えられず、検討段階で頓挫してしまうのです。

また、知識がないまま外部のシステム会社(ベンダー)に丸投げしてしまい、自社の規模に合わない高額なシステムを契約してしまう失敗ケースも後を絶ちません。

「分からないから任せる」という姿勢が、結果としてDXを複雑化させているのです。

DX推進に関わる人材が足りない

技術的なスキルを持つIT人材に次いで深刻なのが、プロジェクト全体を牽引する「DX推進人材」の不足です。

中小機構の調査では、24.8%の企業が「DX推進に関わる人材が足りない」ことを課題として挙げており、IT人材不足とほぼ同水準の深刻さとなっています。

DX推進人材は単にツールに詳しいだけでなく、自社の業務フローを深く理解し、現場を説得して抵抗感を和らげるリーダーシップが必要です。

しかし、従来の日本企業では、変革を断行できるタイプの人材が育ちにくい傾向があります。

社長が号令をかけても、現場レベルでプロジェクトを回せる「翻訳者」が不在なため、DX推進の計画が頓挫してしまうのです。

予算の確保が難しい

中小企業にとって、即座に売上に直結しないDX投資への予算確保は、経営判断として高いハードルとなります。

調査結果でも「予算の確保が難しい」との回答が24.5%に上り、人材不足と並んでトップ3の課題となっています。

特に老朽化した基幹システムの刷新は高額な投資を伴いますが、現状のアナログ業務でも「なんとか回っている」ため、経営層の意思決定が先送りにされがちです。

投資に踏み切れない状況が続くことで「とりあえず無料ツールで」といった部分的な対応に終始し、全社レベルの変革には結びつきません。

特に中小企業では、目先の資金繰りや固定費の捻出が優先されやすく、中長期視点での投資判断が後回しになりがちです。

具体的な効果や成果が見えない

経営層や現場がDXに消極的になる大きな心理的要因のひとつは「苦労して導入しても、本当に効果があるのか?」という疑念です。

実際に、DXに取り組む予定がない企業に理由を尋ねたところ「具体的な効果や成果が見えない(23.9%)」が上位の理由として挙げられています。

特に導入初期は、これまでの紙業務と新しいシステム入力の「二重管理」が発生しやすく、一時的に業務量が増える傾向にあります。

導入時期に効果が見えず「前のやり方のほうが早かった」と現場が回帰してしまのです。

デジタル化の恩恵は、事前に数値で正確に予測することが困難です。

「投資対効果(ROI)」を厳しく問われる中で、担当者が明確な答えを出せず、企画が却下されるという悪循環が多くの企業で起きています。

DX投資における費用対効果の考え方については、「DX化の費用対効果」を解説した記事で詳しく整理しています。合わせてご確認ください。

関連記事:DXの費用対効果は「測れない」は嘘?ROI計算方法と効果測定の6ステップ

DXに取り組もうとする企業文化・風土がない

ツールや予算が揃っていても失敗する根本的な原因は、変化を拒む「企業文化・風土」にあります。

中小機構の調査の課題ランキングにも「DXに取り組もうとする企業文化・風土がない」という項目が挙げられました。

長年、アナログでの調整で業務を回してきた現場には「今のやり方が一番早い」という強力な現状維持バイアスが働いています。

従来のやり方に囚われる背景には、失敗を許容しない減点主義の評価制度や過去の成功体験への執着があるのが実情です。

現場の理解を得ないままツールだけを導入すると、「また上から押し付けられた」と反発を招き、結果としてツールが定着しないまま形骸化してしまうリスクが高まります。

心理的障壁を取り除かない限り、どんな高機能なツールも定着しません。

弊社に寄せられる相談でも「ツールは入れたが、結局使われなくなった」というケースは多く、原因を掘り下げると、ほとんどが技術ではなく「組織の空気」の問題に行き着きます。

「DXは必要ない」は本当か?取り組まないことによる最大のリスク

「うちは中小企業だし、アナログでも十分回っている」「ITなんて導入しても、現場が混乱するだけだ」

現場から上がってくる声には、的を射ている部分もあります。目先の業務効率に限って言えば、慣れ親しんだ紙と電話のアナログな手法が最も効率的かもしれません。

しかし、短期的な視点ではなく数年単位で業務効率化を考えると「DXは必要ない」という判断は、企業の存続に直結する重大な判断ミスになります。

DXが進まないことによる3つのリスクを「市場からの退場」「人手不足倒産」「若手人材に選ばれない職場」という観点から整理します。

「アナログでも回っている」という思考が招く市場からの退場

「今のやり方でも何とか回っている」という感覚こそが、実は気づきにくいリスクであり、少しずつ衰退に向かう入り口になってしまうのです。

競合他社はデジタル活用によって見積もりの回答スピードを半減させ、在庫状況をリアルタイムで顧客に共有できる体制を整えています。

一方、アナログな業務体制の企業では、電話やFAXでの確認業務に多くの時間を割かざるを得ない状況です。

顧客の立場になれば「対応が早い」「手続きがスマホで完結する」企業を選ぶのは当たり前です。

品質や価格に大差がなければ、利便性の高い方へ顧客は流れていくでしょう。

気づかないうちに失注が増え、長年の取引先からも「あそこは対応が遅い」と敬遠され始める可能性があります。

ビジネスのルールがデジタル前提に書き換わっている現代において、アナログへの固執は「現状維持」ではなく「退化」を意味します。

市場から退場を宣告される前に、変化に適応する体質へと転換しなければなりません。

人手不足倒産を防ぐための「省人化」という必須課題

少子高齢化が進む日本において、人手を確保できないことによる「人手不足倒産」が過去最多ペースで増加しています。

実際に帝国データバンクの調査によると、2024年には人手不足倒産が342件に上り、前年比で1.3倍となりました。さらに、2025年度上半期だけでも214件と、上半期として過去最多を記録しています。

これまで人力で回してきた事務作業や在庫管理、配送手配も人手そのものが足りなくなり、従来のやり方では立ち行かなくなる場面が増えていくでしょう。

人手不足が深刻化する状況でDXが果たす役割は、単なる「業務効率化」ではありません。限られた人員でも事業を継続できるようにする「省人化」こそが本質です

RPAで定型業務を自動化したり、AIチャットボットで問い合わせ対応を省力化したりすることは、単に業務を楽にするためではありません。

人手が不足しても業務が止まらない体制を作るための備えといえます。

デジタル化できない企業が若者に選ばれない現実

若手人材にとって、企業のデジタル環境は、給与や福利厚生と並ぶ重要な選定基準になっています。

スマートフォンやSNS、クラウドツールが当たり前の環境で育った「デジタルネイティブ世代」にとって、アナログな職場環境は想像以上のストレスです。特に手書き書類や電話・FAX中心の業務は負担が大きくなります。

実際に株式会社カミナシが行った調査によると、企業がデジタル化・DXをほとんど進めていない職場では、若手の入社・転職意向が約9割下がるという結果も出ています。

「この会社は時代遅れだ」「ここで働いても市場価値のあるスキルが身につかない」と判断されれば、優秀な若手から敬遠されてしまうでしょう。

面接の逆質問で「リモートワーク環境はありますか?」「どのようなITツールを使っていますか?」と聞かれるケースも増えているようです。

DXへの取り組みは、顧客サービスの向上だけでなく、未来を担う人材に選ばれるための「採用ブランディング」にもなりうるのです。

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DXが進まない状況を抜け出すための5つのステップ

リソースに限りのある中小企業が確実に成果を出すためには、身の丈に合った正しい順序で進めていく必要があります。

失敗リスクを最小限に抑えつつ、着実に変革を実現するためのステップは以下の5つです。

  1. 経営層によるビジョン策定と意識改革
  2. 現状分析と優先順位の決定(スモールスタート)
  3. 社内人材のリスキリングと外部パートナーの活用
  4. 補助金・助成金の活用による予算確保
  5. ゴールはツール導入ではなく「定着」

それぞれ詳しく解説します。

ステップ1:経営層によるビジョン策定と意識改革

DXはツール選定から始めるものではありません。

必要なのは、経営層が「なぜDXに取り組むのか」「自社はどこを目指すのか」を明確にし、自分の言葉で社内に発信することです。

目的が曖昧なままでは、現場はDXを「よく分からない追加業務」と捉えてしまいます。

「危機感」と「DXで実現したい未来」をセットで語り、社員にとってのメリットまで具体化することが重要です。

さらに経営層自らがデジタルに触れ、学ぶ姿勢を見せることで、DXは組織全体に浸透していきます。DXの出発点はツールではなく、経営者の意志と行動です。

ステップ2:現状分析と優先順位の決定(スモールスタート)

ビジョンが固まったら、次は業務の棚卸しと課題の見える化です。

どの業務に時間がかかっているのか、どこが属人化・非効率になっているのかを整理し、無駄な業務は、デジタル化する前に「やめる・減らす」といった削減・見直しを行います。

すべてを一気に変えるのではなく「現場の負担が大きく」「効果が見えやすく」「導入しやすい業務」から小さく始めることが重要です。

たとえば勤怠管理や経費精算、簡単なデータ集計などを対象にし「残業が減った」「作業が楽になった」という成功体験を作ることで、DXは社内に広がるでしょう。

中小企業のDX事例を分析すると、成功している企業ほど「完璧な計画」ではなく「小さな一歩の積み重ね」を重視している傾向があります。

ステップ3:社内人材のリスキリングと外部パートナーの活用

DXはツールではなく「人」で決まります。

どれだけ優れたシステムを導入しても、使いこなす人材が育っていなければ成果は出ません。

社内では、デジタルリテラシー向上の研修やノーコードツールの実践教育を通じて、業務とITをつなぐ人材を育成していくことが重要です。

「IT人材がいないから」と外部に丸投げするのは失敗のもとになります。

DXの主導権はあくまで自社が持ち、外部のパートナーにはあくまで伴走してもらう形が理想です。

外部パートナーには運用ノウハウが社内に残るよう依頼し、最終的には自走できる体制づくりを目指しましょう。

ステップ4:補助金・助成金の活用による予算確保

「予算がない」からといって、DXを諦める必要はありません。

国や自治体は中小企業のDXを後押しする補助金・助成金を多数用意しており、これらを活用すれば初期投資の負担を大きく軽減できます。

  • IT導入補助金:ソフトウェアやクラウドツールの導入費の一部を補助
  • ものづくり補助金:生産プロセス改善のための設備投資を支援
  • 事業再構築補助金:思い切った事業転換を支援

申請には手間がかかりますが、支援機関や専門家の力を借りることで現実的に進められるでしょう。

また、申請に必要な事業計画書の作成は、自社のビジネスモデルや投資対効果を見直す良い機会にもなります。

資金不足を理由に止まるのではなく、使える制度を活用し、DXへの一歩を踏み出しましょう。

ステップ5:ゴールはツール導入ではなく「定着」

DXはツールを導入した瞬間に終わるのではなく、導入してからが本番です。

新しいシステムを入れると、慣れない操作によって一時的に生産性が落ちる「Jカーブ」と呼ばれる現象が起きるケースが少なくありません。

Jカーブの局面で「業務が遅いじゃないか」と諦めるのではなく、「最初の半年」を定着期間と捉え、継続的なフォローを行いましょう。

具体的には、マニュアル整備や現場向けの勉強会、定期的なヒアリングと改善の繰り返しなど、使われ続ける環境を整えることが欠かせません。

DXはツール導入ではなく、業務のやり方と社内文化を変える取り組みです。社員が当たり前にデジタルを使い、改善が日常になる状態こそがゴールです。

定着指標の一例としては「ツール利用率80%以上」「対象業務のデジタル化率70%以上」などをKPIに設定するケースもあります。

導入直後にフォローが途切れると、DXは定着せずに形骸化しやすくなります。DXは一度きりではなく「使いながら育てていくもの」と考えましょう。

よくある質問(FAQ)|「DXの意味ない」「ついていけない」の声に回答

Q. なぜ自社ではDXが進まないのでしょうか?

A.冒頭でも触れましたが、多くの中小企業でDXが進まない背景には、主に5つの要因があります。

  • システム導入や運用を任せられるIT人材が足りないこと
  • プロジェクト全体をリードできるDX推進人材がいないこと
  • 予算の確保が難しく、投資判断が先送りになりやすいこと
  • 具体的な効果や成果が見えにくく、意思決定者を説得しづらいこと
  • 変化を避ける企業文化・風土そのものが障壁になっていること

5つの要因が複合的に絡み合うことで、「必要性は感じているのに、前に進めない」という状態に陥っている企業が少なくありません。

Q. 予算が限られていますが、DXは可能ですか?

A.DXは大規模なシステム投資から始める必要はありません。

最近では月額数百円〜数千円で利用できるSaaSや、プログラミング不要で使えるノーコードツールが数多く提供されています。

例えば、勤怠管理、経費精算、顧客管理、社内情報共有などは低コストのクラウドツールでも十分に改善可能です。

まずは身近な業務のデジタル化から着手し、そこで削減できた時間やコストを次の投資に回すことで、無理のない形でDXを段階的に進められます。

Q. DX人材が社内に一人もいない場合はどうすればいいですか?

A.最初から即戦力のDX人材を採用するのは、多くの企業にとって現実的ではありません。

DX人材が社内にいない場合は、まず外部の専門家(副業人材・DXコンサルタントなど)の力を借りてプロジェクトを立ち上げることが有効です。

同時に社内からITへの関心や改善意欲の高い若手社員をアサインし、外部人材とペアで動かすことで、OJT形式で育成できます。

重要なのは、外部に「丸投げ」するのではなく、知見を社内に残す形で進めることです。

外部人材とペアで動かす体制をとることで、短期的な推進力と中長期的な人材育成の両立が可能になります。

Q. 現場の反対が強く、導入が進みません。どう説得すべきですか?

A.小さな成功体験をつくり、現場のキーマンを味方につけることが有効です。

DXに対する反対は、理屈よりも「不安」や「面倒」という感情が原因で起こる場合が多いです。

まずは一部の部署で小さく試験導入し、「残業が減った」「作業が楽になった」といった具体的な効果を体験してもらうことが最も効果的でしょう。

次に、現場で影響力を持つキーマン(古参社員・リーダー格など)をプロジェクト初期から巻き込み、意見を反映しながら進めることで、「自分たちの仕組みだ」という当事者意識が生まれます。

成功体験とキーマンの協力が揃えば、反対は自然と減り、全社展開がスムーズになります。

Q. 正直、うちの業界にDXは意味ないと思うのですが?

A.むしろアナログな業界ほど、DXの効果が出やすいケースは多くあります。DXはIT企業や大手企業だけのものではありません。

建設業なら図面や工程管理のデジタル化、農業ならセンサーを使った水やり・温度管理など、アナログ要素が多い業界ほど「ムダな作業」や「手間のかかっている業務」が残りやすく、改善の余地が大きい傾向があります。

DXの目的は、日々の業務をもっと楽にすることです。

まずは「時間がかかっている作業」「面倒だと感じている作業」から見直すことで、自社なりのDXはどんな業界でも必ず見つかります。

Q. 経済産業省が指摘する「2025年の崖」とは何ですか?

A.「レガシーシステムの放置により、日本全体で2025年以降に深刻な経済損失が発生するリスク」のことです。

経済産業省の「DXレポート」では、老朽化したシステムの放置により、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると警告しています。

多くの企業では、古く複雑化した基幹システムがブラックボックス化し、維持費の増大や新技術への対応遅れを招いているのが現状です。

放置すると、DXが進まず、国際競争力の低下につながると指摘されています。

「2025年の崖」はIT部門だけの問題ではなく、経営課題です。早めにシステムと業務の見直しに着手することが重要です。

まとめ|DXが進まない理由を解消し、未来への投資を始めよう

この記事では、中小機構の2024年のデータに基づき、DXが進まない構造的な理由とその対策について解説しました。

重要なポイントは以下の3点です。

  • DXの最大の壁は「IT人材・推進人材の不足」と「予算確保」にあるが、これらは外部パートナーや補助金で解決可能。
  • DXに取り組まないリスクは、市場からの退場や人手不足倒産といった、企業の存続に関わる問題。
  • 成功のためには、経営層のコミットメントを起点とし、スモールスタートで現場の成功体験を積み上げることが不可欠。

「うちには無理だ」と諦める前に、まずは目の前の小さな業務課題をデジタルで解決することから始めてみてください。

小さな一歩が、やがて会社全体を救う大きな変革へと繋がっていきます。社内の業務を一度洗い出し、「一番ムダな作業は何か」を見極めるところから着手してみるのがおすすめです。

「自社のどの業務から着手すべきか分からない」「現場の説得に自信がない」とお悩みの場合は、専門家の視点を取り入れるという選択肢もあります。

まずは無料相談で、貴社の現状における「DXのボトルネック」を診断することから始めましょう。

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DX

DXの費用対効果は「測れない」は嘘?ROI計算方法と効果測定の6ステップ

「DXの費用対効果の測り方が分からない…」

「数値での評価方法が分からず、DX推進をためらってしまう…」

DX推進のための投資は決して安価ではないため、目に見える効果が出るのか不安になり、意思決定を先送りにしてしまう経営者も少なくありません。

この記事では、DX投資の費用対効果を数値で評価するための6つのステップを解説します。

紹介するステップに沿って整理すれば、DX推進の費用対効果を明確に測定できるようになります。

費用対効果を明確に測定できれば、DX推進に投資すべきかどうかを自信を持って判断できるようになるでしょう。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

DXの費用対効果の測定方法と目安数値

ここでは、DX投資の「モノサシ」となる基本的な費用対効果の測定方法を整理します。加えて、判断基準となる目安の数値を専門家の視点から解説します。

費用対効果(ROI)とは?DX投資における基本概念

費用対効果を測る最も代表的な指標が「ROI(Return On Investment:投資利益率)」です。

ROIとは、投じた費用に対してどれだけの利益を生み出したかをパーセンテージで示す指標です。

従来のIT投資(例:サーバーの入れ替え)は、「コスト削減」が主な目的でした。

一方、DX投資は業務効率化だけでなく、「ビジネスモデルの再構築」「新たな顧客価値の創出」といった収益機会を生み出す点が大きな特徴です。

中小企業庁「2024年版中小企業白書」では、DXに取り組む企業がまず期待する効果として「業務効率化(44.5%)」「人件費等の削減(30.3%)」「業務プロセスの改善(30.0%)」といった効率化が上位を占めています。

一方で、売上向上の効果が出ている企業は「既存製品・サービスの価値向上」や「新製品・サービスの創出」など、高付加価値の取り組みにも成果を感じている点が特徴です。

多くの企業はDXをコスト削減のための投資と認識しがちですが、成熟度の高い企業ほど新たな収益源を生み出す投資としてDXを活用していることが分かります。

ROIの計算式と結果の見方

ROIの計算式は非常にシンプルです。経営者であれば、ROIの計算式は必ず押さえておくべきでしょう。

  • ROI(%)=(利益額÷投資額)×100
  • 利益額=投資によって得られた効果(コスト削減額+売上増加額など)
  • 投資額=DXにかかった総費用(初期費用+運用費用+人件費など)

例えば、800万円を投資して新たな在庫管理システムを導入したとします。

  • 効果:在庫管理の工数削減(年間200万円)、過剰在庫の削減(年間300万円)
  • 利益額:200万円+300万円=500万円
  • 投資額:800万円

この場合のROIは「(500万円÷800万円)×100=62.5%」です。

DXでは、ROIのみを評価基準とするのではなく、複数の施策を比較して最適な投資先を選定する視点が求められます。

利益率・回収期間・業務改善幅を比較し、「限られた資金をどこに配分すべきか」を明確にすることで、経営判断の質を高められます。

DXで得られる定量・定性効果

費用対効果を計算する際、効果を「定量(数値化できるもの)」と「定性(数値化しにくいもの)」に分けて考えてください。

種類内容の例ROIへの算入方法
定量効果工数削減、作業時間短縮、ミス削減、運用コスト削減時給 × 削減時間、削減コストの年間換算
定性効果満足度向上、離職率改善、ブランド価値向上、顧客体験向上離職コスト削減、LTV改善、CPA改善などに換算

中小企業白書でも、DXに取り組む企業の多くがまず「業務効率化」や「コスト削減」といった定量効果を期待していると示されています。

一方で、DXの取組段階が進んだ企業ほど「既存製品・サービスの価値向上」や「新製品・サービスの創出」といった定性的な効果にも注目していると分析されています。

投資判断では、短期のコスト削減だけを重視するのは危険です。定性効果をどこまで数値に落とし込めるかが、DX投資の成否を大きく左右します。

定量効果

定量効果とは、コスト削減や業務効率化などの数値化しやすい効果のことです。

具体例は以下のとおり。

  • 人件費の削減(例:RPA導入で月50時間の作業を自動化→50時間×時給×12ヶ月)
  • 運用コストの削減(例:クラウド移行でサーバー維持費を年間100万円削減)
  • ミスによる損失削減(例:入力ミスによる手戻りコストを年間50万円削減)

特に人手不足が続く中小企業では、工数削減によって「増員せずに業務量を維持・拡大できる状態」をつくれる点も、大きな投資対効果と言えます。

定性効果

定性効果は「数値化が難しい」と言われますが、実務ではほぼすべて数値化できます。

具体例は以下のとおり。

  • 顧客満足度向上 → 解約率低下 → LTV向上
  • 従業員満足度向上 → 離職率低下 → 採用・教育コスト削減(例:1名100万円)
  • ブランド価値向上 → 新規獲得単価(CPA)低下

定性効果を数値に落とし込めないまま判断してしまうと、DX投資の本来の価値を見落としてしまいます。

また、DXは業務標準化を進める効果もあります。

担当者によって作業品質が異なる属人化を抑制し、業務のばらつきをなくすことで、長期的な生産性の安定につながるでしょう。

投資回収期間(Payback Period)の考え方と計算例

ROIとセットで確認すべきなのが、「投資回収期間(Payback Period)」です。投資回収期間とは、投資した費用を、何年で回収できるかを示す指標です。

「投資額÷年間のキャッシュフロー(利益額)」で計算できます。

ROIと同じ例(投資額800万円、年間の利益額500万円)で投資回収期間を計算してみましょう。

投資回収期間:800万円÷500万円=1.6年

つまり、このシステム投資は約1年半で元が取れる、という計算になります。

中小企業の経営判断では、投資によって得られる利益を示すROIの把握が欠かせません。

同時に投資額の回収年数を示す回収期間も確認することで、キャッシュフロー負荷を適切に評価できます。

DX投資は何%なら“合格”なのか?ROIの目安

「結局、ROIは何%なら投資すべきなのか?」という質問は、私たちがコンサルティング現場で最も多く受ける質問の一つです。

結論から言えば「すべての企業に共通する絶対的な合格ライン」は存在しません。しかし、判断の目安はあります。

IT投資のROIに関して、KPI Depot「20%を超えると強いパフォーマンス」と示しています。

KPI Depotの基準から見ると、3〜5年で投資回収できるROI20〜33%は実務上の妥当なラインと言えるでしょう。

なお、ガートナーの2024年調査では「ビジネス目標を達成した、あるいは上回った」と評価されたデジタル施策は48%にとどまったと報告されています。

成果を十分に出せるプロジェクトは半数弱であるため、事前にROIや投資回収期間を数値で設計し、「どの施策に資金とリソースを集中させるか」を見極める視点が不可欠です。

実際の事例:DX投資でROIを高めた企業の例

DX投資は業務効率化だけでなく、在庫最適化や工程管理の改善によって、投資対効果(ROI)を大きく引き上げています。ここでは、3つの事例を紹介します。

弊社実績:カード会社 | 業務自動化によりROI995%を達成

某カード会社に対し、UiPathを活用した業務自動化(RPA導入)支援を行いました。

従来、内部システムの手動操作や判断業務に多くの工数を割いており、属人化や業務負荷の増大が課題でした。

本支援では単なる自動化にとどまらず、データ分析に基づく業務統合までを包括的に推進しました。

「RPA導入の枠組み(自動化→横展開→処理データの可視化・蓄積(データマート構築)→業務統合)」を推進した結果、以下の効果が得られています。

  • 投資対効果:直近ROI 995%を達成し、極めて高い効果を創出(削減工数・人件費ベースで算出)
  • 業務プロセスの最適化:「システム改修・RPA・ハイブリッド」の最適な使い分け基準を確立
  • 運用管理の適正化:効果の低い業務や特殊な「例外業務」を明確に区分し、管理コストを抑制

弊社では、本事例のように成果につながる業務整理から着手する導入支援を行っております。

貴社業務における自動化・効率化の可能性について、まずはお気軽にご相談ください。

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日酸TANAKA株式会社|棚卸工数の75%削減・年間340万円のコスト改善

金属加工機器メーカーの日酸TANAKA株式会社では、棚卸作業が年2回必要でした。

棚卸作業の際、生産ラインを停止しながら「2日×複数名」で棚卸を実施しており、年間約500万円の機会損失が発生していました。

在庫管理を自動化するスマート棚卸システムを導入した結果、以下の効果が得られたようです。

  • 棚卸工数:6人×1.5日へ短縮(約75%削減)
  • 年間コスト削減額:約340万円

投資額は非公開ですが、投資額を仮に600万円と仮定すると、ROIは56.6%、投資回収期間は1.7年となります。

引用元:SmartMatCloud

ワークマン|AI発注により作業時間93%削減・在庫最適化を実現

全国のワークマン店舗では、1店舗あたり約10万SKUの商品を店長が毎日手入力で発注しており、1日30分の作業が常態化していました。

AIによる自動発注システムを導入したことで、以下の定量・定性効果が生まれています。

  • 発注作業:30分 → 2分(93%削減)
  • 欠品率の低下
  • 不良在庫の削減

投資額は公開されていませんが、同規模のAI発注システムを想定して投資額を5,000万円と仮定します。

作業時間削減や在庫最適化による年間便益を3,000万円とすると、ROIは60%となり、投資回収期間は約1.7年です。

引用元:IT Leaders

DX推進段階における費用目安と内訳

ROI(費用対効果)を計算するうえで、まず費用を正確に把握してください。費用の見積もりを誤ると、ROIの計算がすべて崩れてしまいます。

「DX」と総称しても、目的や進行段階によってコスト規模は大きく異なる状況です。

ここでは、経営者として押さえておくべき「費用の相場観」と「具体的な内訳」を解説します。

DX推進における段階別のコスト

DXの成熟度は、経済産業省IPAの資料でも示されているように、一般的に次の3段階に整理できます。

第1段階:デジタイゼーション(部分的な電子化)

紙の書類をPDF化したり、Excelによる管理をSaaSツールに置き換えたりするなど、アナログ業務をデジタルに置き換える段階です。

導入にかかるコストは数十万円〜数百万円ほどで、例えば勤怠管理ツールやWeb会議システムの導入がこのフェーズに含まれます。

第2段階:デジタライゼーション(プロセス全体の最適化)

特定の業務プロセス全体をデジタルで完結させ、効率化を図る段階を指します。

特に受発注や請求処理など、複数部門が関わるワークフローはデジタル化の効果が大きい領域です。

どの工程を自動化し、どの工程を人が判断するのかを整理することで、改善効果を最大化できます。

例えば、受発注から在庫管理、請求までを一気通貫でデジタル化するイメージです。

導入コストは数百万円〜数千万円ほどで、SFA/CRMの導入や、基幹システム(ERP)の刷新がこのフェーズに該当します。

第3段階:デジタルトランスフォーメーション(ビジネス変革)

デジタル技術を活用して新たなビジネスモデルやサービスを生み出し、事業そのものを変革します。

例えば、データ分析を基にした新サービスの開発や、IoTを活用した製品のサブスクリプション化などに当たる内容です。

導入コストは数千万円〜数億円以上となり、極めて大きな投資規模となる段階です。

多くの中小企業が「DX」と認識している内容の多くは、第1段階と第2段階に該当します。

まずは自社の取り組みがどの段階なのかを把握することが重要です。

DX推進にかかるコストの内訳

ITベンダーの見積もりを精査するためにも、コストの「内訳」を理解しましょう。

DXの費用は、大きく以下の3つに分類されます。

  • システム導入費(初期費用)【例:SaaSツールの初期設定費など】
  • システム運用費(ランニングコスト)【例:SaaSツールの月額利用料など】
  • 人件費・人材育成費(隠れコスト)【例:DX推進担当者の人件費など】

特に「人件費」は、ベンダーの見積書に載らないケースがほとんどです。

しかし、投資対効果を厳密に計算する上では、人件費や人材育成費も含めて「総投資額」として捉える視点が、経営者には不可欠です。

また特定ベンダーの独自仕様に過度に依存すると、ベンダーロックインが発生します。

ベンダーロックインが発生すると、将来的な乗り換えコストや追加開発費が増加し、費用対効果を悪化させる要因になります。

DXの費用対効果の測定ステップ

DXの費用対効果は以下のステップで測定できます。

ステップ内容具体的にやること
1現状の評価現行工数・作業時間・ミス・人件費・機会損失を棚卸し
2目標設定(To-Be)削減したい工数・改善したい業務・KPIを数値で設定
3効果試算(数量ベース)削減できる時間・件数などを“数量”で算定
4コスト計算初期費用・運用費・人件費・育成コストを合算
5利益計算数量ベースの効果を金額に換算
6ROI・回収期間算出ROI%と回収年数を計算して投資判断

この手順に沿って数字を当てはめるだけで、誰でも論理的な投資判断が可能になるでしょう。

1.現状の評価

DXの効果を正しく測定するためには、業務の現状を数値で把握する作業が欠かせません。

スタート地点を明確にしなければ、改善幅を判断できず、投資判断も曖昧になるでしょう。

作業時間や担当者の負荷を定量化すれば、業務のどこがボトルネックかを明確にできます。

手入力作業の月間工数や、入力ミスによる手戻り時間を把握すれば、改善後の効果を数値で比較が可能です。

業務負荷と課題を数値で可視化する工程が、DXの投資判断と効果測定の基盤となります。

自社のDXの成熟度を客観的に把握する手段としては、IPAが公表している「DX推進指標」を活用する方法もあります。

自己診断フォーマットに沿って現状をスコアリングしておくと、DX投資の優先度や投資範囲を検討する際の基準として役立つでしょう。

2.目標設定

現状を把握したら、次に「目標設定(To-Be)」を行います。

DXで改善したい数値を明確にし、どの水準まで引き上げるかを定義してください。

目標設定では、改善後の状態を具体的かつ測定可能な指標(KPI)に落とし込む作業が重要です。

具体例

  • 受発注システムの導入により、手入力の工数(月80時間)を90%削減し、月8時間にする。
  • 入力ミスによる手戻り(月10時間)をゼロにする。

「業務効率化」といった曖昧なスローガンではなく、「工数を月72時間削減する」という明確なゴールを設定することが、DX成功の鍵となります。

3.効果試算

目標が定まったら、目標を達成することで「どれだけの効果(リターン)が生まれるか」を試算しましょう。

効果を試算する際、改善対象となる業務プロセスを細かく分解し、各工程がどれだけ短縮されるかを把握すると、効果を正確に算出できます。

プロセス単位で可視化することで、改善幅を見誤るリスクが減ります。

効果試算の段階では、まだ金額に換算せず「どれだけの業務が改善されるか」という物理的な効果を明確にしましょう。

4.コスト計算

次に、ステップ3で算出した効果を得るために必要な「コスト(投資額)」を計算します。

ベンダーから提示された見積書だけで判断せず、人件費や人材育成費もすべて含めて算出します。

具体例:

  • システム導入費(初期):300万円
  • 月額利用料(運用):5万円/月(=年間60万円)
  • 社員研修・教育費:40万円
  • DX推進担当の人件費:120万円
  • 投資額(1年目)=300万円+60万円+40万円+120万円=520万円
  • 投資額(2年目以降)=年間60万円

経営者としては、初年度の「初期投資額」と、2年目以降の「ランニングコスト」を分けて把握することが重要です。

5.利益計算

ステップ3で試算した「効果」を「利益(金額)」に換算します。

具体例:

  • 削減効果:合計82時間/月
  • 担当者の平均時給(諸経費含む):2,500円
  • 年間の利益額=82時間/月×2,500円/時×12ヶ月=246万円

ステップ3の「工数削減」という効果が、「年間246万円の利益」という、経営判断に使える数値に変わりました。

6.ROIの算出

最後に、ステップ4で算出したコストとステップ5で算出した利益の数字を使い、「ROI(費用対効果)」を算出します。

  • 利益額(年間):246万円
  • 投資額(初年度):520万円
  • ROI(%)=(246万円÷520万円)×100=47.3%

今回の事例の場合、ROIが47.3%ということになります。

ROIがプラスであり、かつ自社の目標利益率や資本コストを上回っていれば、経営判断として「投資を実行すべき」と判断しやすくなるでしょう。

DXの費用対効果に対するよくある質問

Question1:なぜDXの費用対効果は「測れない」「測りにくい」と言われるのですか?

主に3つの理由があります。

  • 効果が長期にわたる:ビジネスモデル変革など、効果が発現するまでに1〜3年かかる場合があるため。
  • 定性効果が多い:従業員満足度や顧客体験の向上など、すぐには金額換算しにくい効果が多いため。
  • 目標が曖昧:「DX推進」自体が目的化し、具体的な数値目標(KPI)を設定していないため。

この記事で解説した6つのステップを踏むことで、これら3つの課題は解決できます。

Question2:DXの効果が出るまで、どれくらいの期間がかかりますか?

DXの効果が表れるまでの期間は、投資規模や取り組み内容によって変わります。

RPAの活用やSaaSツールの導入による工数削減など、比較的シンプルな改善であれば、3ヶ月〜半年ほどで成果を確認しやすい傾向があります。

一方、データ分析を基盤にした新サービス開発や、事業全体の仕組みの見直しは、成果が出るまでに1年〜3年かかることが多いです。

短期で成果が見込みやすい施策と、中長期で成長に寄与する施策の両方を同時に進めることが、DXを成功させるうえで重要です。

Question3:定性的な効果(社員の満足度など)は、具体的にどう評価すれば良いですか?

「定量化(数値化)」する工夫が重要です。

例えば「従業員満足度」であれば、DX導入前後に匿名のアンケートを実施し、「業務のしやすさ(5段階評価)」や「会社への満足度(点数)」を比較します。

また、「離職率」や「有給休暇取得率」の変化を測定するのも有効です。

満足度が上がれば離職率が下がり、結果的に「採用・教育コストの削減」という定量的な利益としてROI計算に組み込めます。

例えば、DX導入で離職率が5%改善し、年間の退職者が2名減少したと仮定しましょう。

仮に1名あたりの採用・教育コスト(求人広告費、研修費、OJT担当者の工数など)が100万円かかっていた場合、『年間200万円の利益(コスト削減)』としてROI計算に組み込めるようになります。

Question4:ROIの計算はエクセルでもできますか?

はい、エクセルで十分可能です。ROIの計算式自体は「(利益÷投資額)×100」とシンプルです。

重要なのは計算式よりも、「利益」や「投資額」の根拠となる数値をどれだけ正確に洗い出せるかにかかっています。

まずはこの記事の「測定ステップ」に沿って、「コスト計算(初期・運用・人件費)」と「利益計算(工数削減×時給など)」の項目を一覧にしてみてください。

Question5:投資判断の基準として、ROI以外に見るべきものはありますか?

はい、最低でも「投資回収期間(Payback Period)」はセットで見るべきです。

投資回収期間は「投資した資金を何年で回収できるか」を示す指標で、キャッシュフローを重視する中小企業にとってROI以上に重要な場合もあります。

さらに厳密に評価するなら、将来のキャッシュフローの価値を現在の価値に割り引いて計算するNPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)も有効な指標です。

しかし、まずは「ROI(何%儲かるか)」と「回収期間(何年で元が取れるか)」の2つを確実に押さえることから始めましょう。

まとめ | DXの費用対効果は必ず測定しよう

この記事では、中小企業の経営者がDX投資で迷わないための基準として、費用対効果(ROI)の測り方、投資コストの考え方を解説しました。

DX推進で失敗する企業の多くは、導入前に「数字での評価軸」を持てていないことが共通点です。

まずは、自社で最も非効率だと感じる業務を一つ選び、この記事で紹介した費用対効果の測定6ステップを当てはめてみてください。

工数・コスト・効果を可視化するだけで、DX投資の判断精度は大きく向上するでしょう。

とはいえ、自社だけで費用対効果を設計しようとすると、「どこまでをコストに含めるべきか」「定性効果をどう数値化するか」で悩むケースが少なくありません。第三者の視点を入れたい場合は、DX投資のROI設計や効果測定の整理をサポートすることも可能です。必要に応じて、お気軽にお問い合わせください。

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システム開発

システム開発の見積もり妥当性|内訳の相場と5つのチェックポイント

3社に見積もりを依頼したら、最高で2倍の差。

「どれが正しいのか」「どこを信じるべきか」

多くの発注担当者が最初にぶつかる壁です。

しかし、正しい見積もりの見方を知っていれば、もう迷う必要はありません。

見積もりの妥当性判断は、内訳と根拠を確認する「正しい見方」を知るだけで可能です。

この記事では、開発受託のプロが見積もりの内訳項目から、妥当性を判断する5つのチェックポイントを徹底解説します。

最後まで読めば、自信を持って見積もりを精査し、社内稟議を通せるようになるでしょう。

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多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

【徹底解剖】システム開発の見積書の内訳と妥当性

システム開発に含まれる主な費用の内訳は以下のとおりです。

  • 要件定義費
  • 設計費(基本/詳細)
  • 開発費(製造)
  • テスト費
  • プロジェクト管理費(PM費)
  • 保守・運用費

主要な6つの内訳項目と、それぞれの費用の目安について、開発受託チームの視点から詳しく解説します。

以下が費用内訳の早見表です。参考にしてください。

項目役割目安比率よくある落とし穴確認質問(発注側)
要件定義目的・要件の確定6%~10%すり合わせ不足→手戻り「要求・制約・非機能の抜けはありませんか?成果物は要件定義書+業務フロー+データ定義まで含みますか?」
基本/詳細設計外部/内部設計34%画面だけ確定・内部曖昧「API・ERD・例外系まで明文化されていますか?受入観点表は誰が作成し合意しますか?」
開発(製造)実装33%人月定義が曖昧「人員×期間×稼働率=合計人月は見積の人月と一致しますか?レビュー基準は?」
テスト品質担保33%ケース不足・短縮「単体/結合/総合/受入の責任分担は?不合格時の再テスト費用は?」
PM(管理)進捗/品質/課題管理10%~15%「一式」で実態不明「体制表(ロール/稼働率)は?課題・変更管理プロセスは文書化されていますか?」
保守・運用障害/更新/運用年間5%~15%(開発費比)範囲未定義・時間外「SLA(応答/復旧)・時間外料金は?対象外作業は何ですか?」

※設計・開発・テストの比率は「開発工程=100%」の内訳です。要件定義・PM・保守運用は別枠の加算であり、合算で100%にする設計ではありません。

要件定義費|プロジェクトの土台作りにかかる費用

要件定義は、システム開発の中でも最も重要な工程の一つです。業務課題の整理、機能設計、データ構造や運用フローの明確化などを行い、プロジェクト全体の方向性を決定します。

多くの開発会社では、要件定義費を開発工程(設計・開発・テストの合計)費用の6%~10%を目安として算出するのが一般的です。

要件定義では専門知識を要するため工数が大きくなりますが、精度の高い要件定義によって、後工程での手戻りや追加費用を防げます。

例えば、開発工程(設計~テスト)の合計が500万円の開発では、30万円から50万円が目安です。

設計費(基本/詳細)|システムの設計図作成費用

設計費は、開発工程(設計~テスト)における工数の約34%が適正な目安とされ、開発の品質を左右する重要工程です。設計工程では、要件定義書を基にシステムの構造を明確化します。

基本設計で画面レイアウトや操作方法を定め、詳細設計で内部の動作やデータ処理を設計します。作業内容が多岐にわたり、専門知識を持つ技術者の工数が必要になるため、一定の費用が発生するでしょう。

設計費の相場は全体の34%程度です。IPA『ソフトウェア開発分析 データ集 2022』によると、基本設計18.2%、詳細設計17.2%で、設計全体は工数の約35%。費用が全体の3割前後となります。

開発費(製造)|「人月単価」の妥当性はここで見る

開発費は開発工程(設計~テスト)における工数の33%が目安で、工数とコストが集中する主要工程です。

開発工程では、設計書を基にエンジニアがプログラミングを行い、機能を実装します。

複数の技術者が長期間関わるため、費用が大きくなります。妥当性を判断する際は、エンジニアのスキルに応じた人月単価が重要です。

人月単価は、エンジニア1人が1か月作業した場合の費用を示す指標です。

一般的なプログラマーで月60万~100万円、システムエンジニアで月80万~120万円が目安とされています。相場範囲に収まっていれば、費用は概ね適正だと言えるでしょう。

テスト費|品質担保に不可欠なコスト

テスト費は、開発工程(設計~テスト)における工数の33%を占める妥当な水準であり、品質を保証するうえで欠かせない工程です。

テスト工程では、開発されたシステムが要件定義や設計内容に沿って正しく動作するかを検証します。

バグや不具合を早期に発見することで、リリース後の障害や改修コストを防止できます。品質を維持するためには、十分なテスト工数が必要です。

費用の相場は全体の33%程度です。機能が複雑なシステムほどテスト項目が増えるため、費用も上昇します。

相場より極端に低い見積もりは、検証工程が不足している可能性があり、品質リスクにつながります。

プロジェクト管理費|見落としがちな進行管理コスト

プロジェクト管理費は、開発工程費用(設計~テスト)に対する10%~15%を占める水準であり、進行と品質を安定させるために不可欠な費用です。

プロジェクト管理費には、進捗管理、品質管理、課題管理などを担うプロジェクトマネージャー(PM)の人件費が含まれます。

PMは開発全体を統括し、スケジュール遅延や品質低下を防ぐ役割を担います。適切な管理体制を整えることで、開発の効率を高め、安定した成果を維持できるでしょう。

見積もりを確認する際はPMやPMOの人数、関与時間などが明記されているかを確認すると、費用の妥当性を判断しやすくなります。

保守・運用費|開発後にかかるランニングコスト

保守・運用費は、開発費の年間5%~15%を占める水準であり、システムの安定稼働を維持するために不可欠な費用です。

保守は、障害対応やOS・ミドルウェアの更新対応など、システムの継続利用を支える業務を指します。運用は、データ監視や日常的なオペレーション代行など、運営を安定させる作業を含みます。

リリース後も継続的に作業が発生するため、一定のコストが必要です。

費用の目安は、開発費の年間5%~15%程度になります。例えば、1,000万円で開発したシステムでは年間50万円~150万円が一般的な水準です。

契約時には、対応範囲を明確にし、見積もりの根拠を確認してください。

システム開発の見積算出方法

システム開発の見積もりは、開発会社が用いた算出方法によって金額や精度が変わってきます。

システム開発で主に使われる見積もりの算出方法は以下のとおりです。

  • トップダウン見積
  • ボトムアップ見積
  • パラメトリック見積

プロジェクトの段階や目的に応じて使い分けられるため、それぞれの特徴を知ることが、妥当性判断の第一歩と言えるでしょう。

トップダウン見積(類推見積)

トップダウン見積は、過去に実施した類似プロジェクトの実績を基に、全体の開発費用を大まかに算出する方法です。初期段階で概算を把握したい場合に適しています。

過去の開発実績を参照することで、要件定義や設計が固まっていない段階でも、予算の目安を迅速に提示できます。社内の稟議や予算計画を立てる際に、早い段階で金額感を把握できることが、発注担当者にとっての大きな利点です。

トップダウン見積はスピード面で優れていますが、精度が低く、参考となる過去データがない場合には適用が難しい方法です。正式な見積もりを行う前の参考情報として活用するようにしましょう。

ボトムアップ見積(工数積み上げ)

ボトムアップ見積は、開発に必要な作業を細かく分解し、それぞれの工数と単価を積み上げて全体費用を算出する方法です。現在最も一般的で、精度の高い見積もり手法とされています。

作業内容をWBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)によって詳細に洗い出し、工程ごとに必要な時間と単価を掛け合わせて積算します。

作業単位で見積もりを行うため、作業の抜け漏れが少なく、根拠が明確な見積もりを提示できる点が大きな特徴です。

ボトムアップ見積は精度が高い一方で、作業の分解と工数算出に時間がかかるため、要件定義や設計内容が固まった段階での利用が適しています。

詳細見積もりの際には、ボトムアップ見積が採用されているかを確認しましょう。

パラメトリック見積

パラメトリック見積は、過去の開発データや統計情報をもとに、一定の「パラメータ(要因)」を使って費用を算出する方法です。

トップダウン見積よりも客観性が高く、短時間で概算を出したい場合に適している手法です。

開発規模や画面数、機能数、行数、ステップ数といった定量的な要素を基準に、過去プロジェクトの実績データを分析して単価や係数を設定します。

例えば「1画面あたりの平均開発コスト」や「1機能あたりの平均工数」をもとに、全体の費用を推定します。データに基づくため、再現性が高く、見積もりのばらつきを抑えられる点が特徴です。

一方で、正確な過去データや統計モデルが整備されていない場合には、精度が下がるという課題があります。

開発会社が過去のデータを蓄積・分析して見積精度を高めているかも、信頼性を見極めるポイントです。

システム開発の見積もりの妥当性を判断する5つのチェックポイント

システム開発の見積もりの妥当性を判断するためにチェックすべきポイントは以下の5つです。

  • 作業範囲(スコープ)は明確に定義されているか?
  • 工数(人月)は過大または過小に見積もられていないか?
  • エンジニア単価は業界相場と乖離していないか?
  • 前提条件(体制・期間・環境)に認識のズレはないか?
  • リスク(バッファ)は適切に考慮されているか?

妥当性を判断するチェックポイントを知ることで開発会社の言いなりにならず、対等な立場で交渉を進められるようになるでしょう。

作業範囲(スコープ)は明確に定義されているか?

見積もりの妥当性を判断する際は、作業範囲(スコープ)が明確に定義されているかを最初に確認することが重要です。

スコープの定義が不十分な場合、見積金額の根拠を正確に判断できません。

対象業務の範囲があいまいなまま契約すると、契約後に「見積もり対象外の作業」として追加費用を請求されるリスクが高まります。

見積書には、作業の対象となる範囲と、対象外となる範囲を明確に記載してもらう必要があります。

作業範囲を具体的に整理することで、発注内容と金額の妥当性を正しく判断できるでしょう。

スコープの明確化は、見積もりの妥当性を判断するうえで最も基本的かつ重要な確認項目です。

工数(人月)は過大または過小に見積もられていないか?

見積もりの妥当性を判断するためには、提示された工数(人月)が適切であるかを確認する必要があります。

工数は見積金額の基盤です。設定が多すぎれば費用が膨らみ、少なすぎれば品質の低下や納期の遅延を招き、最悪の場合はプロジェクトが破綻します。

工程別の費用割合(例:開発費33%)と、見積もり内の工数配分を比較し、偏りの有無を確認することが重要です。

機能単位で工数が多い場合は、根拠資料としてWBS(作業分解構成図)の提示を求め、内容を精査しましょう。

エンジニア単価は業界相場と乖離していないか?

見積もりの妥当性を判断する際は、提示されたエンジニア単価(人月単価)が業界相場と比較して適切かを確認することが重要です。

単価が高すぎればコストの無駄につながり、安すぎればスキルや経験が不足した人材が担当する可能性があり、品質面でのリスクが生じます。

システムエンジニアの相場は月80万円~120万円です。

相場から大きく外れた単価が提示されている場合は、理由や根拠を必ず確認する必要があります。

単価の妥当性を確認することは、コスト構造の透明性を高め、プロジェクト品質を確保するうえで欠かせないポイントです。

前提条件(体制・期間・環境)に認識のズレはないか?

見積もりの妥当性を判断する際は、見積書の末尾に記載された前提条件を熟読することが重要です。

前提条件は、条件不成立時に追加費用や納期変更を認める免責事項として機能します。

自社で実施すべき作業や負担範囲を精査し、実行不可能な要件や合意できない制約が含まれていないかを確認します。

前提条件への合意は契約への合意に極めて近い意味を持つため、解釈の相違が生じないように文言レベルで擦り合わせてください。

前提条件の整合確認は、コスト・スケジュール・品質リスクを抑えるための必須チェック項目です。

リスク(バッファ)は適切に考慮されているか?

見積もりの妥当性を判断する際は、リスク(バッファ)が適切に含まれているかを確認してください。システム開発では、予期せぬトラブルや課題が発生することが多く、リスク対応を考慮していない見積もりは危険です。

PMIの資料ではITサービス案件で15~25%を固定率で積む手法が紹介されており、ソフトウェア開発の例として20%を用いるケースも示されています。

バッファがまったくない見積もりは、軽微な仕様変更やトラブルでも即座に追加費用や納期遅延が発生する可能性があります。

一方で、過剰なバッファは不当なコスト増加につながるため、妥当な範囲で設定されているかを見極めることが必要です。

リスクを考慮した適切なバッファの有無を確認することは、見積もり全体の信頼性を判断するうえで欠かせない視点です。

「高すぎる見積もり」と「安すぎる見積もり」の正体

5つのチェックポイント(スコープ、工数、単価、前提条件、リスク)を分析すると、見積もり金額が高額または低額と判断される場合があります。

ただし、金額の大小だけで判断するのは危険です。価格差には必ず要因があり、背景を理解することで、より正しく判断できるでしょう。

以下では、相見積もりで提示された高額見積もりと低額見積もりの要因を整理し、発注判断に必要な視点を解説します。

見積もりが高すぎないか?

相見積もりを取った際に、「高すぎる」見積もりが出てくるのには必ず理由があります。

単純に利益を多く乗せている場合もありますが、多くは「高い技術力や品質管理体制の裏付け」か、「発注側の要求が曖昧すぎるための過剰なリスク回避」のどちらかです。

例えば、RFP(提案依頼書)が曖昧だと、開発会社は不測の事態に備えて工数を多めに積まざるを得ません。

一方で、高度なセキュリティ要件や大規模なアクセスに耐えうるシステムなど、高い技術力が求められる場合も金額は上がります。

見積もりが高い理由を突き詰めれば、相手の技術力やプロジェクトへの理解度を見極められます。

見積もりが安すぎないか?

発注担当者として最も注意すべきは、「高すぎる」見積もりよりも「安すぎる」見積もりです。

安いのには必ず裏があり、多くは「必要な工程(特にテスト)の大幅な省略」や「スキルや経験の浅い人材の投入」に起因します。

相場より極端に安い場合、最初は安価に受注し、プロジェクトが始まった後で次々と「追加費用」を請求する算段である可能性も否定できません。

また、テストが不十分なまま納品され、リリース後に障害が多発してビジネスが停止するリスクもあります。金額の安さだけで選定することは、プロジェクト失敗への最短ルートだと心得ましょう。

システム開発の見積もりの妥当性に関してよくある質問

Q:要件定義が明確でない状態でも見積もりを依頼して問題はありませんか?

要件が固まっていない段階では、概算見積(トップダウン見積またはパラメトリック見積)を依頼することが可能です。

要件が未確定な段階で提示される見積もりは、精度が低い点に注意してください。正式な金額ではなく概算であることを理解し、要件定義フェーズ完了後に改めて精緻な見積もりを求めるようにしましょう。

初期段階から詳細な見積もりを求めると、開発会社が不確定要素に備えてリスク工数を上乗せする場合があります。

予算感を把握したい場合は、概算見積を活用し、要件定義後に精度の高い見積もりを取得する流れが適切です。

Q:見積書に「一式」と記載されている場合、問題がありますか?

「一式」という表記には注意が必要です。「一式」は作業範囲を明確に定義せず、複数の作業や成果物をまとめて金額を算出している状態を表します。

作業範囲が不明確なまま契約を締結すると、契約後に「見積範囲外の作業」と判断され、追加費用が発生するおそれがあります。

「一式」と記載された項目は、作業内容・成果物・範囲外作業を明文化して提示してもらうことが重要です。

特に「データ移行一式」や「テスト一式」といった項目は、解釈の幅が広く誤解が生じやすいため、契約前に詳細を確認する必要があります。

Q:発注後に見積金額が増加するのはどのような理由によるものですか?

見積金額が増加する主な要因は、要件変更と前提条件の不一致です。

見積もり時点で想定していなかった仕様変更が発生した場合や、発注側が準備する予定であったデータや作業環境の整備が遅れた場合には、追加工数が発生します。

契約前に、要件変更や追加対応時の費用算定ルールを文書で定義しておくことが重要です。

変更管理の取り決めを明確にしておくことで、金額に関する認識のずれを防ぎ、トラブルの発生を抑えられます。

Q:契約形態(請負/準委任)は金額にどう影響しますか?

契約形態は、費用の考え方とリスクの所在に直結します。

請負契約は、成果物の完成を目的とします。開発会社は完成責任を負うため、予期せぬトラブルに備えて一定のリスクを工数に含めるのが一般的です。

要件が明確な場合に適していますが、リスクを工数に乗せる分、見積もり金額は高めになる傾向があります。

準委任契約は、作業時間を提供することを目的とします。開発会社は完成責任を負いません。

リスクは発注者側が負担するため、バッファが乗らない分だけ人月単価が請負より安く見える場合があります。要件が不明確な場合やアジャイル開発では準委任が選ばれやすいです。

Q:開発手法(アジャイル/ウォーターフォール)で見積もりは変わりますか?

開発手法によって見積もりの「出し方」と「性質」が大きく変わってきます。

「ウォーターフォール開発」は、開発開始前にすべての仕様を確定させるため、ボトムアップ(工数積み上げ)で見積もりを算出しやすく、初期段階で総額見積もりを提示しやすい手法といえます。

一方、「アジャイル開発」は仕様の変更を前提に、短期間の開発サイクル(スプリント)を繰り返す手法です。

アジャイル開発では全体像が見えにくい特性上、初期段階での総額見積もりが難しく、スプリント単位での契約や概算見積もりとなるケースが一般的です。

Q:見積もりの「人月」って、実際どういう意味ですか?

「人月(にんげつ)」とは、1人のエンジニアが1か月間フル稼働した場合の作業量を指します。例えば「3人月」とは、エンジニア3名が1か月間作業する、または1名が3か月間作業する量に相当します。

ただし、実際の稼働率は常に100%ではありません。一般的に80~90%程度を想定し、休暇・打ち合わせ・調整期間(バッファ)も含めて見積もられます。

見積もり金額の妥当性を確認する際には、1人月を何時間で算定しているのか、稼働率を何%で見積もっているのかを必ず確認することが大切です。

前提条件を具体的に把握することで、見積もり内容の信頼性と比較の正確性が高まります。

Q:相見積もりは何社取るのがベストですか?

結論として、3社が最も現実的で効果的な数と言えます。

1社だけでは、その見積もりが妥当かどうかの比較対象がありません。

逆に、5社や6社とあまりに多く取りすぎると、RFPの説明や質疑応答、提案の比較検討にかかる発注者側の工数が膨大になり、現実的ではありません。

3社あれば「高すぎる会社」「安すぎる会社」「平均的な会社」というように、金額の「軸」と「相場観」を把握することが可能です。

大切なのは単なる金額比較ではなく、RFPへの理解度や提案内容の質を比較することです。

Q:見積もり金額を下げる交渉はできますか?

見積もり金額の調整は可能ですが、単価を下げる交渉よりも「作業範囲(スコープ)の見直し」のほうが効果的です。

単価を無理に下げると、担当者の稼働時間や品質管理にしわ寄せが生じ、結果的に品質リスクが高まる恐れがあります。

一方で優先度の低い機能を次フェーズに回すスコープ調整や、発注側で対応できる作業を明確にすれば、実質的に見積もりを圧縮できます。

「費用を下げる=品質を落とす」ではなく、要件を整理し、リスクを最小化する交渉が妥当なコスト削減につながるでしょう。

まとめ|妥当な見積もりを見抜き、プロジェクトを成功に導くために

今回は、システム開発見積もりの妥当性を判断する方法を、内訳項目と5つのチェックポイントを通して解説しました。

システム開発の見積もりの妥当性を判断する5つのチェックポイントは以下のとおりです。

  • 作業範囲(スコープ)は明確に定義されているか?
  • 工数(人月)は過大または過小に見積もられていないか?
  • エンジニア単価は業界相場と乖離していないか?
  • 前提条件(体制・期間・環境)に認識のズレはないか?
  • リスク(バッファ)は適切に考慮されているか?

見積もりは“金額”ではなく“根拠”で判断することが大切です。内容を一つずつ精査し、開発会社と対等に議論できるようになれば、プロジェクト成功の確率は格段に上がります。

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システム開発

【システム開発発注の全流れ】失敗しない会社選びも徹底解説

「システム開発を依頼したいものの、大手以外で信頼できる会社が見つからない。」

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同様の悩みを抱える企業は多いのではないでしょうか。

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この記事では、開発受託のプロが、発注の全7ステップと、失敗しない開発会社の合理的な選定基準5選を徹底解説します。

この記事を読めば、システム開発の費用対効果を最大化し、自社の課題を解決する最適なパートナーを自信を持って選定できるようになるでしょう。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

【全流れ】システム開発発注の7ステップ

一般的にシステム開発プロジェクトは計画どおりに進まない事例が多いとされています。

要件定義の不備や仕様変更が原因で、予算超過・納期遅延・品質未達に至る事例も少なくありません。

プロジェクト失敗の主な原因は、発注担当者がシステム開発発注の全工程を十分に理解していないことにあります。

本章ではプロジェクトの主導権を握り、失敗確率を大きく下げるためにシステム開発の7つのステップを開発受託のプロの視点から解説します。

Step1:企画・構想

システム開発の最初の重要なステップは「システムをなぜ作るか」という目的を明確にすることです。経営上のボトルネックを見つけ、システム投資によって削減できるコストを明確にしてください。

経営課題を的確に見つけ出さなければ、システム開発の成功確率は大幅に低くなります。

実際に特定非営利活動法人IT整備士協会の分析では、IT導入の失敗要因として「経営戦略との不一致」が主要因の一つに挙げられています。

明確な戦略を持たないシステム投資は、成果につながらない高額な支出になりかねません。

「なぜ作るのか」という目的が明確であるほど、開発会社の選定や要件定義の段階で、合理的な判断ができるでしょう。

ただ、発注担当者だけで経営課題を完璧に言語化するのは困難です。だからこそ「開発会社選び(Step3)」が重要です。優れたパートナーであれば、この企画段階から課題整理を伴走してくれます

Step2:RFP(提案依頼書)作成

経営課題を言語化できたら、「RFP(提案依頼書)」に落とし込みます。

RFPとは、システム開発会社に対し自社の課題や要望を伝え、解決策の提案を正式に依頼するための書類です。

失敗するシステム開発では、RFPに導入したい機能一覧だけを載せているケースが多いです。機能一覧しか含まれていないRFPでは、各社の提案内容に差が出にくく、発注側は最終的に価格だけで比較・判断せざるを得ません。

成果につながるRFPでは「開発の背景」「現状の課題」「達成したいゴール」を明確に示します。

経営課題や目的が明確であればあるほど、開発会社は経営課題の解決に最適な提案をしやすくなります。費用対効果の高い開発や、長期的な運用を見据えた提案につながるでしょう。

Step3:開発会社選定・見積比較

RFPを複数の会社(通常3社〜5社)に送り、提案と見積もりを受け取ります。開発会社の選定が発注プロセスにおける最大の難関であり、最も悩む部分でしょう。

「大手SIerは安心だが高すぎる」「安いベンチャーは信頼できるか不安だ」「各社で見積もり金額がバラバラで比較できない」このような悩みは当然です。

開発会社は、絶対に価格だけで判断してはいけません。システム開発の見積もりは「作業時間 × 単価」で決まります。

安い見積もりには「品質が低い」「リスクを見積もっていない」「実は下請けに丸投げしている」などの理由がある場合が多いです。

開発会社選びで後悔しないためにも、次の見出し「システム開発の発注で失敗しない会社選びの合理的基準5選」をぜひ参考にしてください。

Step4:要件定義

パートナーとなる開発会社が決まったら、要件定義を行いましょう。

多くの発注担当者が要件定義を開発会社任せにしがちですが、実は要件定義こそがパートナーの理解力や提案力が最も表れるフェーズです。

要件定義は、発注側と開発会社が共同で行う最も重要な作業です。要件定義を発注側が主導できないと、開発終盤での仕様変更や追加費用、納期遅延につながります。

実際にIPA(情報処理推進機構)の調査では、システム開発のトラブル原因の多くが要件定義に起因していると報告されています。特に、遅延の過半数は要件定義の誤りによるものであり、「Step3:会社選び」の失敗とも言えるでしょう。

優れたパートナーは、発注者の曖昧な要望を鵜呑みにせず、業務フローを深くヒアリングし、プロの視点で要件を整理・主導してくれます。

要件定義を成功させるためには、発注側が業務を整理する努力と、業務整理したものをシステムに落とし込むパートナーの提案力・主導力が不可欠です。

Step5:設計・開発・テスト

要件定義ができると、開発会社は「設計」「開発」「テスト」と業務を進めます。

開発の進め方にはいくつかの代表例があり、要件の固まり具合・変更頻度・納期によって最適解が異なります。

開発手法特徴向いているケース
ウォーターフォール開発工程を順番に進める手法。進行管理がしやすい一方、途中変更に弱い。業務要件が固まっている基幹・業務システム
アジャイル開発少ない機能に絞り短サイクルで開発と検証を繰り返す。変更に強くスピード重視。仕様が動く新規サービス、概念実証(PoC)
プロトタイプ開発早期に試作品を作り、発注側の確認・改善を重ねる。ユーザー体験を具体化しやすい。UI/UX重視、関係者合意形成が必要
スパイラル開発重要機能から段階的に作り上げ統合していく。大規模・複雑案件に向く。大規模・複雑システム

システム開発の業務自体は開発会社に任せますが、週1回の定例ミーティングを設け、進捗を確認することが重要です。

特にアジャイル開発(短期間で開発とレビューを繰り返す手法)を採用する場合、発注側はデモを頻繁にレビューし、フィードバックする責任があります。

テスト段階で「イメージと違う」というズレを早期に発見・修正することが、手戻りによる追加コストを防ぐ最大のコツです。

Step6:受け入れ(検収)

システムが完成したら、納品前の最終チェックである「受け入れ(検収)」を行います。

受け入れは、RFPや要件定義書で合意した内容がすべて満たされているかを、発注側が確認する作業です。

受け入れの際に確認すべきは、バグの有無だけではありません。

実際の業務フローに沿ってデータが正しく処理されるか、一般社員がマニュアルなしでも直感的に操作できるかなど、利用者の視点で丁寧にテストすることが重要です。

要件定義書と異なる部分が見つかった場合は、受け入れ段階で修正を依頼してください。「検収完了」と署名した後に修正を求める場合、追加費用が発生します。

追加費用を防ぐためには、実際の業務で利用する場面を想定しながら、開発されたシステムを丁寧に確認することが効果的です。

Step7:運用・保守

システム開発を成功させるには、開発費だけでなく、運用・保守にかかるコストを含めて判断することが重要です。システムは「作って終わり」ではなく、納品後の運用からが本当のスタートになります。

開発会社とは必ず「運用・保守契約」を締結し、運用・保守契約の内容を開発契約と併せて確認する必要があります。

確認すべき項目は以下のとおりです。

  • 障害が発生した際、何時間以内に対応してくれるのか。
  • 「軽微な修正(例:ボタンの色を変更するなど)」は保守費用に含まれるのか。
  • サーバー代や、ミドルウェアのライセンス料は誰が負担するのか。

保守費用の内訳を確認せずに契約を進めた結果、開発費は抑えられたものの、運用コストが想定の3倍に膨らんだという中小企業のケースもあります。

運用・保守コストを事前に把握することが、システムを長期的に安定運用するための第一歩です。

システム開発の発注で失敗しない会社選びの合理的基準5選

システム開発発注の全流れの中で、プロジェクトの成否を9割決めるのが「開発会社選び」です。

中小企業の決裁者の多くが「大手SIerは信頼できるが高すぎる」「一方で、安価な無名の会社は品質や体制が不安で安物買いの銭失いになりそうだ」といったジレンマに陥ります。

検索しても各社の違いはわからず、何を基準に選べばよいか途方に暮れてしまうのも無理はありません。

開発受託のプロである筆者の視点から、中小企業が「費用対効果」と「信頼性」を両立させるパートナーを見極めるための合理的な選定基準を5つ具体的に解説します。

基準1:課題解決(戦略)の「提案力」があるか

開発会社が、自社の課題を的確に理解し、解決策を提案できるパートナーであるかを確認してください。

初回の打ち合わせで、発注者の話をただ聞くだけの姿勢を見せる会社には注意が必要です。

優れた開発パートナーは、「なぜその機能が必要なのか」「その課題であれば、既存のSaaSと連携するほうがコストを抑えられないか」を問い、既存SaaSの活用なども含めて課題解決を最適化します。

すぐに見積書を提示しようとする会社には注意が必要です。「はい、作れます」と技術的な可否だけで即答する会社は、課題の本質を見落とす可能性があります。

一方で、真のパートナーは「まず、業務フローを拝見させてください」と依頼し、課題の構造を正確に把握することから始めます。

システム開発におけるパートナー選定では、技術力そのものよりも、課題を理解し最適な解決策を導ける提案力を重視することが重要です。

基準2:自社の課題・規模と一致する実績があるか

開発会社の実績に自社と類似した案件があるかを確認することも重要です。

多くの会社がWebサイトに「実績多数」と掲載していますが、数に惑わされてはいけません。

例えば、従業員50名規模の製造業が基幹システムを発注する際に、実績が大企業やスタートアップ向け案件に偏る会社へ依頼すると、要件やコスト面でミスマッチが生じやすくなります。

大企業向けの会社では仕様が過剰になりコストが膨らみ、スタートアップ向けの会社では業務やセキュリティ要件を理解できず、プロジェクトが混乱する恐れがあります。

開発会社を選定する際は、「同業界」「同規模」「同様の経営課題」を持つ企業のシステムを手がけた実績があるかを確認してください。

類似案件の実績を持つ会社こそが、発注企業の業務を理解し、現実的かつ効果的なシステムを構築できる信頼性の高いパートナーです。

基準3:開発体制とコミュニケーションの透明性が担保されているか

システム開発を依頼する前に必ず開発体制を確認してください。

大手SIerの見積もりが高くなる背景には、多重下請け構造があります。

元請けが案件を受け、実際の開発を下請け・孫請けに委託するため、情報伝達のズレと中間マージンの積み重ねでコストが増えるのです。

打ち合わせの際に「実際の開発担当者は、打ち合わせに同席可能ですか?」と質問してみてください。

営業やPMのみで開発者の同席を渋る場合、社内に実装部隊が薄いか多重下請けの可能性が高いと判断できます。

また、開発体制だけでなくコミュニケーションの透明性も重要です。進捗報告の頻度や共有ツール、意思決定のプロセスが明確であれば、認識のズレや手戻りを防ぎ、トラブルを未然に防げます。

コミュニケーションがスムーズで、開発体制が透明であることは、品質とコストの適正化に直結する重要な判断基準です。

基準4:見積もりの「内訳(人月単価と工数)」は適切か

複数社からの見積もりを総額だけで比較しがちですが、内訳も必ず比較してください。

システム開発の見積もりは、基本的に「工数(人月)× 人月単価」で算出される仕組みです。

例えば、総額600万円でも「A社:100万円/月 × 6ヶ月」と「B社:150万円/月 × 4ヶ月」では意味が全く違います。B社は月当たりの単価が高く、短期間で開発できる技術力があると読み取れます。

見積もりに「一式」とだけ記載されている場合は、注意が必要です。各機能や工程に対して、どれくらいの工数を想定しているのかを明確にしてもらいましょう。

提示された工数の妥当性を比較・確認することで、費用と効果のバランスを合理的に判断できます。

基準5:契約形態を比較検討してくれるか

システム開発の契約には「請負契約」と「準委任契約」の2種類があり、責任範囲が大きく異なります。

契約形態を一方的に提示する会社ではなく、プロジェクトの目的やリスクを踏まえて両者を比較検討してくれる会社を選ぶことが重要です。

請負契約は、成果物の完成を約束する契約で、見積金額を確定しやすい点がメリットです。ただし、要件定義後の変更は原則すべて追加費用となります。

一方、準委任契約は作業時間に応じて費用が発生し、仕様変更に柔軟に対応できる反面、長期化によるコスト増に注意が必要です。

プロジェクトの性質に合わせ、確実性重視なら請負契約、柔軟性重視なら準委任契約が適切です。違いを理解しないまま進めると、仕様変更時の高額請求など契約起因のトラブルに直結します。

システム開発の発注で費用を適正化する4つのコツ

システム開発は、中小企業にとって非常に高額な投資です。

「できるだけ費用を抑えたい」と考えるのは当然ですが、単なる「値切り」は、品質の低下や開発会社のモチベーション低下に直結し、プロジェクト失敗の原因となります。

目指すべきは「コスト削減」ではなく「コストの適正化」です。

本章では、開発費用を適正化するための4つの実践的なコツを解説します。

見積書の中身を可視化し根拠のある金額を引き出す

システム開発の見積もりを正しく判断するためには、金額そのものよりも「中身(根拠)」を確認することが重要です。

見積書に「一式」とだけ記載されている場合、作業範囲が曖昧なまま金額が算出されている可能性があります。

機能や画面ごとの工数を明示してもらうことで、どこにどれだけの作業が発生しているのかを把握できます。

バッファ(予備工数)の設定や、保守費用に含まれるSLA(Service Level Agreement:サービス品質保証契約)を確認すれば、見積もりの妥当性を見極めやすくなるでしょう。

交渉の本質は価格の切り下げではなく、根拠の可視化と妥当性の確認です。

要件定義を明確にし「無駄な仕様変更」を減らす

システム開発を依頼する前の段階で要件定義を明確にし、無駄な仕様変更を減らすことが重要です。

システム開発では、開発途中の仕様変更が予算超過の大きな要因の一つとされています。

最も効果的なコスト削減策は、開発前の要件定義の段階に、発注側が十分な時間とリソースを投資することです。

「必ず実装すべき機能(Must)」と「実装できれば望ましい機能(Want)」を明確に切り分け、開発範囲を確定させることで、無駄な追加費用を防げます。

MVP(最小構成)でスタートし小さく育てる発想を持つ

システム開発では、最初からすべてを作ろうとせず、MVP(Minimum Viable Product:最小限の機能を持つ製品)で始めることが最も効果的です。

多くの中小企業では、「せっかく投資するなら最初から完璧なシステムを作りたい」という発想に陥りがちです。

しかし、機能を詰め込みすぎると開発期間の延長やコスト増につながるだけでなく、利用されない機能が増加する傾向があります。

MVP開発では、まず最も重要な経営課題を解決する1つのコア機能だけを実装することが基本です。

実際に現場で運用しながらフィードバックを得て、必要な機能だけを後から段階的に追加することで、ムダのないシステムを構築できます。

「小さく始めて、大きく育てる」考え方は、初期投資を最小限に抑えつつ、ROI(投資対効果)を最速で実現する発注戦略です。

既存SaaSやローコードとの使い分けを相談する

システム開発は、すべてをゼロから作る時代ではありません。既存のSaaSやローコードツールを活用し、独自性が必要な部分だけをオーダーメイドで開発することが、最も効率的です。

近年は、安価で高機能なSaaSや、短期間で開発できるローコード・ノーコードツールが数多く登場しています。

既存のSaaSやツールを上手に活用することで、コストを抑えながらスピーディに業務システムを構築できます。

例えば、勤怠管理・経費精算・顧客管理といった業界共通の標準業務は、既存のSaaSを導入してAPI連携でつなぐほうが良いでしょう。

一方で、企業独自の強みや競争力の源泉となる業務プロセスは、オーダーメイドで設計・開発する価値があります。

「どこをSaaSで代替し、どこを独自開発すべきか」を提案できる開発会社こそ、信頼できる戦略的パートナーです。

システム開発発注におけるよくある質問

Q:見積もりが各社バラバラで比較できません。どうしてこんなにバラバラなんですか?

A:見積もり金額が大きく異なる場合は、前提条件(RFP)が曖昧である可能性が高いです。まずは各社の工数と単価を確認し、見積もりの内訳を比較してください。

RFP内で要件や開発範囲の定義が不十分な場合、各ベンダーが異なる前提で見積もりを作成します。前提条件の違いが金額差を生み出す主な要因です。

見積もりを正しく比較するためには、前提条件の整理が重要です。RFPの内容を明確にし、工数と単価の内訳を照らし合わせることで、適正な判断が可能になります。

Q:システム開発の発注では、相見積もりを何社に依頼すべきですか?

A:相見積もりの依頼先は、3〜5社程度が最も適切です。

数が少なすぎると比較の精度が下がり、多すぎると情報整理に時間がかかり、判断が難しくなります。

よくある失敗は、「とにかく多くの会社に依頼すれば安心」と考えてしまうことです。

社数を増やしても、RFP(提案依頼書)の前提条件が曖昧なままでは、各社が異なる想定で見積もりを出してしまい、比較そのものが成立しなくなります。

重要なのは金額だけでなく、見積もりの根拠・提案内容・開発体制の透明性を比較することです。

費用の妥当性だけでなく、担当者の説明や質問への対応姿勢を見ることで、信頼できる開発パートナーをより正確に見極められます。

Q:契約書で特に注意すべきポイントはありますか?

A:システム開発契約でトラブルを防ぐためには、契約書の内容を正確に理解し、責任範囲を明確にしておくことが不可欠です。

契約段階の確認不足が原因で、納品後に追加費用の請求や権利のトラブルが発生するケースは少なくありません。

特に注意すべき項目は、次の3点です。

  1. 成果物の著作権の帰属先(発注企業と開発会社のどちらに帰属するのか)
  2. 仕様変更時の費用算定ルール(どの範囲で追加費用が発生するのか)
  3. 検収および保守の定義(どの時点で責任が移転するのか)

上記の条項が曖昧なままだと、契約後に解釈の違いが生じ、トラブルに発展するリスクがあります。

契約書の内容に不明点がある場合は、契約締結前に弁護士やITコンサルタントなどの専門家へ確認することが望ましいです。

Q:発注後にトラブルを防ぐためのコツはありますか?

A:発注後のトラブルを防ぐうえで最も重要なのは、進捗共有の仕組みと記録の管理方法を明確にすることです。

多くのシステム開発プロジェクトでは、認識のずれや報告・連絡・相談の不足が原因で、後から責任の所在をめぐる問題が発生します。

原因の多くは、仕様書よりもコミュニケーション設計の不備にあります。

効果的な対策としては、週1回の定例ミーティングの実施や議事録・チャット履歴の保存、そして仕様変更時の書面またはチケットでの正式合意が有効です。

進捗共有と記録のルールを徹底することで、認識のずれを防止し、プロジェクトを安定的に運営できます。

Q:RFP(提案依頼書)のテンプレートはありますか?

A:RFPのテンプレート自体は多数存在します。しかし、形式だけを真似するよりも、まず解決したい課題を明確にすることが重要です。

テンプレートを使用すると、項目を埋める作業が目的化しやすく、根本的な経営課題や開発の目的が抜け落ちる可能性があります。

目的が不明確なRFPは、開発会社との認識のずれを生みやすく、最終的に費用や品質に悪影響を及ぼします。

テンプレートの利用は、課題を明確にした後が望ましいです。

まずは自社の経営課題を言語化し、その内容をもとに必要な項目を選定してRFPを作成することが、成功するプロジェクトの第一歩となります。

Q:アジャイルとウォーターフォールどちらが良いですか?

A:要件が明確に固まっている場合はウォーターフォール、開発中に柔軟な変更が必要な場合はアジャイルが適しています。

両者は手法の方向性が異なり、プロジェクトの性質によって向き・不向きがはっきり分かれるためです。

ウォーターフォールは工程を順に進めるため計画通りに管理しやすい一方で、途中の仕様変更には弱い特徴があります。

アジャイルは短いサイクルで開発と改善を繰り返すため、変化に対応しやすく、試行錯誤を前提とした開発に向いています。

結論として、どちらが優れているかではなく、どのようなプロジェクトかで選ぶことが重要です。信頼できる開発パートナーであれば、目的や状況に応じて最適な手法を提案してくれるはずです。

Q:システム納品後、保守契約を結ばないとどうなりますか?

A:保守契約を締結しない場合、障害対応や軽微な修正が発生するたびに個別で費用が発生するため、運用コストが不安定になります。

さらに、サーバーやミドルウェアのアップデートに起因する不具合への対応が行われず、システムが正常に稼働しなくなるリスクも高まります。

保守契約は単なるサポート費用ではなく、安定した運用と迅速なトラブル対応を確保するためのリスクマネジメントです。

小規模な保守プランであっても、契約を締結しておくことで、障害発生時の対応スピードや継続的なシステムの安全性を確保できます。

まとめ|システム開発発注は「信頼できる戦略パートナー」選びで全て決まる

今回は、システム開発を発注する際に知っておくべき全体の流れと、失敗しない開発会社選びの合理的基準5選を、開発受託のプロの視点から解説しました。

システム開発発注の7ステップは以下のとおりです。

  1. 企画・構想
  2. RFP(提案依頼書)作成
  3. 開発会社選定・見積比較
  4. 要件定義
  5. 設計・開発・テスト
  6. 受け入れ(検収)
  7. 運用・保守

システム発注の成否は価格ではなく、経営課題を理解し伴走してくれるパートナーを選べるかどうかにかかっています。

まずは、なぜシステムが必要なのかを明確にし、自社の課題に寄り添ってくれる開発会社を選びましょう。

「この記事を読んでも課題の言語化は難しい」という方もいるかもしれません。

弊社では、課題整理から提案依頼書(RFP)の作成までを無料でサポートする「壁打ち相談」を実施しています。

まだ発注先が決まっていなくても構いません。まずは課題の棚卸しからご一緒に進めましょう。

お問い合わせフォームでは「DX開発パートナーズ」をお選びください

システム開発

システム開発を外注に丸投げするのは危険?リスクと対策を徹底解説

「システム開発を外注したいけれど、失敗しないか不安…」

そんな悩みを抱える経営者やDX担当者の方も多いのではないでしょうか。

本業で手一杯の中、複雑なシステム開発を外部に任せたいと考えるのは自然です。ただ、「丸投げは危険」「失敗しやすい」といった声もあり、不安を感じる方も多いでしょう。

本記事では、システム開発の外注丸投げで考えられるメリットやリスク、そして失敗を避けるための具体的な対策まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。

この記事を読めば、システム開発を外注するときの不安が和らぎ、自社に合った判断ができるようになるでしょう。

※この記事の「システム開発」には、「アプリ開発」「社内業務管理システム」「プラットフォーム構築」なども含まれます。

記事監修者

DX開発パートナー

DX開発パートナーは、20年以上の実績を持つリーダーを中心に、
多様なバックグラウンドを持つ若手コンサルタント、PM、エンジニアが連携するチームです。
柔軟で先進的な発想をもとに、DXの課題発見からシステム開発・運用までを一貫して支援しています。クライアントの「DX・システム開発」に関する課題やお悩みをもとに、役立つ情報を発信しています。

システム開発を外注に丸投げするメリット

システム開発を外注に丸投げすることで得られるメリットは以下の4つです。

  • 社内リソースを他に充てられる
  • 専門的な技術を持つエンジニアに任せられる
  • 社内で開発環境を整えなくていい
  • 最適なシステム構築が期待できる

それぞれ詳しく解説します。

社内リソースを他に充てられる

最大のメリットは、自社の貴重なリソースを本来注力すべきコア業務に集中できることです。

システム開発には、要件の整理から設計、開発、テストまで多くの時間と労力がかかります。

もしシステム開発の諸作業を専門外の社員が兼任で行うと、本来の業務が圧迫されてしまい、会社全体の生産性が低下する恐れがあります。

開発業務をすべて外部に委託することで、社員は営業やマーケティング、顧客サポートといった自社の強みである領域に専念できるでしょう。

社員を得意業務に専念させることは、事業成長のスピードを加速させるうえで重要です。

専門的な技術を持つエンジニアに任せられる

専門的な知識と技術を持つプロのエンジニアに開発を任せられる点も大きな魅力です。

IT技術は日々進化しており、クラウドAIセキュリティ対策など、求められる専門知識は多岐にわたります。

高度な技術を持つ人材を自社で新たに雇用したり、育成したりするのは時間もコストもかかり、中小企業にとっては簡単なことではありません。

しかし、開発会社には最新技術に精通したエンジニアが多数在籍しています。

多様な開発経験で培われたノウハウを活かしてもらえるため、自社だけでは実現が難しい高品質で安定したシステムの構築が可能です。

社内で開発環境を整えなくていい

システム開発を始めるためには、専門的な開発環境を準備する必要があります。

開発環境には高性能なパソコンや特殊なソフトウェア、テスト用のサーバーなどが含まれ、一から揃えるとなると多額の初期投資が必要です。

さらに機材やソフトウェアは、導入して終わりではありません。

セキュリティを維持するための定期的なアップデートやメンテナンスも欠かせず、管理するための人件費も発生します。

システム開発を外注すれば、開発環境の整備はすべて外注先が行います。

自社では一切準備する必要がないため、コストと手間を大幅に削減し、スピーディーに開発をスタートできるでしょう。

最適なシステム構築が期待できる

経験豊富な開発会社は、多くの企業課題を解決してきたプロの視点から、より良いシステムにするための提案をしてくれます。

自社の担当者だけでは、視野が狭くなったり、既存の業務フローに捉われたりしがちです。

外部の専門家が客観的に分析することで、「本当に必要な機能」や「業務効率化のヒント」など、自分たちでは気づけない発見が得られるかもしれません。

システム開発のプロの提案を取り入れ、当初の想定を超えるビジネスの課題解決に本当に役立つ最適なシステムを構築しましょう。

システム開発を外注に丸投げするリスク

システム開発を外注に丸投げすることは多くのメリットがある一方で、安易な丸投げには大きなリスクが潜んでいます。

システム開発を成功させるためには、リスクを事前に正しく理解しておくことが不可欠です。

ここでは、外注に丸投げすることで起こりうる6つの具体的なリスクについて、詳しく解説します

コミュニケーション不足による手戻りコストが発生する

発注側と開発側のコミュニケーションが不足すると、完成したシステムが「思っていたものと違う」という事態に陥りがちです。

例えば、ボタンの配置や画面の遷移、データの表示方法といった細かい仕様について、発注者側が「言わなくても分かるだろう」と考えていることでも、開発者側には伝わっていないケースは多く存在します。

小さな認識のズレが積み重なり、最終テストの段階で「これでは使えない」というケースが後を絶ちません。

最終テストで大きな不具合が発覚した場合、仕様を修正して作り直す「手戻り」が発生し、余計な追加費用や時間(コスト)がかかってしまいます。

最悪の場合、納期が大幅に遅れ、ビジネスチャンスを逃すことにも繋がりかねません

プロジェクト進捗が見にくい

開発の全工程を外注先に一任してしまうと、プロジェクトが今どのような状況にあるのか、発注者側からは見えにくくなります。

多くの開発会社は誠実に業務を進めてくれますが、中には問題が発生していても報告をせず、内部で抱え込んでしまうケースも存在します。

定期的な進捗報告の場を設けていないと、「開発は順調です」という言葉を信じるしかなく、状況を正確に把握できません。

自社で進捗管理ができていないと、納期の直前になって「深刻な問題が発生しており納期に間に合わない」といった最悪の事態を招く恐れがあります。

プロジェクトの進捗を可視化する仕組みがない丸投げは、常にこうしたリスクを抱えています。

ベンダー依存に陥ってしまう

システムが完成した後も、運用していく中で機能の追加や改修は必要です。

機能の追加や改修時にシステムの内部構造や仕様を外注先しか理解していない状態だと、その会社に依頼し続けるしか選択肢がなくなってしまいます。

特定のベンダーに依存した状態に陥ると、発注者側の立場は弱くなるでしょう。

例えば、少しの改修にもかかわらず高額な見積もりを提示されたり、対応のスピードが遅くなったりしても、他社に乗り換えることが難しいため、その条件を受け入れざるを得ません。

システムという会社の重要な資産の主導権を、完全に外部の企業に握られてしまうことは、長期的な視点で見ると非常に大きな経営リスクです。

社内にノウハウが溜まらない

開発プロセスにまったく関与しない「完全な丸投げ」をしてしまうと、システムに関する知識や技術的な知見が、自社には一切蓄積されません。

システム開発を外部の専門家に依頼すること自体は、良い手段です。

しかし、システム開発を外部に依頼しても「使用技術」や「仕様の理由」を社内で共有・学習しなければ、IT知見はいつまでも外部依存のままです。

将来システムを拡張・内製化しようとしても、社内にノウハウがなければ再び外部に依存することになります。

社内にノウハウがなければ、自社のIT戦略を主体的に描くことは難しいでしょう。

情報漏洩の危険性がある

新しいシステムを開発する際は、顧客情報や販売データなどの重要情報を開発会社に預けることになります。

信頼できる開発会社は国際的なセキュリティ基準(ISMS認証など)を取得し、厳重に情報を管理しています。しかし、すべての会社が十分な対策を取っているわけではありません。

外注先の管理が甘いと、サイバー攻撃や内部不正で機密情報が漏れる恐れがあります。

情報処理推進機構(IPA)が公表する「情報セキュリティ10大脅威 2024」でも、情報漏洩リスクは毎年上位に挙げられており、企業にとって深刻な脅威とされています。

情報漏洩は、会社の信用を失墜させ、顧客離れや損害賠償といった深刻な事態を引き起こす、最も避けなければならないリスクの一つです。

品質がコントロールできなくなる

システムの品質は、動作の安定性だけでなく、使いやすさや将来の拡張性も含まれます。

品質基準を具体的に伝えなければ、開発会社は独自の判断でシステム開発を進めてしまうでしょう。

「直感的に使えるシステムを」といった曖昧な要望では、動作しても使いづらい仕上がりになる場合があります。

どのような品質を求めるのかを明確にし、開発プロセスの中でそれを確認していく仕組みがなければ、システムの品質をコントロールすることはできません。

システム開発の外注丸投げで失敗しないための5つの対策

どうすればシステム開発の外注丸投げのリスクを回避し、成功に導けるのでしょうか。

重要なのは、「丸投げ」を「放置」と捉えるのではなく、外部のプロと協力して事業を成功させる「戦略的パートナーシップ」と考えることです。

発注者側が主体性を持ってプロジェクトに関わることで、失敗の確率は劇的に下がります。

ここでは、システム開発の外注丸投げを成功に導くために実践すべき5つの具体的な対策を、行動レベルまで落とし込んで解説します。

目的と計画を明確化する

開発会社に相談する前に、まずは自社で「なぜシステムが必要なのか」「システムで何を達成したいのか」を徹底的に言語化しましょう。

目的が曖昧なままプロジェクトを進めると、開発の途中で方向性がブレてしまい、結局「作ってみたけど使えない」という結果を招きかねません。

具体的には、以下の2点を紙に書き出してみてください。

  • システムの導入目的
    • できるだけ具体的な数値目標や状態を定義する
  • 必要な機能の優先順位付け
    • 予算や納期が限られる中で、何を守り、何を諦めるかの判断基準になる

システムの導入目的と優先順位付けができていれば、開発会社にも要望が正確に伝わり、認識のズレを防ぐ第一歩となります。

信頼できるパートナー選定をする

システム開発の成否は、どの開発会社をパートナーに選ぶかで9割決まると言っても過言ではありません。

パートナー選定において重要なのは「信頼性=大手企業」とは限らないという点です。

企業の安定性も指標の一つですが、安定性以上に自社との「相性」や、課題に対する「対応力」こそが成否を分ける重要な判断基準となります。

優れた開発パートナーを見極めるためには、以下の視点で開発会社をチェックしてください。

  • 初回ヒアリングでビジネスの核心に迫る質問をしてくるか。
  • 制作実績の紹介時に開発の背景や成果まで語っているか。
  • 自社の課題を深く理解したうえで、独自の解決策が具体的に示されているか。
  • レスポンスが迅速か、担当者とのコミュニケーションは円滑で相性が良さそうか。

システムの仕様を決める要件定義の段階から、ビジネスの成功というゴールまで一気通貫で伴走してくれるパートナーを選びましょう。

伴走型のパートナーを選定することで、ベンダー依存や品質の低下といったリスクを根本から防ぎ、システム開発を成功へと導けます。

主体的なプロジェクト管理をする

発注者側がプロジェクトの当事者として、主体的に管理に関わる姿勢が重要です。

プロジェクトの状況を見える化し、重要な意思決定には必ず関わってください。

主体的にプロジェクト管理をするために最低限すべきことは以下のとおりです。

  • 社内の担当者を明確に決める
  • 定期的な進捗報告会(定例会議)を設定する
  • デモをこまめに確認する

「プロジェクトの進捗管理」と「重要な意思決定」を、発注者側が主体的に担うことで、システム開発が成功する可能性がグッと上がるでしょう。

密なコミュニケーションを取る

定例会議のような公式な場だけでなく、日頃からの密なコミュニケーションがプロジェクトの質を大きく左右します。

開発を進める中で、仕様に関する小さな疑問や確認事項は日々発生します。

小さな疑問や確認事項を気軽に質問したり相談したりできる関係性を築くことが大切です。

密なコミュニケーションを取るための具体的な実践例は以下のとおりです。

  • チャットツールを活用する
  • 小さなことでも疑問点はすぐに解消する
  • 決定事項は必ず記録に残す

密にコミュニケーションを取ることで、社内と開発パートナーの認識をすり合わせながら、ズレのない形でプロジェクトを進められます。

運用と振り返りの計画をしっかり立てる

開発を依頼する段階で、リリース後の運用や保守についても計画に含めておきましょう。

システムは、完成して納品されたら終わりではありません。実際に業務で使い始めると、必ず改善点や新たな要望が出てきます。

リリース後の運用や保守について開発段階でやるべきことは以下のとおりです。

  • 保守・運用体制を契約に含める
  • 社内へのノウハウ移管を依頼する

発注者として「自分たちの事業を成功させるためのプロジェクトなのだ」という当事者意識を持ってください。

システム開発への当事者意識が、システム開発の外注丸投げを成功へと導く最大の力となるでしょう。

システム開発の外注丸投げでよくある質問

Q1. ITにあまり詳しくないのですが、依頼することは可能ですか?

A1. ITに詳しくない場合でも依頼することは可能です。

大切なのは、ITの知識よりも「自社のビジネスをどう改善したいか」という想いです。

優れた開発パートナーは、お客様のビジネス課題を丁寧にヒアリングし、それをITの言葉に翻訳して最適なシステムの形を提案してくれます。

この記事で解説した「目的の明確化」さえ意識していただければ、専門家がしっかりとサポートしますのでご安心ください。

Q2. 開発費用は、どれくらいを見ておけば良いでしょうか?

A2. 開発費用は、システムの規模や機能の複雑さ、開発期間によって大きく変動します。詳細はお見積もりにてご提示させていただきます。

依頼前には複数の開発会社に相談し、見積もりを取って比較検討することがおすすめです。比較検討する際には金額の安さだけでなく、提案が課題解決に合っているか、信頼できるパートナーかを総合的に判断することが重要です。

弊社では、お客様のご予算に応じた最適なプランをご提案します。万が一ご予算が合わない場合でも補助金申請のサポートなど、柔軟な対応が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

Q3. 契約前に、特に確認しておくべきことは何ですか?

A3. 以下の3点は、確認しましょう。

開発の範囲(スコープ): 契約金額でどこまでの機能が実装されるのか、明確に定義されているか。

費用と支払い条件: 追加費用が発生するケースや、支払いのタイミングが明記されているか。

納品後の保守・運用体制: システム完成後のサポート範囲や費用はどうなっているか。

不明瞭な点があれば遠慮なく質問し、すべてに合意した上で契約を結ぶことが大切です。

Q4. 開発期間は、どのくらいかかりますか?

A4. 開発期間も、費用と同様にシステムの規模や機能の複雑さによって大きく変わります。

小規模でシンプルなシステムであれば2ヶ月〜3ヶ月で完成する場合もありますし、大規模で複雑なものになると1年以上の期間を要することもあります。

重要なのは、最初の計画段階で「いつまでに、どの機能が必要か」を開発パートナーと綿密にすり合わせ、現実的なスケジュールを立てることです。

信頼できるパートナーであれば、なぜその期間が必要なのかを丁寧に説明し、お客様のビジネス計画に沿った最適なスケジュールを提案してくれます。

Q5. プロジェクトの進行中、発注者側はどれくらい時間を割く必要がありますか?

A5. 常に時間を割く必要はありませんが、重要な意思決定の場面では発注者側にも参加いただくことがあります。

なぜなら、そうした意思決定こそが、プロジェクトの成否を左右する重要な要素だからです。

それ以外でご協力いただく主なタイミングは「初期の集中的なヒアリング」「週1回程度の進捗確認」「開発中システムのチェック」などです。

いずれもプロジェクト成功のために欠かせない時間ですが、優れた開発パートナーであれば、発注者様の負担を最小限に抑えつつ、効率的に進行してくれます。

Q6. 開発の途中で仕様の変更や機能の追加をお願いすることはできますか?

A6. はい、可能です。ただし、変更の規模やタイミングによっては、追加費用や納期の延長が必要になる場合があります。

プロジェクト開始時に契約で定めた範囲を超える変更については、その都度お見積もりやスケジュールの再調整を行うのが一般的です。

柔軟な体制を持つ開発会社であれば、開発途中の変更にもスムーズに対応できます。

仕様変更の可能性がある場合は、初期段階で開発パートナーに共有することが望ましいです。

Q7. 開発してもらったシステムの著作権やソースコードの所有権はどうなりますか?

A7. 契約形態によって異なるため、契約前に必ず確認すべきです。

一般的には開発費を支払うことで、完成したシステムやソースコードの著作権が発注者側に移転するケースも多く見られます。

ただし、開発会社がもともと保有している独自の技術やプログラム部品(ライブラリなど)は、譲渡の対象外となる場合があります。

将来のトラブルを防ぐためにも、成果物の権利を誰が持つのかを契約書で明確にしておきましょう。

Q8. システムが完成した後のサポート(保守・運用)は、どうなっていますか?

A8. 多くの開発会社では、納品後に一定の「無償保証期間」が設けられており、その間に見つかった不具合は無償で修正してもらえます。

無償保証期間後の継続的なサポートについては、別途「保守運用契約」を結ぶのが一般的です。

契約内容に応じて、サーバー監視、データバックアップ、セキュリティ対策、操作に関する問い合わせ対応などを月額で実施します。

どのようなサポートが必要か、開発段階からパートナーと相談し、計画を立てておくと安心です。

まとめ | システム開発の外注丸投げは慎重に!

今回は、システム開発を外注に丸投げする際のメリット、リスク、そして失敗しないための5つの対策について詳しく解説しました。

改めて、重要なポイントを振り返ります。

システム開発を外注に丸投げするメリット

  • 社内リソースを他に充てられる
  • 専門的な技術を持つエンジニアに任せられる
  • 社内で開発環境を整えなくていい
  • 最適なシステム構築が期待できる

システム開発を外注に丸投げするリスク

  • コミュニケーション不足による手戻りコストが発生する
  • プロジェクト進捗が見にくい
  • ベンダー依存に陥ってしまう
  • 社内にノウハウが溜まらない
  • 情報漏洩の危険性がある
  • 品質がコントロールできなくなる

システム開発の外注丸投げで失敗しないための対策

  • 目的と計画を明確化する
  • 信頼できるパートナー選定をする
  • 主体的なプロジェクト管理をする
  • 密なコミュニケーションを取る
  • 運用と振り返りの計画をしっかり立てる

システム開発の外注丸投げにはリスクがあります。

しかし、この記事で紹介した対策を実践し、ビジネスに寄り添う「伴走型パートナー」を選べば、事業成長を大きく加速させられるでしょう。

信頼できる開発パートナーの選び方に迷っている方は、まずはお気軽にご相談ください。

貴社の課題整理からシステム構築まで、弊社が伴走型でサポートいたします。